著者
五十嵐 輝 田中 絵麻 小山 友介
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.41-44, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
7

動画共有配信プラットフォーム上で拡大する「ゲーム実況」を軸に、米国大手プラットフォーマーのゲーム動画コンテンツ市場への参入及びプラットフォーム間競争の激化、そして日本国内の動画共有配信プラットフォームであるニコニコ動画の停滞から、ゲーム動画コンテンツ市場におけるプラットフォーム間競争を考察する。結論としては、ニコニコ動画の停滞は、収益還元の不足によるゲーム動画コンテンツクリエイターの流出と、それにつられた視聴者の移動によって引き起こされたものである。
著者
松隈 浩之 荻野 宏実
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.120-123, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
10

健康増進を目的としたゲーミフィケーションによる行動変容技法の実証研究結果を報告する。現状、健康であるため、健康増進に対する緊急度が低く積極的な動機を持たない個人に対し、ゲーミフィケーションによって歩数増加を促すスマートフォンアプリを提供し、20 人が19 週間利用した。ゲーミフィケーションの要素を、期待される効果ごとに分類し、段階的に機能を追加して歩数と継続日数を計測した 。要素を加えた段階ごとに歩数の増加が確認でき、継続を促進する要素の追加においても継続日数の増加が確認できた。結果として、ゲーミフィケーション要素の分類ごとの有効性と特性が示唆された。
著者
小野 憲史
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.109-112, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
20

地方自治体などが交流人口の増加、地域社会の活性化、郷土理解の促進などを目的に製作する「地方創生ゲーム」が増加している。本研究ではこれらのうち、株式会社ジーンが地方自治体等と官民連携で開発したスマートフォン向けXR アプリケーション『AR長岡宮』『Go!Go!しだみ古墳群』『体感 国宝彦根城』をケーススタディとして取り上げ、自治体等の担当者と開発者にヒアリング調査を行った。その結果、異なる評価基準を持つ複数の組織・団体が創造的な摩擦を通して新しい価値を創造する、ヘテラルキー型組織によるイノベーションが観察された。
著者
今川 真志 阪田 真己子
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.19-22, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
12

これまで自己主体感と選択肢に関する研究が行われてきたものの、従来の研究ではボタンを押すといった非常に短期間での行動について明らかにするのみであった。しかしゲームプレイのような日常の場面では、ある行動がより長期的な目標のための手段に過ぎないことも多く、この違いを無視して一般化するのは難しい。そこで本研究では長期的な目標に対する行動における選択肢の数を変化させることにより、短期的ではない目標設定がプレイヤーの自己主体感に与える影響について検討した。この結果、選択肢の数が自己主体感に影響するのは、選択する行動が自己目的的である場合であることが示唆された。
著者
中尾 優奈
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.70-73, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
18

本発表では、『メタバース』 が考察対象である。今後の発展が推察されるメタバースは、デジタルゲームの延長線にある仮想空間を用いた『遊び』が本質なのか、それとも仮想空間に進出した『現実社会』か、これらの対立する命題を比較検討する。具体的には、和田洋一・ザッカーバーグのメタバース論を対比させつつ、ディシプリンとしてはメディア論を援用する形で、メタバースの発展の指向性について仮説構築的な考察を行う。
著者
佐藤 隼介 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.23-26, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
5

本稿では,First person shooter (FPS)ゲームにおける,角待ちに着目した試合の振り返り支援用の可視化インタフェ ースを提案する.角待ちとは,FPS に関する専門用語の一種である.任意のプレイヤーキャラクターが,部屋や通路の角 で,敵のキャラクターがプレイヤーキャラクターの視界に入ってくるのを待つ行動である.FPS の試合の振り返りにおいて, どれだけ角待ちが有効に機能していたか確認することは,有利な状況で戦闘できる機会を得られていたか分析するため に重要である.本稿では,非プロプレイヤーを対象とした,ゲームフィールド内の角待ち可能なエリアごとに,チーム別に, 角待ちしている時間に対して角待ちが有効に機能している時間を,帯グラフ状で可視化するインタフェースを提案する.
著者
長谷 宏紀 遠藤 雅伸
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.171-173, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
6

不愉快を感じさせるゲームがある。我々は不愉快を感じる要素を調査し、それを故意に組み込んだゲームを実装し実証実験を行った。その結果の分析より、ゲームを楽しめない要素として、不適切なルールとプレイヤーのスキル不足が抽出された。一方、不愉快であることを察知し、ルールを創発してゲームを楽しむ一面も存在した。
著者
中谷 秋桜 向江 駿佑
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.59-62, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
9

日本語には多くの人称代名詞が存在し、我々は日常生活で自身の立場や相手との関係によってそれらを使い分けている。ゲーム内のキャラクターが人称代名詞をどのようにもちいるかもまた、各キャラがもつさまざまな属性によって決定される。本研究は2017 年から2021 年に発売された乙女ゲームを対象に、両者の相関関係を検討した。調査にはコレスポンデンス分析をもちい、約500 キャラ分のデータから作成したクロス集計表をもとに、主要男性キャラクターの属性と使用する人称代名詞のパターンを検証した。また、同期間に刊行・公開された女性向け小説のキャラクターの場合と比較した結果、乙女ゲームは小説にくらべ使用される人称代名詞の種類が有意に多いことと、同音であっても漢字やかなの表記がことなる人称代名詞が、独立したものとして別個にキャラの属性の影響を受けることがわかった。