著者
水野 みか子
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.3-18, 2012-03-31

ピエール・シェフェールの学際的な音響理論とGRMの実験・実践に通底する社会学的思考を、その学際性の射程範囲を限定することによって明らかにする。この目的のため、シェフェールの主著『音楽オブジェ論』の特定箇所を和訳して1966年時点での「聞くこと」の社会的位置づけを考察し、GRMでの実践活動との関係を論ずる。
著者
鳥丸 知子
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.51-73, 2015-11-21

世界の織物史上、タテ糸で文様を織り出す最も古い技術の一つであるカード織りは、世界中で行われてきたが、生活様式の変化や技術開発が進んで需要が減り、ごく限られた地域でのみ行われている稀少な製織技術になっている。 筆者が、近年において、民間に残存を確認している中国及び隣接するウズベキスタンにおいて展開されているカード織りについて、その起源、古代紡織技術との関連や文様の意味などを報告する。
著者
鈴木 賢一
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.17-27, 2015-03-31

欧米の学校建築には、日本にはない多様な計画設計の実例がある。1)学校規模と南面教室配置、2)教える教室と学ぶ教室、3)魅力的な廊下、4)学習リソースの未来、5)学校の管理運営、6)場所から生まれる形、7)歴史を刻む学校、という7つの観点から、日本と欧米を比較しながら学校建築の計画条件と実際に構築された学習環境の違いを記述した。多様な姿かたちを表わす海外の学校建築を知ることは、建築技術以上に、前提となる考え方の違いに触れることである。ひいては、日本における学校の計画設計の選択肢を増やすことにもつながる
著者
鈴木 賢一
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
no.19, pp.17-27, 2015-03-31

欧米の学校建築には、日本にはない多様な計画設計の実例がある。1)学校規模と南面教室配置、2)教える教室と学ぶ教室、3)魅力的な廊下、4)学習リソースの未来、5)学校の管理運営、6)場所から生まれる形、7)歴史を刻む学校、という7つの観点から、日本と欧米を比較しながら学校建築の計画条件と実際に構築された学習環境の違いを記述した。多様な姿かたちを表わす海外の学校建築を知ることは、建築技術以上に、前提となる考え方の違いに触れることである。ひいては、日本における学校の計画設計の選択肢を増やすことにもつながる
著者
籾山 陽子 水野 みか子
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
no.21, pp.27-33, 2017-03-31

ルネサンスからバロック期のイギリスの声楽曲では音節数が変化する語の変化の前後の形を曲中に並存させることにより歌詞付けに自由度を得ているが、現代の日本語曲にも類似の現象がある。基本的に歌詞の1 モーラに1 音を割り当てるが、特殊モーラは単独で1 音を割り当てる場合と前接する自立モーラと合わせて1 音を割り当てる場合がある。曲中に両者が並存している場合も多く、この柔軟性が表現の自由度を与えているとみられる。この点に着目し、理想の歌唱における歌詞付けの違いの音響への反映を解明するために、声楽の大学院生を被験者として歌唱データを収集した。そのうち撥音と促音について、これらの相違やそれぞれの歌詞付けの違いが音響に如何に反映されるかを分析・考察する。
著者
森 旬子
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.3-14, 2013-03-31

アートをキーワードとした地域活性化の取組みなど、活発な住民活動が見られる徳島県神山町において、環境・景観・サインデザインに関する調査・研究を実施し、具体的なサイン計画を提案した。風土や伝統や歴史に裏付けられた町の魅力を捉え、現在の問題点を抽出し新たな提案を試みることで、現在まで築かれた町の活動をより発展させ、効果的に支え得るビジュアルコミュニケーションの手法を探る。
著者
三上 訓顯
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
no.19, pp.3-8, 2015-03-31

名古屋の街で実際に車を運転していると、大変走りやすい街路網が整備されていることを実感する。本稿では、そうした名古屋市の街路について概説している。実際には「名古屋走り」という言葉が存在するように、愛知県の交通マナーはかんばしいものではなく、また交通事故死者数全国1 位という記録もある。これを比較のため人口千人当たりでみると全国41 位であり、決して悪い状況とも言い切れない部分もある。そればかりか、戦後土地区画整理事業を積極的に進めて街路網を整備してきたことによる名古屋市の道の良さは、むしろこの街のアイデンティと呼んでもよいだろう。つまり「自動車都市」という他都市では容易に真似することができない大きな個性が名古屋市には存在する。愛知県は世界的な自動車産業の拠点でもあり、今後自動車とともに暮らすライフスタイルを踏まえた都市戦略を立案することも可能だろう。