著者
西村 和子
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会雑誌 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.385-391, 1994-11-15 (Released:2009-12-18)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

コロンビア,ベネズエラ,ブラジルおよび中国において採集された土壌,腐植植物より病原性黒色真菌の分離が試みられた結果,南米3ヶ国の試料よりFonsecaea pedrosoi, Exophiala spp., Cladosporium trichoidesが少数,E. spiniferaとPhialophora verrucosaが相当数分離された.ベネズエラのC.carrioniiによるクロモミコーシス多発地帯ファルコン州からは特徴的にC.carrioniiが腐植植物から分離された.中国の試料はC.carrionii感染の多発地帯である山東省で収集されたが,本菌種は分離されなかった.しかしながら,F.pedrosoiが少数,P.verrucosaが多数,両アメリカ大陸以外では初めてE.spiniferaが,また新たな病原性黒色真菌としてVeronaea botryosaが相当数分離された.一方,日本の浴室環境にはもっぱらExophiala属菌が分布していた.
著者
Junya Ninomiya Atsuhiro Nakabayashi Ryota Higuchi Iwao Takiuchi
出版者
The Japanese Society for Medical Mycology
雑誌
日本医真菌学会雑誌 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.189-191, 2002-07-30 (Released:2009-12-21)
参考文献数
8
被引用文献数
5 9

We report a case of seborrheic blepharitis treated with oral itraconazole during a short period. Direct examination using Parker KOH revealed numerous hyphae and spores of Malassezia in the scale. Low-dose itraconazole pulse therapy (200 mg daily, 7 days a month) was quite effective. This is the second case in which we also observed a unique fungal conformation which looked like tinea versicolor. The evidence strongly suggests that Malassezia is one of the major causative agents of Seborrheic Blepharitis.
著者
矢口 貴志 滝澤 香代子 田口 英昭 田中 玲子 窪田 規 窪田 宜昭 窪田 正昭 福島 和貴
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会雑誌 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.97-100, 2007 (Released:2007-09-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

銀は, 古くから細菌などの微生物に対して抗菌作用を有することが知られており, 食器をはじめ歯科用充填材などに用いられている. 今回, ナノ銀粒子を静電吸着させたコラーゲン水解ペプチド (GX-95) の病原真菌を中心とした真菌に対する抗真菌活性について検討した. その結果, 検討したすべての菌種に対し, 抗真菌活性を有することが明らかとなった. 最小発育阻止濃度 (MIC) は, fluconazole, itraconazole, flucytosine 耐性株を含めたCandida albicans に対して0.25-3.1μg/ml, Cryptococcus neoformans に対して0.05-0.2μg/ml, Aspergillus fumigatus に対して0.025-0.4μg/ml, Trichophyton rubrum に対し0.4μg/ml, Cladophialophora carrionii に対して0.05μg/ml などとなり, GX-95は幅広く強い抗真菌活性を示した.