著者
内藤 航 岡 敏弘 小野 恭子
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01 (Released:2015-04-16)

個人線量計とG空間技術(GIS/GPS)を活用した被ばく線量の実態把握のために取得したデータに基づき、福島の避難解除地域における帰還後の個人被ばく線量(生活様式を考慮したもの)を推定した。その結果、政府の推定と同じ仮定で計算した場合、実際の被ばく線量は政府の推定の1/4程度になると推定された。これまでに取得したデータに基づき検討したパラメータを用いた外部被ばく線量推定ツールのWeb版のプロトタイプを完成させた。ノルウェーや英国、ベラルーシ等におけるチェルノブイリ事故後のリスク対策(基準値設定等)について比較検討を行い、基準値の背後にある原理や導出、さらには施行の状況は国により大きくことなることが確認できた。震災後に悪化したとされる慢性疾患の一つである糖尿病および精神的ストレスのリスクの大きさを,放射線被ばくと比較するための手法開発を行った。震災前後におけるリスクの変化量を,損失余命や本研究で開発した損失幸福余命という尺度で表すことができた.原発事故後に研究者や行政,団体等によって実施された放射線リスクへの対応やリスクコミュニケーションに関する論文や報告書等を収集し,内容,開始時期,地域について分析した。楢葉町の除染について、費用と線量低減とから、余命1年延長費用(CPLYS)を計算した。帰還から30年間の被曝による損失余命が除染によってどれだけ減るかを計算した結果、55人・年と算出された。他方、除染廃棄物の中間貯蔵施設への運搬と中間貯蔵の費用を含まない費用が572億4000万円と推定され、CPLYSは10億円となった。住宅地だけの費用は122億8000万円で、その部分だけのCPLYSは2.3億円である。これらはチェルノブイリの除染の費用効果についての文献で上限と言われている値の18~77倍であった。

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