著者
澤井 秀次郎 坂井 真一郎 坂東 信尚 丸 祐介 永田 晴紀 後藤 健 小林 弘明 吉光 徹雄
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-05-31

空気吸込式エンジンを用いるスペースプレーンの実現に向けて,飛行実証を通して基盤となる技術を獲得するために,気球による高高度からの落下と小型ロケットブースターによる加速を組み合わせた高速飛行実証システムの構築を目指した.飛行軌道検討を主としたシステム概念検討を行った.その結果を踏まえ,飛行実験機の試作研究を行った.試作研究を通して,システム統合および飛行制御系技術の実践研究を行った.さらに,スペースプレーンに必要な技術として,空力設計技術の研究を行った.実験オペレーションまで想定した実験計画を検討し,本システムのメリットに加え,課題も整理した.
著者
本多 ゆみえ 李 慶湖 小林 弘幸
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.847-856, 2013-10-15 (Released:2013-12-30)
参考文献数
15

【はじめに】近年,医療界全体にわたり,医事紛争件数が増加している。これは救急領域においても同様であり,この領域での医師不足の誘因になっている可能性がある。しかし,救急領域の医療訴訟を詳しくみると,ある特定の疾患やその処置内容などいくつかの特徴があることがわかってきた。そこで今回,その点を検証するために救急領域の裁判例の実態を検討し分析した。【方法と症例】救急領域に関する裁判例を抽出するためTKC法律情報データベース,第一法規株式会社の法律情報総合データベース「D1-Law.com」を利用し,キーワード検索条件として「医療訴訟」または「医療過誤」を充足し,かつ,「救急外来」あるいは「救急センター」をも充足する裁判例を1965年から2011年まで検索した。そのなかで純粋に医師が当事者となり急性期の医療行為が対象となっている裁判例は50例であった。以下,疾患・年齢・性別・争点・転帰・認容率・認容額,原告側の過失主張と裁判所の判断につき検討した。【結果】全50例の内訳は,男性40例(80%),女性10例(20%),平均年齢46歳(4歳から84歳)で15歳以下の小児は6例(12%)であった。疾患は,外傷が11例で最も多く全例死亡。続いて,イレウス7例(死亡6例と後遺症1例),急性喉頭蓋炎6例(死亡3例と重度脳機能障害3例),くも膜下出血4例(死亡3例と重度脳機能障害1例),急性心筋梗塞3例(全例死亡),急性大動脈解離3例(全例死亡)であった。また賠償が命じられるパーセンテージ(認容率)は76%であり,その額(認容額)は,棄却12例を除くと平均3911万円で,1億円以上も4件あった。【結語】救急領域で訴訟になりやすい疾患は,外傷,くも膜下出血,急性大動脈解離,急性喉頭蓋炎,イレウスで,いずれも誤診が最大の問題である。
著者
梶本 まどか 松重 武志 山田 健治 小林 弘典 山口 清次 市山 高志
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.150-152, 2013 (Released:2014-10-11)
参考文献数
10

Cefditoren pivoxil (CDTR-PI) の長期投与中に二相性けいれんの経過をたどった急性脳症を発症し, 低血糖の関与が疑われ, 後遺症を残した1例を経験した. 症例は1歳2カ月女児. 1カ月前より感冒症状があり近医でCDTR-PIを約25日間投与した. 全身強直性けいれんを認め, 当科へ救急搬送され, 低血糖, 血中遊離カルニチン低下, C5アシルカルニチン上昇を認めた. 二次的なカルニチン欠乏症による低血糖が原因と考えた. 3病日に再びけいれんが群発し, 二相性けいれんの経過をたどった急性脳症と診断した. 症候性てんかんを発症し, 左片麻痺, 軽度発達遅滞を合併した.
著者
浅野 彰之 石田 亮 森上 裕子 大橋 朋悦 山内 裕士 山田 浩史 錦見 俊徳 小林 弘明
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.111, no.4, pp.130-133, 2020-10-20 (Released:2021-10-20)
参考文献数
9

