著者
金井 圭介 大野 貴弘 石塚宏紀 伊藤花乃子 澤 義和 三尋木織 戸辺 義人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.141-148, 2008-02-27

生活を支援するという点で一番身近であることからオフィス,ホームがユビキタスコンピューティングの対象として取り上げられることが多かった.今後は,生活空間の延長である都市全体をすっぽりと包んで,屋内と屋外とがシームレスにユビキタスコンピューティングで自由に行き来できる世界を構築したいと我々は考える.それに伴い,コンピュータで処理できる情報を取得する過程で必要とされるセンシングも,都市全体をカバーする領域へと拡大する.我々はこれをアーバンセンシングと呼ぶ.本稿では,アーバンセンシングの第一歩となる取組みについて述べる.Offices and Homes have been a main target for ubiquitous computing because these are the closest to our daily lives. We hope to construct a world of ubiquitous computing in the city in such a way that we can move back and forth between indoor and outdoor seamlessly. To achieve that goal, we need to extend sensing to the whole area of a city, which is referred to as urban sensing. In this paper we describe the first step towards urban sensing.
著者
戸辺 義人 蔵田 英之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.692-699, 2010-06-15
参考文献数
1
被引用文献数
2
著者
戸辺 義人
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J90-B, no.8, pp.711-719, 2007-08-01

無線センサネットワークは,センシングと無線ネットワークを融合させることにより,様々な技術課題を生み出している.こうした課題はハードウェアとしての実装から信号処理,ソフトウェアアーキテクチャにまで広がっていて,ネットワーク単独での特殊性をとらえることが難しくなっている.しかし,無線センサネットワークには,センシングデータを配送することを目的とすることに伴う特徴があり,ネットワークアーキテクチャ設計の考え方にも影響を与える.本論文では,これらの特徴から導かれるMAC(Media Access Control)プロトコル,位置情報を利用するルーチング,データセントリックネットワークの研究成果を中心に,ネットワークにかかわる技術的な課題を解説する.
著者
長瀬 綾佑 藤田 晃佑 唐山 英明 ギヨーム ロペズ 戸辺 義人
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.335-336, 2017-03-16

近年インターネットの普及により、ネットワークを利用して遠隔で個別講義を行うことが可能となってきた。こうした遠隔講義は、時間や場所の制約を緩和するという長所を有する反面、講師にとっては、受講者である通信相手の集中状態を知ることができないと問題を抱える。そこで本研究では、通信相手が装着する脳波計から抽出されるα波を基に集中状態を算出し、一定間隔で連続的に講師に算出された集中状態を送るシステムを提案する。本論文で本システムの設計・実装を述べる。
著者
中村 陽一 斉藤裕樹 戸辺 義人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.117, pp.1-6, 2008-11-20
参考文献数
8

近年,センサネットワーク技術の発展,GNSS (Global Navigation Satellite System: 全世界的航法衛星システム) 機能を持つ小型デバイスの普及により位置情報サービス(LBS: Location-based Service) の利用分野が急速に拡大し,注目が集まっている.LBS で用いる情報は実世界の様々な情報であり,常に増加していくものである.そのため分散環境にて情報を管理する必要がある.また実世界の情報は位置依存情報であるため,位置情報を加味した管理方法が問われる.そこで本研究では,地理位置情報を扱うスキップ構造を用いた P2P ネットワーク GeoSkip を提案する. GeoSkip は,各ノード毎にそのノードを中心に一定の角度で空間を分割し,その分割エリアごとにリンクを構築することで,1 次元の情報のみ扱う従来の SkipGraph の概念を 2 次元に拡張する.これにより位置依存データの効率的な分散配置,検索を行う.GNSS (Global Navigation Satellite System) equipped mobile devices and the improvement of the technology for sensor networks have enabled Location-based Services. The location-based services deal with real world information which is collected from mobile devices and sensors. Due to large amount of collected data, we should manage such data in distributed fashion. This paper proposes a scalable peer to peer network architecture, called GeoSkip. Geoskip extends 1-dimensional SkipGraphs to 2-dimensional content space in order to achieve efficient data processing for location-based contents.
著者
戸辺 義人
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.117(2008-DPS-137), pp.41, 2008-11-20

