著者
Kenji FUKUMOTO Yasuyuki TSUKAMASA Masaru ASAI Yoshiyuki TOHMA Yoshiaki AKAHANE Kyoden YASUMOTO
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
NIPPON SHOKUHIN KOGYO GAKKAISHI (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.208-213, 1989-03-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

豚肉を塩漬し,加熱処理した後の塩漬風味の変化と塩漬温度・時間の関係及び塩漬風味形成に対する亜硝酸塩の必要性について通常処理肉と無菌化処理肉を用いて調べた. 通常処理肉に亜硝酸塩を添加し, 15℃で塩漬すると短時間で塩漬風味が形成された.一方,亜硝酸塩無添加系では風味は悪く, pHも大きく低下した.残存亜硝酸根量は塩漬温度が高いほど速く減少した.無菌化処理肉に亜硝酸塩を含む塩漬剤を添加するのみで塩漬風味を形成させることができた.このことから,塩漬風味の形成に亜硝酸塩が直接関与していることが示唆された.
著者
Takashi OKAZAKI Kanichi SUZUKI Shizuhiko MAESHIGE Kiyoshi KUBOTA
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
NIPPON SHOKUHIN KOGYO GAKKAISHI (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.784-788, 1991-09-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
13
被引用文献数
2 4

ジャガイモの蒸煮中における硬さの変化を,85℃~105℃の温度範囲で測定し,速度論的解析を行った.(1) 1個のジャガイモの中央部に近い柔組織を試料にすることによって,安定した硬さの試料を得ることができた.(2) 加熱初期の昇温中にジャガイモの硬化現象が観察されたが,比較的高い蒸煮温度(95℃~105℃)において顕著であった.(3) ジャガイモの軟化は,機構の異なる2段階より成っていた.それぞれを軟化の前期と後期として軟化速度を擬一次反応に近似して解析したところ,それぞれEa=171kJ・mol-1およびEa=123kJ・mol-1となった.また,硬さが初期値の約1/10になったところで後期の軟化が始まった.(4) 後期の軟化開始時間と処理温度との間に次の関係が成立した.log t=8.85-6.33×10-2・T (tは後期の軟化開始時間(s), Tは蒸煮温度(℃))この式から計算される100℃の後期の軟化開始時間は330sとなり,文献の最適蒸煮時間に近い値であった.
著者
SACHIYO NAGASO KOICHI YOSHIKAWA
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
NIPPON SHOKUHIN KOGYO GAKKAISHI (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.196-201, 1978-04-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
12

はたけしめじの液体振とう培養条件に関する基礎的な実験を行なった。すなわち,培地の初発pH,培養温度及び振とう条件を変化させて14日間培養し,増殖菌糸体の形状の観察,培地の最終pHの測定,増殖菌体量及び菌体中の粗蛋白質を定量し本菌糸体への影響について検討した。その結果,培地の初発pH及び培養温度の変化により,本菌糸体の生育量,増殖菌糸体の形状及び含有蛋白質量などにかなりの相違が認められた。増殖菌糸の形状は,pHの低い培地ほど小さなペレットを形成し,しかも,繊維状に発育しやすい傾向がみられた。培養温度25℃,培地の初発pH5.0の場合に最良の増殖を示した。培地液量と振とう数を変える事により,Kdの変化と本菌糸体の増殖状態を検討した結果は,生育量,増殖菌糸体の形状及び含有蛋白質量に若干の相違が認められた。増殖菌糸の形状はKdが大きいほどペレットが小さくなり,特に振とう数120回/分では繊維状に発育しやすい傾向を示した。振とう数100回/分の場合が最も増殖良好であった。含有蛋白質量は,20℃培養の場合が若干低い値を示したが,いずれも約30~40%の高率を示した。
著者
Tatsuyuki SUGAHARA Hideo KAWAI Mutsuko MATSUZAWA Satoko FUJISHIRO Yasuo AOYAGI Yutaro HOSOGAI
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
NIPPON SHOKUHIN KOGYO GAKKAISHI (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.540-546, 1990-07-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
15
被引用文献数
3 5

