著者
梶並 知記
出版者
Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 第3回研究会 (ISSN:27582922)
巻号頁・発行日
pp.79-84, 2013 (Released:2022-11-07)
参考文献数
19

本稿では,e-Sportsの一種である対戦型格闘ゲームを対象にした,動画コンテンツを用いたプレイ分析支援のために必要な要素について検討する.対戦型格闘ゲームの文化的価値向上を目指す上で,伝統的な盤上ゲームのようにプレイヤーの思考分析が可能であること,また他者へプレイヤーの思考の伝達が可能であることが重要であると考える.本稿では,対戦型格闘ゲームにおけるプレイ技能のうち,戦略的な思考に着目し,それをプレイヤー自身または他者が理解可能な可視化手法について検討する.対戦型格闘ゲームのプレイの特徴を,時間的な側面と空間的な側面から捉え,それらの特徴を考慮して,プレイヤーの戦略的思考の可視化を考える.本稿では,プレイヤーの思考の変化をグラフ構造の変化で表現する方法,ゲームフィールド内のプレイヤーの着目箇所について,参照枠を応用し矩形,円,矢印といった基本図形で表現する方法,これら2つのコンセプトについて述べる.
著者
梶並 知記 松村 瞬 辻 裕之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1747-1755, 2017-11-15

本稿では,テトリス®のプレイにおける,HOLD機能の使用傾向について4つの観点から分析した結果を報告する.テトリス®は,盤面に上方から落下してくる4つの正方形を組み合わせたテトリミノと呼ばれる7種類のブロックを用いてプレイするパズルゲームである.プレイヤは,落下中のテトリミノに回転操作を加えて横1ライン隙間なく埋め,そのラインを消す.テトリス®には,落下中のテトリミノを,後で使うために一時的に保持するHOLD機能を備えている.従来,テトリス®を対象にした研究には,AIを用いた自動プレイに関するものや,テトリス®が人間に与える影響に関するものがある.それらの従来研究に対し,本研究は,人間であるプレイヤのテトリス®のプレイ技能向上を長期目標とした研究の1ステップである.本稿では,テトリス®のプレイヤをプレイ技能に応じて熟練者と非熟練者の2つに分類し,プレイヤのプレイ技能に応じてHOLD機能の使用傾向について分析する.Tetris Online Polandから操作ログファイルを収集し,(1) HOLD機能を使用する頻度,(2) HOLDするテトリミノの種類,(3) HOLDするテトリミノの順序,(4) HOLDミスの頻度が,プレイ技能に応じて異なることを示す.
著者
坂内 蓮 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.99-104, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
10

本稿では,対戦型格闘ゲームにおける解釈可能なリアルタイム勝利予測モデルを提案する.e-Sports の勝利予測研究の多くは,MOBA に焦点を当て,ゲーム進行度を時間によって定義する手法を主に採用している.しかし,対戦型格闘ゲームは試合時間にばらつきがあるため,この手法は必ずしも最適ではない.そこで本稿では,ゲームの進行度を時間ではなく体力量に基づいて定義するモデルを提案し,有効性を示す.
著者
梶並知記
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2013-DCC-4, no.14, pp.1-7, 2013-06-20

本稿では,e-Sports の一種である対戦型格闘ゲームに関する,プレイ技能向上支援の方法について検討する.近年,対戦型格闘ゲームの競技会は世界各国で行われており,その模様は動画コンテンツとして配信されている.本稿では,対戦型格闘ゲームのプレイが知的なものであり,またプレイヤーが競技者 (Athlete) でもあり観戦者 (Audience) でもあると仮定し,動画コンテンツを用いて,ゲームプレイにおける戦略・戦術に関する創造活動を支援するための枠組みについて述べる.
著者
八木 聖太 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2023夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.131-135, 2023 (Released:2023-10-28)
参考文献数
4

本稿では,First Person Shooter(FPS)の試合観戦者を対象とした,実況解説の補足情報を検討する.スピード感のある戦闘が複数場所で展開される FPS において,典型的な実況解説では,相手を倒したシーンやキャラクタの位置を主な対象としている.本稿では,実際の実況解説の映像から,実況解説者の発話を抽出し,内容に基づく分類を行うほか,観戦者に対する聞き取り調査を行い,補足情報を検討する.
著者
竹渕 瑛一 梶並 知記 徳弘 一路 速水 治夫
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.1840-1847, 2016-07-06

本論文では,ベース音を用いることで,Chroma-Vector 法で得られる音階情報を音程情報に変換することで,和音認識のパターンマッチを簡略化するための手法を提案する.本研究では,和音と倍音の調波構造に着目することで,音程情報をビットフラグと見立て,演奏情報と和音とのパターンマッチングを行った.評価実験では,著者の一人が試作システムとエレキギターを用いてコードを繰り返し弾弦することで実施した.評価実験の結果,完全一致では F 値が 19.1%,部分一致では F 値が 30.8% となったが,実験中の目視によってどのコードが弾弦されたのか理解できる結果となった.従って,提案手法と機械学習の組み合わせで認識率を向上させることが可能と考えられる.今後の課題として,演奏者がうまく弾けない状況やエレキギターの調波構造を考慮することである.先行研究のように音響信号から和音を認識するアプローチから,押弦位置を認識するアプローチで課題を解決できると考えられる.
著者
齋藤 慎之介 和三 史弥 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.29-34, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
7

