著者
小串 一貴 大江 秋津
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.83-86, 2016 (Released:2016-11-30)

江戸時代の遊学とは、他藩に出て学問や武芸などを学ぶことである。本研究は、藩士の子弟教育のための藩校のエゴネットワーク形成に遊学が与える影響を実証する。1736年から1835年に渡る10期のパネルデータを利用して、藩校の学問領域をもとに藩の各期のネットワーク分析を行った。さらにエゴネットワークの指標を用いた統計分析も行った。その結果、藩校設立年は古いほど藩のエゴネットワーク形成に負の影響を与えるが、遊学に積極的な藩では促進された。これにより、組織が古くなることによる環境適応能力の低下がエゴネットワークの縮小に影響するが、知識探索に熱心な組織はエゴネットワークが拡大することが示唆された。
著者
西口 浩司 森田 裕之
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.71-74, 2016 (Released:2016-11-30)

競争の激化する総合通信販売企業で顧客の離反防止要因を特定することと、それを解決するアクションプランを策定することは、この業界にとって生死を分ける重要なポイントである。その際、データマイニングにおいて必要な点は、顧客の購買状況から企業戦略上、注力すべきクラスターを識別し、特定の顧客クラスターの行動を予測することと、その予測要因を明確化することである。その実現のために、ロジスティック回帰モデル、決定木モデル、そしてK近傍法を組み合わせたアンサンブルアルゴリズムを提案し、頑強で、可読性のある手法を適用する。実験結果では、ベンチマーク問題と、実データに対して適用し、手法が有用であることを示す。
著者
川原 史也 橋本 泰樹 大内 紀知
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.61-64, 2016 (Released:2016-11-30)

近年、製品機能のオーバーシュートと呼ばれる、製品の過剰品質や性能の過剰供給による企業の収益性の悪化が問題視されている。製品機能のオーバーシュートに関しては、概念的な議論や事例研究は行われているものの、定量的なアプローチによる研究は多くない。本研究では、ミラーレス一眼カメラを対象とし、各製品の性能に関するデータを用いた分析や、各メーカーの製品発表時のプレスリリースと消費者レビューの文書に書かれている機能に関する単語の出現頻度などを比較することで、製品機能のオーバーシュートについて定量的に明らかにし、製品機能のオーバーシュートに関する新たな知見を得た。
著者
遊橋 裕泰
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.341-344, 2016 (Released:2016-11-30)

東日本大震災に伴って発生した福島第一原子力発電所事故により、周辺自治体では住民の広域避難がおこなわれ、今なお広い範囲が避難区域に指定されている(2016年現在)。長引く避難生活で、地域社会は共同体としての存続の危機に直面している。一方、避難世帯にタブレットPCを配布して公共広報サービスを提供している自治体が存在する。同サービス内のオンラインコミュニティに投稿されたコメントの計量テキスト分析をおこなう。計量テキスト分析では、辞書ベースと、多変量解析ベースのアプローチを組み合わせ、住民意識を明らかにすると共に、コミュニティの維持・発展に資する支援方法を検討する。
著者
上野 修平 大内 紀知
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.135-138, 2016 (Released:2016-11-30)

近年、企業のCSR活動の重要性はより一層高まってきている。従来、CSR活動はコストがかかるため、経営を圧迫すると言われてきたが、近年の研究では、CSR活動が企業価値を高めていることが報告されている。しかし、企業によってCSR活動の内容は様々であるにも関わらず、CSR活動の特徴の違いが企業価値に与える影響の違いはこれまでの研究では十分に明らかにされていない。そこで本研究では、日本企業を対象に、各企業のCSR活動の特徴を明らかにし、それらと企業価値の関係性を定量的に示すことを試みることで、CSR活動への積極的な取り組みと企業価値の向上を両立するための示唆を得る。
著者
石野 正彦 長田 洋 工藤 司 五月女 健治 片岡 信弘
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.273-276, 2016 (Released:2016-11-30)

情報化社会でのIoT(Internet of Things)のイノベーションによって、産業界や消費者向け情報サービス分野において、さまざまなビジネスモデルの構築が可能になってきた。たとえば、物流、セキュリティ、安全性、自動検知、データ収集・分析などが容易となる。また、それらのビッグデータの活用や予測に役立てられる。現在登場しているIoTを活用した応用システムやビジネスモデルを分類し、代表的な事例を研究した。将来に向けてIoTを活用した新しいビジネスモデルによるイノベーションを考察する。
著者
橋口 凌 渡部 和雄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.45-48, 2016 (Released:2016-11-30)

本研究は「SNSを利用して頻繁に情報収集している人」と「そうでない人」の購買意識と購買行動を比較し、企業による顧客へのプロモーションを提案することを目的として、SNSがもたらす消費者の購買意識と購買行動の変化を明らかにする。そのため、男女500人にアンケート調査を行い、統計的手法を用いて、それらを明らかにした。その結果、「SNSを利用して頻繁に情報収集している人」は「そうでない人」よりも、頻繁にインターネットと実店舗を行き来し、商品やサービスを買いやすいと感じていることなどがわかった。
著者
三藤 利雄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.289-292, 2016 (Released:2016-11-30)

クリステンセンの著作『イノベーションのジレンマ(1997)』は経営研究者や実務家の間で爆発的な評判を呼んだ。彼の発想は業界最優良の技術企業が何故敗退することがあるのかということであり、その結論はこれらの企業がしばしば破壊的イノベーションへの対応を誤ってしまうというものだった。これは破壊的イノベーション理論ないし破壊理論と呼ばれる。破壊理論はこれまでいくつかの批判にさらされてきた。2014年には歴史学レポー教授のエッセイ「破壊機械」を契機として、破壊理論を巡る論争が拡散し、賛否両論が飛び交う事態となった。本論はレポーが提起した課題とその後の論争を検証することにより、破壊理論の現在、課題、可能性を考察する。
著者
赤尾 嘉治
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2016 (Released:2016-11-30)

企業の経営課題は、自社の業績に直結する「コスト削減」や「新規ビジネス開拓」に関するものが多い。震災以降の関心事をピックアップすると「事業継続、コスト削減、コンプライアンス対応、グローバル展開、新規ビジネス創出」などが上がる。近年これらの中にサイバー攻撃への対応が付け加えられた。経営情報が、「電子化された」とき、その脅威やリスクを的確に把握している経営者は少ない。サイバー攻撃を防御するための意思決定時の経営陣の行動様式に関する研究をする。
著者
鈴木 啓 大内 紀知
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2016年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.79-82, 2016 (Released:2016-11-30)

現在、同じ学術分野に数多くの学会が存在しており、学会の差別化が重要な課題となっている。学会の特徴を最もよく表すものとして、学術誌に掲載されている論文があげられる。しかし、膨大な論文を比較し学会の特徴を把握することは容易ではない。そこで本研究では、経営工学の分野における複数の学会を対象として、テキストマイニングにより各学会の特徴を定量的に把握し比較することを試みた。本研究で提案した特徴語の抽出手法により、既存手法に比べ学会の特徴をより正確に把握・比較することが可能になり、学会の特徴に関する有用な情報を得ることができた。