土に発生する野生食用キノコ48種56点と栽培キノコ1種1点について, K, Na, Ca, Mg, P, Fe, Cu, Zn, Cd, Pb, AsおよびHgの13種元素の含有量を測定した.これらのキノコは主に関東地方,中部地方,東北地方において, 1979~1986年に採取または購入したものである.無機質の含有量は乾燥量基準値換算で以下に示す範囲であった. K: 1.1~5.4%, Na: 15~170mg/100g,Ca: 2~89mg/100g, Mg: 8~161mg/100g, P: 165~2028mg/100g, Fe: 3.4~547.0mg/100g, Cu: 0.1~41.6mg/100g, Zn: 0.7~20.8mg/100g, Mn: 0.4~13.3mg/100g, Cd: 検出限度以下~86.05ppm,Pb: 検出限度以下~20.26ppm, As: 検出限度以下~93.25ppm, Hg: 検出限度以下~6.67ppm.キノコの種の違いによって無機質量に差がみられた.同種間ではいくつかの特徴が認められた.
著者
Hideo KAWAI Tatsuyuki SUGAHARA Mutsuko MATSUZAWA Kayoko SUMIYASHIKI Yasuo AOYAGI Yutaro HOSOGAI
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
NIPPON SHOKUHIN KOGYO GAKKAISHI (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.250-255, 1986-04-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
18
被引用文献数
8 12

野生食用キノコ24種27点と栽培種5種6点について,K, Na, Ca, Mg, P, Fe, Cu, Zn, Mn, Cd, Pb, ASおよびHgの13種元素の含有量を測定した.これらのキノコは主に東京,東北地方,中部地方において,1979年および1980年に採取または購入したものである.元素の含有量は乾燥重量当たりで以下にご示す範囲であった.K: 1.1~5.3%, Na: 11~267mg/100g, Ca: 5~342mg/100g, Mg: 59~299mg/100g, P: 59~1938mg/100g, Fe: 4.9~419.4mg/100g, Cu: 0.2~23.2mg/100g, Zn: 0.4~16.3mg/100g, Mn: 0.8~10.2mg/100g, Cd:0.0~38.8ppm, Pb: 0.0~17.1ppm, AS:0.0~18.0ppm, Hg: 0.0~6.3ppm.キノコの種の違いによって無機質含有量に著しい差がみられた.同種間では無機質量にいくつかの特徴が認められた.
著者
Hideo KAWAI Tatsuyuki SUGAHARA Satoko FUJISHIRO Mutsuko MATSUZAWA Yasuo AOYAGI Yutaro HOSOGAI
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
NIPPON SHOKUHIN KOGYO GAKKAISHI (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.468-473, 1990-06-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
7
被引用文献数
6 9

木に発生する野生食用キノコ13種17点と栽培種4種6点についてK, Na, Ca, Mg, P, Fe, Cu, Zn, Mn,Cd, Pb, AsおよびHgの13種元素の含有量を測定した.これらのキノコは主に中部地方および東北地方で,1979年から1986年に採取または購入したものである. 無機質の含有量は乾燥量基準値換算で以下に示す範囲であった. K: 0.2~6.8%, Na: 8~206mg/100g,g, Mg: 20~168mg/100g, P28~1370mg/100g, Fe: 1.1~68.6mg/100g, CuO.1~4.Omg/100g, Zn: 0.2~8.1mg/100g, MnO.4~3.9mg/100g, Cd: BDL (検出限度以下)~4.64ppm, Pb: BDL~5.44ppm, As: BDL~0.27ppm, Hg: BDL~1.21ppm. 同科,同属,同種間では無機質量にいくつかの特徴が認められた.タコウキン科は全体と比較するとFeを除き低値であった.ナラタケ属の無機質は高含有量であり,CaとFe以外は差がなかった.ナラタケとマスタケは各種無機質量がCa以外は同量であった.土に発生するキノコは木に発生するキノコに比べCu,Zn, MnおよびHgが有意に高値(p〈0.01)であった.キシメジ科において,木に発生するキノコは土に発生するキノコと比較してMgは高値, Hgは低値(p〈0.05)であった.
著者
Masaaki YASUDA
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
NIPPON SHOKUHIN KOGYO GAKKAISHI (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.403-409, 1990-05-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
28
被引用文献数
6 13