本稿では,ガンダムアクションゲームを対象とした,試合中の任意時間帯における優劣を可視化する振り返り支援インタフェースを提案する.対象ゲームは,味方プレイヤと連携しながら戦うゲームであるが,試合後に味方との連携に関連する要素を考慮した振り返りを行うことが難しい.本稿では,味方との連携に関係する4 つの要素に着目して,試合の優劣を判定し,優劣の度合いを可視化する.評価実験を通して提案システムの有効性を示す.
著者
佐藤 隼介 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.23-26, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
5

本稿では,First person shooter (FPS)ゲームにおける,角待ちに着目した試合の振り返り支援用の可視化インタフェ ースを提案する.角待ちとは,FPS に関する専門用語の一種である.任意のプレイヤーキャラクターが,部屋や通路の角 で,敵のキャラクターがプレイヤーキャラクターの視界に入ってくるのを待つ行動である.FPS の試合の振り返りにおいて, どれだけ角待ちが有効に機能していたか確認することは,有利な状況で戦闘できる機会を得られていたか分析するため に重要である.本稿では,非プロプレイヤーを対象とした,ゲームフィールド内の角待ち可能なエリアごとに,チーム別に, 角待ちしている時間に対して角待ちが有効に機能している時間を,帯グラフ状で可視化するインタフェースを提案する.
著者
梶並 知記 小田 凌平
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-15, 2022-02-28

本稿では,対戦型格闘ゲームを対象とし,プレイヤの視線情報を用いた試合の振り返りを支援するインタフェースを提案する.対戦型格闘ゲームは,2名のプレイヤがそれぞれ格闘家を模したキャラクタを操作し,相手と闘うゲームである.対戦型格闘ゲームの典型的なゲーム画面のレイアウトは,リングを横から見たカメラ視点であり,キャラクタ2体が同一軸上に左右に並んで向かい合う形となる.2名のプレイヤは,同一内容のゲーム画面を見てプレイする.プレイヤは,自分達が行った試合の動画を見直して,戦略/戦術について議論する振り返りをする場合がある.しかしながら,プレイ中のプレイヤの視線情報を用いた,試合の振り返り支援はあまり行われていない.本稿では,2名のプレイヤの視線情報を用いて,ゲーム画面上のプレイヤの着目箇所や視線の移動軌跡の類似性/差異性を強調して可視化する4つの機能を備えた,試合の振り返り支援インタフェースを提案する.対戦型格闘ゲームの経験者を被験者とした評価実験を行った結果,提案インタフェースが振り返りの際の議論のきっかけを与え有効であることと,提案機能ごとに有効性が異なることを示す.
著者
工藤 真也 長岡 鼓太朗 梶並 知記
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC) (ISSN:21888868)
巻号頁・発行日
vol.2020-DCC-24, no.10, pp.1-4, 2020-01-16

本稿では,サバイバルゲームにおける少人数でのフラッグ戦を対象とした,試合後の振り返り支援を行う可視化インタフェースを試作する.サバイバルゲームは,エアソフトガンを用いて行う,実際の銃撃戦を模したゲームで,実世界のフィールド上で試合する.試合後,口頭またはメモ用紙などを用いて振り返りを行う場合がある.本稿では,振り返りの際の議論活性化のために,プレイヤーのフィールド上の移動軌跡や警戒,射撃状態を可視化するインタフェースを構築する.
著者
梶並 知記 長谷川 和也
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.17-27, 2018-02-28

本稿では,対戦型格闘ゲームの初心者観戦者を対象とした,試合の観戦支援システムを提案する.対戦型格闘ゲームは,プレイヤが格闘家を模したキャラクタを操作し,対戦相手のプレイヤが操作するキャラクタと闘うゲームであり,近年国際的な競技会も開催されているデジタルゲーム競技(e-Sports)のジャンルの一種である.従来研究で,キャラクタの相対位置や,ゲームフィールド上の絶対位置がプレイヤの意思決定に及ぼす影響について考察されている.本稿ではゲームキャラクタの相対位置や絶対位置に基づき,対戦型格闘ゲームのプレイ中に現れる典型的な3つの状況である,近距離状況,遠距離状況,画面端状況を定義し,状況に応じた文字アノテーションと図形アノテーションを提示する観戦支援システムを構築する.文字アノテーションは,プレイヤにとっての各状況の意味を端的に観戦者に示しつつ,攻防が行われそうなタイミングを観戦者に伝達する.図形アノテーションは,矩形や矢印といった基本図形で,攻防が行われそうな場所を観戦者に伝達する.対戦型格闘ゲームにあまり詳しくない初心者観戦者を被験者とした評価実験を行い,提案システムの有効性を検証する.実験の結果,提案システムを用いた被験者が,試合中の攻防が行われるタイミングや場所をより容易に理解・予測できるようになることを示す.
著者
梶並 知記 松村 瞬 辻 裕之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1747-1755, 2017-11-15

