著者
久保 智之
出版者
九州大学大学院人文科学研究院
雑誌
文学研究 (ISSN:03872823)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.157-183, 2010-03

福岡方言では、動詞・形容詞や疑問詞疑問文のアクセントは、統語構造が組み上ったあとに付与されると考えられる。これらのアクセントは、後ろから3番目のモーラに下がり目を置く規則、いわゆる-3 規則と、その付帯規則を仮定することで説明できる。窪薗(2006)や Kubozono(2006)では、東京方言で、この-3 規則(ないしラテン語規則)が、外来語だけでなく、複合語や動詞・形容詞にも広く当てはまることが主張されている。福岡方言では、少なくとも動詞・形容詞と疑問詞疑問文のアクセントに関しては、ほぼ同じ規則があてはまる。