症例は50歳,男性.尿閉を主訴に当院受診.CTでは膀胱内に直径1.7cmの円形の膀胱異物を認めたため,膀胱鏡を施行.膀胱内にガラス玉を認めた.異物が球状であり,自己挿入が可能であった事から経尿道的手術を予定した.機器は軟性膀胱鏡,異物鉗子,滅菌経腟用エコープローブカバー等を用い,異物鉗子でプローブカバーの開口部をつかんだ状態で,タモ網を使用する要領でガラス玉をプローブカバー内に入れ,そのまま牽引し用手的に摘出した.術中出血はなく良好な視野のまま摘出可能であった.術後排尿は問題なく,以後一年間の外来フォローでは再発を認めていない.
著者
安斎 碕 小林 弘毅 吉橋 和江 中島 義雄 西山 實
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.90-100, 1997-03-25
被引用文献数
12

本研究は, フッ素徐放性の歯科材料の開発を目的としたもので, フッ素除放性のモノマー3種を合成し, 合成モノマーを分析した.モノマーの合成は, ヘキサフルオロシクロトリホスファゼン(P_3N_3F_6)を用い, このフッ素の3〜5個をHEMAで置換して, 3種のP_3N_3(F)_<1-3>(EMA)_<5-3>を得た.IR, NMRおよび元素分析の結果, 目的物であった.3種のモノマーの屈折率は, 1.4662〜1.4718で, 粘度は1.3〜1.8Pa・sを示した.3種の合成モノマーをそれぞれMMAに30wt%配合し, これとPMMAとを混和し, 光重合してレジン重合体を作製した.フッ素徐放量および曲げ強さの測定は, レジンを水中に浸漬したのち, 経日的に測定した.レジン3種のフッ素徐放量は, 経日的に低下し, 水中浸漬1および360日で, それぞれ2.0〜3.3μg/mlおよび0.2〜0.8μg/mlを示した.レジン3種の曲げ強さは, 水中浸漬360日で74.0〜76.0MPaを示した.レジン3種のフッ素徐放量および曲げ強さの経日的変化は, 対照として用いた市販シーラントといずれも同じ傾向を示した.
著者
小林 弘二 京極 啓史 中原 綱光
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.19-32, 1997-09-30 (Released:2010-07-27)
参考文献数
7

This paper describes the dynamics of Japanese bows and arrows. In "kyudo" (Japanese archery), archers twist the grip at the moment of shooting, to avoid the "archers' paradox" which is a change of trajectory of the arrow caused by the structure of the bow and the arrow. To investigate the relation between the trajectory of an arrow and the twisting force on the grip, we proposed a dynamic model simplifying three rigid limbs and two elastic hinge. And we made an experimental apparatus that can give a force to twist the grip, and performed a shooting experiment. We measured with a strain gauge the twisting force on the grip, the tension of the string, bending moment at the center of arrow, and the compressive force of the neck. After that, we performed a computer simulation with the model we suggested and compared its result with the result of the experiment. As a result of comparison we proved that the tendency of computer simulation is consistent with the experiment. Then using this model, we investigated the relation between the twisting force and the trajectory of an arrow. As a result of simulation, twisting force is shown to be specially important during the term from taking a stance to the beginning of the shooting.
著者
小林 弘憲 勝野 泰朗
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.181-187, 2010-05-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
27

「ブルガリアン(オールド)ローズ,リンゴのコンポート」などのニュアンスを持ち,植物,果物などに幅広く存在するβ-ダマセノンは,いくつかの脂肪酸エステルとともにワインのフルーティーさに寄与する物質である.酸素の介在,低pH, 高温処理は,甲州果汁におけるβ-ダマセノン量の増強に有効な因子であった.また,プレス区分の果汁は,フリーラン区分の果汁に比べ,より多くのβ-ダマセノンを含んでいた.甲州ブドウの各器官におけるβ-ダマセノン量は,重量比として果汁 : 果皮=1 : 3であった(種子は検出されず).これらの知見を基に,プレス果汁を用いたスキンコンタクト法を採用した実用化規模のワイン醸造を試みた結果,通常の甲州ワインと比較して最大7倍程度のβ-ダマセノン濃度を含有する甲州ワインが得られた.
著者
小林 弘尚 最上 晴太 高橋 希実 馬場 長 近藤 英治 小西 郁生
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.405-409, 2015 (Released:2015-11-27)
参考文献数
13

