- 著者
-
苅谷 剛彦
濱名 陽子
- 出版者
- 関西国際大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2011
この研究は、1970年代末から1980年代初頭にかけて、政府関係の審議会等の公式文書や政策文書において、日本が西欧諸国へのキャッチアップが完了したという認識を持つに至った経緯、さらにはその認識を持つことで、その後の教育政策やその基盤となる社会認識・教育問題の社会的構築にどのような影響がおよんだのかを明らかにした。研究の結果、ジャパン・アズ・ナンバーワンなどの海外の日本認識が提供した知識の影響と、キャッチアップ型近代化の限界と問題点が日本の教育政策を打ち立てる上でのトラウマとしてつきまとっていたことが示された。中央集権制や詰め込み受験教育の弊害などの「開発国家型」の教育としての問題である。