近年進められているセンサネットワークの研究は,スマートダストの影響も大きく,おびただしい数のセンサ・ノードが相互に無線通信でつながるネットワークが前提となることが多い。しかし,産業界での実運用では小規模のシステムで十分であり,学会と産業界との乖離が見られる。本講演では,JST CREST で進める OSOITE プロジェクトの内容も含めて,センサネットワークの今度の研究の方向を論ずる。
著者
石塚 宏紀 木實 新一 戸辺 義人 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.178-190, 2011-01-01

現在,Google Street Viewに代表される,写真を用いて仮想的に街を散策できるサービスが利用されている.しかしながら,ある定められた時間にのみ撮影された画像を用いる従来のサービスでは,季節,時間帯,個人の嗜好等,条件を考慮して多様な風景を画像を連続提示することができない.本論文では,条件に応じて適切な風景を再構成するサービスを実現するために,カメラ付きの携帯電話等を用いて集めた街の写真をデータベースに蓄積し,道路に沿って画像列を高速に検索できる動的ストリート画像フロー生成機構を提案する.一般に,多次元空間索引を用いれば,場所とそれ以外の属性値を指定して対応する写真を高速に検索することができる.しかし,従来のように幾何学的な分割に基づいてアクセスの効率化を行う索引手法を用いた場合,道路ネットワークのような実世界の構造に沿った問合せ要求を円滑に処理することが難しい.そこで我々は,道路ネットワークを考慮した索引手法であるKDRN-Tree(KD-Tree with Road Network)を提案する.KDRN-Treeは,道路ネットワークに対して形状正規化処理を施す一方で,KD-Treeの分割位置を道路境界にできるだけ近づけることで,道路に沿った問合せ要求を効率良く処理することができる.我々は,街中にて撮影した写真を実験データとし,問合せ処理の評価を行った.その結果,KDRN-Treeの有効性と実用的なシステムへの適応可能性を確認した.
著者
戸辺 義人 木村 兼江 中村 明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第37回, no.アーキテクチャおよびハードウェア, pp.167-168, 1988-09-12

AIPは現在のところ、AS3000をホスト・プロセッサとするAI用バックエンド・プロセッサとして使用される。そのためAIPとホスト間の通信は重要な要素であり、高速性と安全性が要求されていた。開発初期においては、VMEバスをmmapにより割り当て、VMEバス上に接続したAIP主記憶に対してホストが直接アクセスできる方式を採用した。この方法は、ホストとAIP間の通信回数が減り通信オーバヘッドが小さくでき、AIP側のインタフェース・ソフトウェアを小型にできる長所があった。しかし次のような短所も考えられる。 (1)複数のホストがAIPを共有する場合、排他制御を行なうことができない。つまり1台のホストがAIPを使用中であっても、他のホストがAIPにアクセスすることが可能となる。 (2)AIP主記憶へのアクセスは、ホストがバス・マスタとなって行なうので、ホストがAS3000ではなくバス転送能力の低いプロセッサにした場合、通信効率が大巾に低下してしまう。 こうした短所を解消するため、ホストにAIP用ドライバを組込むと共にAIPがバス・マスタとなってデータ転送を行なう通信方式で、今回AIPのホスト・インタフェースを実現した。本稿において、新しく開発した通信手段について報告する。
著者
斉藤 裕樹 高山 翼 山上 慶 戸辺 義人 鉄谷 信二
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.773-781, 2014-02-15

GPS機能を備えた携帯端末などによる位置情報取得技術の普及により,人々の訪れた場所どうしを結ぶ行動履歴を解析する研究が活発に行われている.経路情報の蓄積によって得られる行動履歴は,人々の興味と移動との関係を解析する手段として注目されている.一方,TwitterをはじめとするマイクロブログはテキストとともにGPSセンサによる位置情報を付与し,公開することが可能なサービスとして世界的に利用されている.本論文では,マイクロブログ上に蓄積された人々の行動履歴を基に利用者の行動とコンテキストを解析し確率過程モデルに適用させることで,将来の利用者の行動を予測する手法の提案を行う.また,マイクロブログの実データを用いた行動予測精度の評価実験から,単純統計を用いた従来手法より高い予測精度が得られることを確認した.The advance of GPS-enabled portable devices such as PDAs and smart phones facilitates people to record their location histories. Location trajectories imply human behaviors and preferences related for their interests. On the other hand, microblog services such as Twitter enable us to publish text messages (e.g., Tweets) and location-tags (e.g., Geo-tags) to subscribers. This paper proposes a schema for predicting user behavior by analyzing location trajectories and contexts by applying a stochastic model. And, we confirm the effectiveness of our schema through experiment using the actual data obtained from microblog service.
著者
斉藤裕樹 菅生 啓示 間 博人 テープウィロージャナポンニワット 戸辺 義人
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.770-782, 2012-02-15