リステリア感染症は主にグラム陽性桿菌のListeria monocytogenesにより引き起こされる.この比較的まれな感染症は,周産期では時に流産,早産,子宮内胎児死亡を生じ,予後不良の疾患である.症例は35歳の初産婦,妊娠5週ごろに生ハムとチーズを海外で摂取した既往がある.妊娠9週で39.5℃の発熱を認め受診した.血液培養ではListeria monocytogenesが検出され,直ちに抗生剤による治療を開始した.母体はしばらく弛張熱が続いたが徐々に症状は改善された.しかし稽留流産となった.子宮内容物の病理診断では,多数の好中球浸潤と絨毛の壊死が著明であった.グラム染色では菌体を検出できなかった.妊婦が高熱を発症したときはリステリア感染症を鑑別に入れ,血液培養がその診断に必須である.ペニシリン系の抗生剤を迅速に使用することで母体の予後を改善することができる.〔産婦の進歩67(4):405-409,2015(平成27年10月)〕
著者
小林 弘幸
出版者
慶應義塾大学大学院法学研究科
雑誌
法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (ISSN:0916278X)
巻号頁・発行日
no.94, pp.101-125, 2012

一 はじめに二 イギリスの「独自核抑止力」三 「ナッソー協定の再交渉」四 ウィルソン政権の発足と検討の開始五 MISC一六とANF六 「チェッカーズ会合」七 防衛省の抵抗八 建造数の決定九 おわりに
著者
小林 弘明 久保田 泰徳 山田 博道 保本 朋宏 沖田 美紀 平田 晴美 金森 久幸 豊田 安基江
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.15-20, 2003-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

平成12年3月, 黒毛和種繁殖牛を9頭飼育する農家で, 畜主が牛舎近くで枝打ちした木の枝を敷料として使用したところ, 約12時間後に5頭が神経症状を示し, そのうち3頭が約60時間以内に死亡した. 病性鑑定の結果, 第一胃内容からシキミ葉を多数認め, また, シキミ葉から0.5mg/gのアニサチンを検出した. さらにシキミ葉抽出液をマウスに投与したところ, 立毛, 嘔吐様症状, 開脚姿勢, 歩様異常等の神経症状を認めたことから, 本症例をシキミによる中毒と診断した.
著者
小林 弘明 吹場 活佳 本郷 素行 佐藤 哲也 溝端 一秀
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.55, no.644, pp.418-425, 2007 (Released:2007-10-10)
参考文献数
8

Experimental studies on telescopic aerospikes for aerodynamic control are reported in this paper. Parametric study on the aerodynamic characteristics of the aerospike has performed including the effect of spike length L, base diameter of tip cone D, spike translating speed and direction. The Axial force coefficient Ca of the aerospike suddenly increases at L/D=3.0 due to flow mode transition from the separation to the reattachment. Reattachment/separation flow mode transition phenomenon can be applicable to a newly invented aerodynamic control device, which is called air-breathing aerospike. In this paper, verification test results of this air-breathing aerospike are also reported. A small solenoid valve in the body cylinder successfully controls reattachment/separation flow mode transition at the angle of attacks from 0 to 12 degree. The spiked bodies’ Ca varies according to the mode transition. As a result, we can control the aerodynamic property of the spiked body by opening/closing the valves periodically.
著者
小林 弘造 北村 規明 田辺 新一 西原 直枝 清田 修 岡 卓史
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成17年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.2053-2056, 2005-07-25 (Released:2017-08-31)

The field study for 134 days, concerning indoor environment quality and productivity of call-center workers, was conducted. Call data of total 13,169 workers was analyzed. The rate of response to calls was adopted as an index to evaluate the worker performance. Worker performance decreased by 2.1 % when the average indoor air temperature rose at 1.0℃. The possibility of the improving productivity under thermal comfortable environment was suggested.