著者
平岡 俊景 篠木 浩 牧野 快彦 洞 尚文 杉原 充 小川 雅司 谷本 徹二 二宮 忠司 西薗 功 芦原 義弘 笠原 靖
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.305-309, 1994

ドライケミストリー法は, 面倒な試薬調製が一切不要で, 簡単に検査ができ速やかに結果が得られる測定法で, 方式として多層分析フィルム法と試験紙法が知られている。一方C反応性タンパク質 (CRP) は急性炎症を初期の段階で鋭敏にとらえることができるため, 測定の迅速性、簡便性が強く求められている。我々は血清中のCRPを迅速簡便に測定する多層分析フィルムを開発した。本法は細菌由来のα-アミラーゼで標識した抗ヒトCRPモノクローナル抗体と, 不溶性澱粉を用いることを特徴とする均一系酵素免疫反応に基づき, 展開層, バリア層, 発色試薬層の3層で構成される。専用測定機 (富士ドライケム5500/3000) を用い検討した結果, 検出感度は0-5mg/100m農で精度や従来法との相関性は良好であった。
著者
平岡 俊景 篠木 浩 牧野 快彦 洞 尚文 杉原 充 小川 雅司 谷本 徹二 二宮 忠司 西薗 功 芦原 義弘 笠原 靖
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.305-309, 1994-12-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
16

ドライケミストリー法は, 面倒な試薬調製が一切不要で, 簡単に検査ができ速やかに結果が得られる測定法で, 方式として多層分析フィルム法と試験紙法が知られている。一方C反応性タンパク質 (CRP) は急性炎症を初期の段階で鋭敏にとらえることができるため, 測定の迅速性、簡便性が強く求められている。我々は血清中のCRPを迅速簡便に測定する多層分析フィルムを開発した。本法は細菌由来のα-アミラーゼで標識した抗ヒトCRPモノクローナル抗体と, 不溶性澱粉を用いることを特徴とする均一系酵素免疫反応に基づき, 展開層, バリア層, 発色試薬層の3層で構成される。専用測定機 (富士ドライケム5500/3000) を用い検討した結果, 検出感度は0-5mg/100m農で精度や従来法との相関性は良好であった。
著者
横尾 信夫 佐藤 文泰 桐原 順子 横山 融 池ケ谷 耕司 永倉 正彦 藤井 節郎
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.8-12, 1985-02-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1

The effect of chymotrypsin inhibitors on the intestinal absorption of insulin was investigated in conscious and unrestrained rabbits. Insulin at a dose of 25U/kg with 10mg/kg of chymotrypsin inhibitors was administered intraduodenally via an indwelled catheter. The blood glucose level was decreased following an administration of insulin in combination with each chymotrypsin inhibitor. The order of the effect on the intestinal absorption was related with the order of chymotrypsin inhibitory activity. Maximal decrease was observed when insulin was administered with such a strong inhibitor as FK 448, [4-(4-isopropylpipe-radinocarbonyl) phenyl 1, 2, 3, 4-tetrahydro-1-naphthoate methanesulfonate], whose IC50 value was 7×10-7M, and the decrease of the glucose level was 25%, compared with the level before administration. The effect of inhibitors which inhibit both chymotrypsin and trypsin was almost the same with that of chymotrypsin specific inhibitors.
著者
中山 和久
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.11-19, 1999-03-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
13
著者
熊原 雄一
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.357-368, 1974-03-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.61-70, 1992-03-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
56
著者
安東 由喜雄
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.375-382, 2008-10-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
26

トランスサイレチン (TTR) は血中に約20~40mg/dl存在する半減期1.9日の血漿蛋白質の1つである。本蛋白質は髄液にも他の蛋白質と比較して高濃度血中に存在し, アルツハイマー病, うつ病, 鉛中毒などの中枢神経系の疾患にTTR代謝が重要な役割を及ぼしていると考えられている。レチノール結合蛋白, サイロキシンと結合し, 血中で4量体として機能する。トリプトファンを多く含む蛋白質の1つとして位置づけられており, 栄養指標として重要な蛋白であることから, 栄養サポートチーム (NST) にも活用されている。しかし, 本蛋白は反急性期蛋白で, 炎症や感染により, 血中濃度が影響を受けるので, その血中濃度を病態と関連づけるのは難しい側面もある。本蛋白質はβシート豊富な構造をもつことから遺伝的に変異したTTRは家族性アミロイドポリニューロパチー (FAP) の原因蛋白であることも知られているが, 最近正常のTTRも老人性アミロイドーシスの原因蛋白質となることが注目されている。血中の異型TTRは主として肝臓で産生されることから, FAP患者に対して肝移植が行われ, 効果を挙げている。TTRはこれに加え中枢神経系の様々な疾患や糖尿病, 脂質代謝などに重要な働きを示すことが明らかになってきた。
著者
秋葉 俊一 広山 真
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.120-130, 2001-09-30 (Released:2012-11-27)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
村地 孝
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.145-157, 1977-06-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
12
被引用文献数
1
著者
藪内 博史 三谷 典映 北垣内 佳予子 島岡 光美 建島 澄子 増谷 喬之 岡本 康幸
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3-4, pp.187-191, 2004-12-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
7

脳性ナトリウム利尿ペプチドbrain natriuretic peptide (BNP) は, 血液検体保存中に分解されることが知られている。最適な検体保存方法を探るため, 種々の検体保存条件がBNP値に及ぼす影響について検討した。BNPの分解を最も抑制したのはEDTA+アプロチニン入り血漿で, 6時間後でほぼ90%以上の残存率を示した。EDTAだけでは, この効果は減弱した。血清中では急速なBNP値の低下がみられたが, EDTAとアプロチニンを加えた場合では, 冷蔵保存で良好な残存率を示した。“プロテアーゼ阻害剤カクテル”は, ほぼEDTA+アプロチニンの場合と同程度の効果を示した。カクテルの成分では, ロイペプチンが最も良好なBNP残存率を示した。これらの結果より, BNP測定のための検体を数時間凍結せずに保存する場合は検体へのアプロチニンの添加と冷蔵保存が必要であると考えられた。
著者
太田 浩良 羽山 正義 金子 靖典 松本 竹久 川上 由行 熊谷 俊子 久保田 聖子 勝山 努
出版者
一般社団法人 日本臨床化学会
雑誌
臨床化学 (ISSN:03705633)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.37-47, 2006-01-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
50
被引用文献数
1

Helicobacter pylori (H. pylori) は、1983年にWarrenとMarshallにより慢性胃炎患者の胃粘膜より分離培養されたグラム陰性菌である。H. pyloriの発見は、胃疾患をめぐる状況に劇的な変化をもたらした。慢性胃炎がH. pyloriという起炎菌による感染症として理解されるようになり、さらに, H. pyloriが胃十二指腸潰瘍、さらには胃癌、胃悪性リンパ腫に関連する重要な因子であることが明らかにされてきた。H. pylori感染胃粘膜にみられる病理組織学的変化は, 細菌側の因子とこれに対する宿主側の反応が絡み合って形成される。胃炎惹起や胃発ガンのメカニズムの解明が分子レベルで急速に進んでいる。H. pyloriの感染診断法には, 内視鏡検査を必要としない非侵襲的検査法 (尿素呼気試験、抗体測定法、便中抗原測定法) と, 内視鏡検査を必要をとする侵襲的検査法 (迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法) がある。それぞれの検査法には長所や短所があるのでその特徴を理解した上で選択することが肝要である。