著者
吉開 範章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.61, pp.19-24, 2006-06-05
参考文献数
9
被引用文献数
1

人々が情報ネットワークから得られる理論的な価値について、Sarnoff, Metcalfe, Reedの3法則を基礎に、ネットコミュニティの数と構成、ヒトの脳の処理能力などの観点から考察し、そのモデルが一般式で与えられることを示す。また、そのモデルを用いた応用例として、社会関係を踏まえた情報ネットワーク制御設計法について説明し、ケーススタディとしてMPLSを用いた企業専用網設計への適用例を示す。その結果、社会ネットワークの分析結果を情報ネットワークの設計に活用することにより、ネットワーク全体の信頼度やサービス品質改善に有効となることを示す。
著者
秋山 康智 田中 功一 笠井 則充
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.99, no.4, pp.1-6, 1999-01-21
参考文献数
2
被引用文献数
4

情報共有型サービスにおける情報の効率的な配布を目的として、通信衛星利用データ配信システムの設計、実装を行った。今回、従来のUNIXマシン、衛星受信装置、ルータの構成であった受信装置を、PC及び衛星受信ボードに変更し、Windowsへの移植のため、制御ブログラムの再設計を行った。また従来の機能に加え、新たにIPマルチキャスト機能を採用し、実装した。また本システムでは、蓄積交換を行うことによってファイル転送を実現している。従ってファイル転送のスループットは、転送するデータサイズ、蓄積交換時のオーバーヘッド及び衛星伝達遅延に影響される。本稿では、転送するデータのサイズと転送レートの関係を評価することによって、600KB以上のデータでは、理論値の90%以上の性能が出るという、本システムの特性を明確にした。
著者
竹森 敬祐 藤長 昌彦 西垣 正勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.21, pp.61-66, 2008-03-06
参考文献数
9
被引用文献数
1

Source IPを詐称した攻撃対策として,ネットワークを通過する攻撃パケットを被害者側(Destination)から加害者側(Source)へと遡って追跡するIPトレースバックが注目されている.しかし,トレースバックに必要な機能を,通信経路上の多数のルータに組み込むこと,もしくは専用の装置を多数設置することが導入への障壁となっている.そこで本研究では,既存のDNSサーバのログ,もしくは,DNS通信をキャプチャする装置だけでSource IPを探し出す,詐称IP探索方式を提案する.これは,攻撃の直前に被害者ホストのFully Qualified Domain Name(FQDN)に該当するDestination IPをDNSサーバに問い合わせたログから,Source IPを探し出す手法である.また,Source IPが詐称されていることを,通信に関与しないドメインに漏洩しないように,Source IPとFQDNのハッシュ値を用いて確認する手法と,複数のDNSログを照合することで探索結果の信頼性を向上させる手法についても検討する.本手法の有効性を確認するために,Botから発信されるパケットを収集することで,DNS検索型の攻撃割合を調査する.
著者
深澤 成孝 佐藤 直
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.20, pp.1-7, 2015-02-26

ダークネットでは,DDoS 攻撃,DNS アンプ攻撃などの大規模な攻撃を行うための事前活動や新しいマルウェアの出現によるスキャン活動などのトラフィックが観測される事例が数多く報告されている.また,近年,官公庁・政府機関・企業などを狙った標的型攻撃や新たな攻撃手法である水飲み場型攻撃などのサイバー攻撃は,今まで以上に高度化・巧妙化している.本論文においては,日本における NICTER と世界規模の NORSE,二つのダークネット観測網のトラフィックデータの相関分析を行い,両者のダークネットトラフィックに相関関係があることがわかった.
著者
小島 悠子 山本 匠 西垣 正勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.375-380, 2007-03-01
参考文献数
6

我々は,人間の有する「経験を活用する能力の高さ」をユーザ認証に応用する試みとして,「ウオーリーを探せ」をコンセプトとした画像認証方式を提案している.しかし本方式は,毎回の認証時に正解キャラクタを直接クリックすることにより認証を行う方式となっているため,認証行為を覗き見られると,認証システムそのものの安全性が消失してしまうという問題を残していた.そこで本稿では,本方式に「間違い探し」のコンセプトを融合させることによって,認証方式のワンタイム化を図る.本稿では,本方式の有効性を基礎実験により評価する.
著者
都築 佳生 村田 嘉利 佐藤 文明 水野 忠則
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.112, pp.55-60, 2003-03-20
参考文献数
5

警察庁の統計によると2002年1〜5月における重要窃盗犯の件数は20万件に迫ろうとしており、年々増加傾向にある。その一方で検挙件数は低下傾向にある。窃盗犯やストーカに対抗するため、一人暮らしの女性を中心にビデオカメラ付きインターフォンを利用して帰宅前に訪問者を確認したい等の自己防犯システムヘの要求が強まっている。ビデオインターフォンとiモード端末とをサーバを介して接続した上で、ビデオカメラ付きインターフォンとPHSを組み合わせたCTI技術の適用により、高セキュリティーを確保しつつリモート通話、自宅周辺の映像モニタリングおよび施錠状況等の遠隔確認を可能とする防犯システムを開発したので報告する。