複数のセンサを搭載したスマートフォンに代表される携帯端末が急速に普及している.これにともない,携帯端末を利用して,広範囲にわたる情報をさまざまな人から収集する参加型センシング(Partcipatory Sensing)が注目されている.参加型センシングの一手法として,自転車に取り付けたセンサにより走行コンテキスト情報を収集する試みが行われているが,これまでの事例では特殊な自転車やセンサを必要とするため適用範囲が限られてきた.本論文では,一般の自転車にスマートフォンを据え付けることで容易に実現可能な自転車走行情報収集・共有機構sBike(Sensorized Bike)を提案する.sBikeでは,スマートフォンに搭載されている複数のセンサから走行情報を収集し,走行情報を統計的認識手法を用いて解析することで走行状態の認識を行う.また,sBikeのプロトタイプの実装および走行状態認識に関する評価について述べる.Participatory sensing, which uses smart phone and gather information from community is draw attention as rapid spread of smart phone mounted multiple sensor. For example of participatory sensing, studies which gather information through sensor installed at bicycle were conducted. But many studies uses special sensors and it is barrior for widespread participation. In this research, we installed a smart phone on bicycle and build system named Sensorized Bike (sBike). It enables various users to participate participatory sensing easily. Proposed system uses Andoroid mobile terminal and gather sensor datas. Analysis of gathered data uses Hidden Markov Model (HMM) and recognize driving condition. In this paper through design and prototyping of sBike, we evaluated proposed driving condition recognition methods.
著者
斉藤裕樹 中村 陽一 戸辺 義人
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.334-346, 2011-02-15

センサネットワーク技術の発展,GNSS(Global Navigation Satellite System)機能を備えた小型デバイスの普及により,位置情報サービス(Location-based Service,LBS)の利用分野が拡大している.LBSでは実世界の膨大な情報を扱うため,分散環境上に実現される必要があるとともに,位置依存情報を管理するための枠組みが必要となる.本論文では,位置依存情報に適したオーバレイネットワークの構成手法GeoSkipを提案する.GeoSkipは,2次元の平面上のピア間を角度分割と隣接ピアへのリンクを行うことにより論理ネットワークを構成する.さらに,Skip Graphを2次元に拡張した階層構造を与えることにより,各ピアはより遠方のピアへのリンクを持つことができる.これらにより,2次元の情報を効率的に検索することができる特徴を有する.また,シミュレーションによる評価を行い,経路表の大きさと検索コストがO(log N)に抑えられることを確認した.Mobile devices equipped with Global Navigation Satellite System (GNSS) functionality and the advance of technology for sensor networks have enabled Location-Based Services (LBS). The location-based services deal with real-world information which is collected from mobile devices and sensors. Due to the large amount of collected data, we should manage such data in distributed architectures. This paper proposes a scalable overlay network architecture, called GeoSkip. GeoSkip extends one-dimensional Skip Graphs to two-dimensional content space in order to achieve efficient data processing for location-based contents. As a result, we are able to reduce cost to search for two-dimensional information to O(log N). The benefit of GeoSkip is validated by simulations.
著者
岩井 将行 Thepvilojanapong Niwat 石塚 宏紀 中村 陽一 金井 圭介 白石 陽 戸辺 義人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.13-18, 2008-07-10

近年,センサディバイスの小型化により,実世界の環境情報を安価なディバイスで取得できるようになってきている.特に,都市空間におけるヒートアイランド現状や人や車の流れを検知する必要が強まり,短期間で準備を行い,広範囲のエリアで情報を計測する要望が高まりつつある.しかし,センサは広域に分散して配置しなければならず,全てのセンサデータを一極に収集すると爆発的にトラフィックが増大する問題が発生する.我々は,都市空間の通信網でDB間をオーバレイネットワークによって接続し効率よくデータの収集と検索を行うTmuDBを開発した.