本稿では,テトリス®のプレイにおける,HOLD機能の使用傾向について4つの観点から分析した結果を報告する.テトリス®は,盤面に上方から落下してくる4つの正方形を組み合わせたテトリミノと呼ばれる7種類のブロックを用いてプレイするパズルゲームである.プレイヤは,落下中のテトリミノに回転操作を加えて横1ライン隙間なく埋め,そのラインを消す.テトリス®には,落下中のテトリミノを,後で使うために一時的に保持するHOLD機能を備えている.従来,テトリス®を対象にした研究には,AIを用いた自動プレイに関するものや,テトリス®が人間に与える影響に関するものがある.それらの従来研究に対し,本研究は,人間であるプレイヤのテトリス®のプレイ技能向上を長期目標とした研究の1ステップである.本稿では,テトリス®のプレイヤをプレイ技能に応じて熟練者と非熟練者の2つに分類し,プレイヤのプレイ技能に応じてHOLD機能の使用傾向について分析する.Tetris Online Polandから操作ログファイルを収集し,(1) HOLD機能を使用する頻度,(2) HOLDするテトリミノの種類,(3) HOLDするテトリミノの順序,(4) HOLDミスの頻度が,プレイ技能に応じて異なることを示す.
著者
梶並 知記
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.3K2NFC37, 2012

<p>本稿では,TETDMを用いて試作した,Twitter検索モジュール(ツール)「RelaTwi」と他のツールの連携によって行う,関連Tweetの探索や分析に関する試験的な一手法について報告する.本稿の目的は,入力されたプレーンテキストそのものの分析を主な想定利用法としているTETDMが,情報探索と分析が一体化したテキストデータマイニング支援システムとしても利用できる可能性を提示することである.</p>
著者
澤田清 梶並知記 服部哲 速水治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.77, pp.1-6, 2014-03-06

本稿では,動画コンテンツを用いて,アクション RPG を対象とした,コンボ (Combo) の習得の支援手法を提案する.コンボの習得には,実際にゲームをプレイして練習する必要があるが,練習する際に,自分のプレイ技量に適したコンボの解説記事や動画をWeb上で見つけ教材として参考にする場合がある.しかしながら,アクション RPG のゲームタイトルを題材にした,ゲーム進行の様子やスーパープレイを収録した動画は数多く存在しているものの,コンボの習得を支援する動画は,あまり存在しない.また,コンボ習得を支援する動画に,どのような内容を含むべきか,検討されていない.したがって,本稿では,アクション RPG のプレイの特徴や,要求されるプレイ技能の種類を考慮し,コンボの習得を支援するための手法を提案する.動画コンテンツとして提案手法を実装し,被験者実験を通して有効性を検証する.
著者
梶並 知記
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本稿では,TETDMを利用した,情報系学部における専門教育の実践例を報告する.TETDMは,情報分析者がテキストデータマイニングを行うことを主目的とする統合環境である.本稿の目的は,TETDMを用いた専門教育の実践例を通して,TETDMの,専門教育支援ツールとしての活用可能性について検討することである.情報検索やテキストマイニングに関するセミナーにおいてTETDMを用いた事例に基づき,情報系学部の学生にとって必須であるプログラミングスキルの研鑽を兼ねた,専門知識の理解支援について述べる.
著者
市村 哲 梶並 知記 平野 洋行
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.2518-2527, 2013-12-15

プログラミング授業は大学や専門学校等の情報系学科では必須科目となっているが,大学で初めて習う学生の多くはプログラミングに対する苦手意識が強い.そこで本研究では,プログラミング初学者がかかえる問題を早期に発見できるプログラミング学習支援システムを構築し,実際の演習授業で運用を試みた.つまずいている学生の早期発見と,多くの学生が共通にかかえる問題の発見を可能にすることが本研究の目的である.本研究の目的を達成するために,Webブラウザ上で動作するプログラミング演習支援システムを構築し,学生の操作ログ・エラーログを収集して解析できるようにした.評価実験と改良を繰り返し行い,結果として,学生の学習状況を把握しやすくなったことが分かった.The programming exercise is a required subject in the department of information systems in colleges and universities. Most of the students are programming beginners right after they entered university. Our goals are to enable to detect the students who have stumbled, and know problems that many students are facing in common. For this purpose, we built programming exercise support system that runs on a Web browser. The system is able to collect and analyze students' error logs. As a result of the repeated experiments and improvements, the system enabled lecturers to easily grasp the situation of the programming class.