著者
又吉 直樹 田村 哲郎
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.37, 2014 (Released:2015-03-10)

独立行政法人宇宙航空研究開発機構では、高層ビルの屋上ヘリポート周辺の風 モデル構築を目的として、ドップラーライダ、ヘリコプタを用いて都市境界層 の風観測を実施した。その結果、建築物荷重指針に比して、大きな風速分布の べき指数(0.28~0.54)、大きな乱流強度(地上高150~200mにおいて0.2~0. 3)、短い乱れスケール(地上高150mにおいて60~80m)が観測された。
著者
金 敏植 加藤 信介 大場 良二 大浦 理路
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.475, 2014 (Released:2015-03-10)

原子力発電所事故時の迅速な放出量推定手法の構築を目指し、単位放出源強度に基づく拡散シミュレーション結果から観測地点の大気拡散物質濃度の伝達係数を評価し、この伝達係数と観測値から放出源強度を求めるいわゆる逆解析を用いた放出量推定の(STE: Source Term Estimation)手法を開発した。本報では、放出源近傍の観測データに適用するため、拡散シミュレーションとして、厳格な技術基準の下で実施された風洞拡散実験データを正規拡散式で近似する拡散モデルを比較対象として用いこれに基づく逆解析法を検証した。これにより、風向変動に起因する放出量推定精度低下を改善する対策として、1時間平均観測データを用いることで精度改善が図れることを確認した。
著者
宮里 龍太郎 義江 龍一郎 三浦 翔 東海林 諭
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.61, 2014 (Released:2015-03-10)

本研究では、WRFによる計算結果と観測結果の比較を行いながら、各物理モデルの選択とナッジングの有無がWRFの計算結果に与える影響を調査した。地表面過程にNoahを用いることで、WRFの計算結果と観測結果との対応が向上する。また、WRFの解析結果によるワイブル係数は、観測結果と良く一致している。そのことから、全風向だけでなく各風向の風速の発生頻度をWRFを用いて予測することができる。計算領域を大きくすると上空の風向・風速ともに観測結果と対応がかなり悪くなったが,ナッジングをかけることで観測結果に近づいた。WRFの計算結果は,風向によるべき指数の変化をよく捉えているが,全般的に観測結果よりべき指数がやや小さい。
著者
本山 雅孝 杉谷 賢一郎 大屋 裕二 烏谷 隆 長井 知幸 岡田 臣右
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.109, 2014 (Released:2015-03-10)

本研究の目的は流体力学の見地からソーラータワー発電システムの効率を改良することである。ソーラタワー発電システムは比較的安価に設計、建設ができる。しかしながら、出力は他の再生可能エネルギーシステムなどと比べて物理的な大きさの割に小さい。この発電システムに技術的な改良を加えることが1989年のスペインのマンザナレスでの実証プラントの運転終了後から行われていない。私たちはタービン内の出力の可能性を探るためタワー部に着目した。流体力学的な形状最適化の結果、ディフューザ形状のタワーがモデル実験で内部風速を増加するのに採用された。結果としてタワー内部に設置された風力タービンの出力が目覚ましく増大した
著者
森上 伸也 大場 正昭
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.85, 2014 (Released:2015-03-10)

伝統的に、日本の住宅では自然通風が夏季および中間期における室内環境の改善に有効な手段であると考えられてきた。前報では、通風環境における人体の皮膚温と発汗蒸発特性を把握するために、通風型人工気候室を用いて、気流の変動周波数を変えて被験者実験を行い、正弦波形で変動する気流の変動周波数が皮膚温と発汗量特性および人体熱損失量に与える影響について検討した。 本報では、前報と同様に正弦波形で変動する気流環境における被験者実験を行い、変動する気流が人体の皮膚温と耳内温度および発汗の変動特性に与える影響について検討した。実験結果から、人体の皮膚温、耳内温度および発汗量と風速の変動周波数との間に相関性があることがわかった。
著者
須藤 仁 服部 康男 中尾 圭佑
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.469, 2014 (Released:2015-03-10)

空間的に発達する乱流をLESで計算するための流入境界条件の設定方法として,リニアフォーシングに着目し,リニアフォーシングにおいて乱流長さスケールを規定する方法を考案した.等方乱流を対象としたLESの結果から,本リニアフォーシング法のLESへの適用性,乱流長さスケールを規定する方法の有効性を評価した.その結果,全散逸率に対するサブグリッドスケール散逸率の比が0.6より小さくなる格子条件下において,リニアフォーシングで生成されるべき等方乱流の基本的な性質を再現できた.また,本リニアフォーシング法で導入される時間平均長さの設定により,パワースペクトルの低波数域を変化させ,乱流の長さスケールを調整できることが示された.