著者
山路 剛 金 春峰 石原 好之 戸高 敏之 坂口 和彦 内藤 和文 橋口 伸樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.337, pp.19-24, 2006-11-03
被引用文献数
8

本稿では,非接触給電システムにおいて並列共振と倍電流整流方式を適用した場合の諸特性について報告する.非接触給電に用いられるトランスの1次側と2次側の間には大きなgap(5mm)を挟み物理的に分離されているため,トランスの結合が悪く大きな漏れインダクタが存在する.トランスの2次側に並列接続したコンデンサとトランスの漏れインダクタは並列共振を行い,更に整流回路には倍電流整流方式を適用することにより高い出力電圧変換率と電力が得られる.解析及び実験結果により,入力24V,出力24V/2Aの試作器において各スイッチのZVS動作と76%の効率が得られたことを確認した.
著者
竹野 和彦 山木 準一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.371, pp.31-35, 2010-01-14
被引用文献数
1

リチウムイオン電池や各種機器を内蔵する携帯電話では使用上の故障防止や安全確保が求められている.その内,リチウムイオン電池は,製造不良や外部からの衝撃などの原因により,正極と負極間の部分短絡時に異常発熱などの事象が発生する.本稿ではリチウムイオン電池の電池内部に発生する短絡条件と熱暴走の関係を明らかにし,リチウムイオン電池の安全性試験法を提案した結果を述べる.
著者
藤田 堅太郎 Ahmed Tarek Gamage Laknath 平木 英治 中岡 睦雄 木船 弘康 畑中 義博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.38, pp.67-72, 2003-05-02

本論文では位相シフトPWM制御方式を用いたロスレスキャパシタスナバ支援フルブリッジ高周波直列負荷共振インバータを取り上げ,その軽負荷域でのゼロ電圧ソフト補助共振ACリンクスナバスイッチング特性を改善した高周波ソフトスイッチング直列共振インバータを提示し新方式デュアルモード制御高周波インバータに対しシミュレーションと試作実験による性能評価を図説・検討している。さらに,新方式インバータを用いたデュアルパックスIHヒータ形流体加熱システムについて性能評価検討をしている。
著者
北村 浩康 安倍 秀明 亀岡 浩幸 中山 敏 山下 幹弘 岩尾 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.149, pp.101-105, 2007-07-12
参考文献数
2

非接触充電回路で使用していた自励式1石電圧共振型インバータ回路を, DC5V, 5Wを入力とした誘導加熱システムに適用した。しかし入力電圧が低いため,回路損失が大きく加熱電力が不足した。対策としてスイッチング素子のターンオフ制御用トランジスタの入力にバイアス電圧をかける方法を考案し,簡素な回路構成を維持したまま加熱効率の向上ができた。
著者
野村 康祐 安部 征哉 福島 健太郎 庄山 正仁 松本 暁 福井 昭圭 山崎 幹夫 二宮 保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.371, pp.105-109, 2010-01-14

近年、データセンターの規模は年々拡大し、その消費電力は著しく増加している。そのため、データセンターにおける給電システムを従来の交流給電から直流給電へ移行し,消費電力を削減することが検討されている。この直流給電システムにおいて、過電流から系統を保護することは最も重要な事項の一つである。そこで、保護用デバイスとして、高速な遮断が可能である半導体遮断器の適用が検討されている。しかし、遮断の際に発生するノイズ電流により他系統の半導体遮断器に誤動作が発生する。本稿では、ノイズ電流による半導体遮断器の誤動作の発生メカニズムについて検討する。
著者
田中 英明 黒川 不二雄 松尾 博文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.286, pp.35-40, 2004-09-03
参考文献数
7
被引用文献数
2

本論文では,移動平均によるディジタルローパスフィルタで構成されたディジタル制御回路をDC-DCコンバータに適用した場合の出力電圧安定化特性について検討する。まず,ディジタルローパスフィルタのゲイン,サンプル数およびA-D変換器のビット数等のディジタル制御回路のパラメータが出力電圧安定化特性へ与える影響について検討する。次に,それらのパラメータと量子化に伴って出力に発生する振動現象との関連についても議論する。
著者
渥美 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.547, pp.65-70, 2002-01-09

