- 著者
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齊藤 誠一
- 出版者
- 国立研究開発法人 科学技術振興機構
- 雑誌
- 情報管理 (ISSN:00217298)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.9, pp.641-650, 2017-12-01 (Released:2017-12-01)
- 参考文献数
- 25
持続可能な海洋の保全や水産資源の利用・開発には,衛星リモートセンシングや海洋GISを利用した海洋空間の利用・管理が不可欠である。本稿では,これまで開発した衛星リモートセンシングやデータ同化モデルを利用した水産海洋情報システムを概観した。アカイカやスルメイカの短期のピンポイント漁場予測システム,ホタテガイ最適育成海域モデルを紹介した。さらに,気候変動モデルによる中長期のアカイカ漁場予測を紹介した。これらの一連のシステムが持続可能な水産資源管理に貢献し,スマート水産業へ発展し,今後の方向性として,AIやIoTの利用についても言及した。漁具に設置されたIoTセンサーにより蓄積される水産ビッグデータの解析から,漁業者の勘と経験の暗黙知から形式知へとすることができ,後継者問題も解決につながることを期待したい。