著者
高橋 治希
出版者
金沢美術工芸大学
雑誌
金沢美術工芸大学紀要 (ISSN:09146164)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.2-3, 2008

眼前の風景は現実でありながら、記憶の中で何度も反側した風景に組み込まれる時、心象の中で精錬され新たな風景に生まれ変わる。それは自己の世界観によって、眼前の風景が変換され、他の記憶の風景と新たな関係を結び出すということである。私は風景とは個人的なものであると同時に感性そのものであると考え、近年そうした風景の様を成長する木々の花や葉に滲むことに例えて表現している。