著者
鈴木 誠
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 28 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.79-80, 2004-07-30 (Released:2018-05-16)
参考文献数
1

高等学校までの学びと大学での学びの間には、大きな乖離が存在する。最近、これを克服できない学生が増えてきている。それは、学習内容の縮減や学習指導の質の変容といった問題と合わせて、学生の学力低下や学ぶ意欲の欠如といった現象として現れている。また、それを補完する機能を持っていた日常生活の中での自然体験や社会体験は大きく減少した。この乖離を埋めるには、用意周到な授業デザインが大学初年次に必要となる。
著者
柿原 聖治
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 28 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.521-522, 2004-07-30 (Released:2018-05-16)
参考文献数
1

物が水に溶けると,その重さは一部なくなると考える小学生の考え方は,大学生になると修正されるが,体積増加までないと考えている。また,水以外の溶媒を挙げることができない学生が非常に多いので,ヨウ素を有機溶媒に溶かす実験を行わせて,理解を助けた。
著者
中村 好則 黒木 伸明
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 28 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.281-284, 2004-07-30 (Released:2018-05-16)
参考文献数
3

本研究では,聾学校における数学的モデル化を取り入れた指導の可能性について,高等部生徒に対する「お湯の冷め方」の授業実践を通して考察した。その結果,現実の事象を日常的経験や既習の数学的事項と関連づけながら学習できること,数学の有用性や現実事象と数学との関わりを感得できることの効果が示唆され,聾学校生徒の数学学習を質的に改善する手だてとして有効であるという知見が得られた。今後は,さらに実践を重ねることと,数学的モデル化を取り入れた指導を行う時期や内容を検討することが課題である。
著者
猿田 祐嗣
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 28 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.537-538, 2004-07-30 (Released:2018-05-16)
参考文献数
3

TIMSSにおける理科の論述課題に対する我が国の中学生の正答率が相対的に低いことを説明する要因について,生徒の科学的論述力と教師の指導法との関連をTIMSSの参加国と比較することで明らかにしようとした。TIMSSの教師質問紙において科学的論述力に関連がある質問項目を分析した結果,我が国の教師の特徴として,「解答のための理由を述べること」を理科の重要な目標ととらえる教師が少ないこと,理科(科学)を実世界の「表現方法」であると認識している教師が少ないことが明らかとなった。
著者
田中 保樹
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 28 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.173-176, 2004-07-30 (Released:2018-05-16)
参考文献数
5

中学校理科学習にコンセプトマップ法によるポートフォリオ評価を導入し、形成的な自己評価についての質的な分析を行った。再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェア「あんどう君」を使用したコンセプトマップ法による形成的な自己評価の有効性を明らかにすることができた。「あんどう君」を使用したコンセプトマップ法による形成的な自己評価は、フィードバック・フィードフォワードを実現し、メタ認知的な自己評価を行うことを可能とすることがわかった。