著者
水野 みか子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.527, pp.113-120, 2000-01-30 (Released:2017-02-03)
参考文献数
20

In "Tekkohkan", built in Osaka World's Fair 1970, a magnificent sound control system with more than one thousand speakers was installed in order to realize the idea of "spatialization of music" proposed by Toru Takemitsu, a contemporary Japanese composer (1930-96). The original concept was realized here by an interdisciplinary collaboration between a musician, a sound engineer and an architect. The purpose of this paper is to examine the technological features of the sound control system in "Tekkohkan" and to evaluate the possibility of the concept of "spatialization of music".
著者
水野 みか子
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.3-18, 2012-03-31

ピエール・シェフェールの学際的な音響理論とGRMの実験・実践に通底する社会学的思考を、その学際性の射程範囲を限定することによって明らかにする。この目的のため、シェフェールの主著『音楽オブジェ論』の特定箇所を和訳して1966年時点での「聞くこと」の社会的位置づけを考察し、GRMでの実践活動との関係を論ずる。
著者
水野 みか子 マルク バティエ ダニエル テルッジ
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、 20世紀半ば以降の現代音楽に関して「ひびき」の概念を打ち出し、和声、旋律、律動という三分法でも、音高、持続、強度、音色という四分法でもない音楽構成分析の視軸を提示した。研究過程では、歴史研究、分析研究、創作実践の三つの分野を横断する形で、当該時代の作品や作曲家の新生面を明らかにした。「ひびき」という用語は、専門性が薄く、音楽学や音楽分析ではなく、むしろ評論や日常の言葉として頻用されるが、それに対して本研究では、あえてこの一般的な語を引き合いに出して、その一般性が示唆する、学問分野を越えた研究分析方法を打ち立てることをめざした。
著者
水野 みか子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.527, pp.113-120, 2000
被引用文献数
1

In "Tekkohkan", built in Osaka World's Fair 1970, a magnificent sound control system with more than one thousand speakers was installed in order to realize the idea of "spatialization of music" proposed by Toru Takemitsu, a contemporary Japanese composer (1930-96). The original concept was realized here by an interdisciplinary collaboration between a musician, a sound engineer and an architect. The purpose of this paper is to examine the technological features of the sound control system in "Tekkohkan" and to evaluate the possibility of the concept of "spatialization of music".
著者
水野 みか子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.24, pp.11-16, 2004-03-04

ピエール・シェフェールと<recherche musical>の歴史研究に基づき、GRMもしくはINA/GRMまで含めたアクースマティク音楽の系譜における音の聞き取り理論と空間性概念およびその実現方法について論じる。This paper aims to analyze and testify the idea and the process of realization of <solfege sonore> by Pierre SCHAEFFER. It also presents the critical concept <space in music/sound> in the electroacoustic or <acousmatique> music in France. All the descriptions are based on the historical researches about Schaeffer and INA/GRM.
著者
籾山 陽子 水野 みか子
雑誌
芸術工学への誘い (ISSN:21850429)
巻号頁・発行日
no.21, pp.27-33, 2017-03-31

ルネサンスからバロック期のイギリスの声楽曲では音節数が変化する語の変化の前後の形を曲中に並存させることにより歌詞付けに自由度を得ているが、現代の日本語曲にも類似の現象がある。基本的に歌詞の1 モーラに1 音を割り当てるが、特殊モーラは単独で1 音を割り当てる場合と前接する自立モーラと合わせて1 音を割り当てる場合がある。曲中に両者が並存している場合も多く、この柔軟性が表現の自由度を与えているとみられる。この点に着目し、理想の歌唱における歌詞付けの違いの音響への反映を解明するために、声楽の大学院生を被験者として歌唱データを収集した。そのうち撥音と促音について、これらの相違やそれぞれの歌詞付けの違いが音響に如何に反映されるかを分析・考察する。