負荷平準化用の電力貯蔵電池として開発したNAS電池の概要と用途展開を紹介した。NAS電池は、活物質として負極にナトリウムを、正極には硫黄を用い、電解質にはナトリウムイオン導電性の固体電解質、ベータアルミナを使用する。運転温度は300℃程度の高温である。NAS電池はエネルギー密度と耐久性が高い。単電池試験では、6500サイクルを超過する耐久性を示している。安全性についても各種の試験検証を行ってきた。また、NAS電池は高温の運転温度を維持する必要があるが、充放電を繰り返している場合には保温電力をあまり必要としない。応用面では、負荷平準化を基本として、非常電源や無停電電源との兼用、風力・太陽光発電の出力変動吸収など、多様な用途が考えられる。
著者
久永 光司 原田 耕介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.652, pp.7-12, 2004-02-05
被引用文献数
8

最近、通信機器用電源システムにおいて、複数の絶縁型コンバータを所望の電圧レベルに応じて設ける方式に代わり、1個の絶縁型コンバータ(中間バスコンバータ)で中間のバス電圧に変換し、その後に複数の非絶縁型コンバータ(Point of Load:POL)を負荷の直近に設け、所望の電圧レベルに変換する分散電源方式が、半導体LSIの低電圧化、電源電圧の多様化、システムの低コスト化に対応する為、種々検討されている。筆者らは、前回の報告で、この方式における系の安定性を、状態平均化法により解析し、個々のコンバータが独立に安定制御されている場合でも、初段の絶縁型コンバータの出力インピーダンスと後段の非絶縁型コンバータの入力インピーダンスにより、系に仮想的なマイナーループが生じ、系が不安定になる場合のあることを示し、ナイキスト線図により安定限界を解析した。本論文では、さらに、POLの個数と、各種の回路パラメータ、すなわち、フィードバックゲイン、平滑用フィルター定数(L,C)、平滑用フィルターのL/C比(√<L/C>)、及び、カットオフ周波数近傍のフィードバックゲインとの関係につき解析し、1)L/C比の小さい方が、安定性マージンが大きい 2)L/C比が大きい場合、大きなフィードバックゲインが必要である 3)L/C比に応じて、系が安定に動作する為の、通常のメジャーループにおける最大ゲインの他にマイナーループの影響による最小ゲインの存在することを示す。
著者
安岡 茂和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.562, pp.21-24, 2007-02-23

ニッケル水素電池の自己放電のメカニズムを検討した結果、負極から溶解したCoやMnを含む化合物のセパレータや正極への析出物や窒素化合物等によるシャトル効果等による正極の還元が原因であることを見い出した。負極としてCoやMnを含まない超格子水素吸蔵合金を用いることによりセパレータ上の析出物を抑えて自己放電を抑制することができた。この知見を基に自己放電の改良を行った結果、我々は、次世代のニッケル水素電池"eneloop"の開発に成功した(Fig.1)。"eneloop"は優れた自己放電特性に加えて、1000回繰り返し使うことができる。
著者
[タカ]林 久顯 柴原 敏夫 松田 陽介 福井 浩一 筈井 真哉 松村 康司 近藤 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.545, pp.31-36, 2001-01-09
被引用文献数
3

昼間の電力のピークカットや負荷平準化に使用するため、夜間の安い余剰電力を蓄電するサイクル長寿命の電力貯蔵用制御弁式据置鉛蓄電池を開発した。サイクル寿命性能の向上は、正極に耐腐食性格子合金と高密度活物質の採用、負極に充電性能を向上させる添加剤の採用、電池の横置き(極板水平方向)設置、新規リテーナの採用、充電条件の最適化等の新しい仕様を組み合わせることで達成した。開発した電池はサイクル寿命が2000サイクル以上(放電量70%、10HR、25℃)、充放電電力効率が87%という従来にない優れた特性を有している。今回開発した電池と双方向コンバータシステムを組合わせた電池電力貯蔵システムを開発し、モデルプラントとして100Kw及び400kWのシステムを弊社工場に設置した。現在、実証試験を行っている。今後さらに再生可能エネルギーの独立電源(風力発電・太陽光発電等)への適用を進めていく予定である。