著者
中島 圭一 小野 正敏 佐伯 弘次 住吉 朋彦 高木 徳郎 高橋 一樹 藤原 重雄 大澤 研一 池谷 初恵 栗木 崇 佐々木 健策 鈴木 康之 関 周一 佐藤 亜聖 村木 二郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

中世における生産技術の変革を示す事例として、新たに製鉄や漆器などを見出した。そして、10世紀の律令国家解体によって官営工房の職人が自立し、12世紀までに新興の武士を顧客とする商品生産を軌道に乗せたが、14世紀の鎌倉幕府滅亡と南北朝内乱による武士の勢力交代の中で、より下の階層を対象とする普及品に生産をシフトさせたことが、15世紀の「生産革命」を引き起こしたという見通しを得た。
著者
池田 栄史 根元 謙次 佐伯 弘次 中島 達也 後藤 雅彦
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

本研究では伊万里湾全域にわたる物理学的海底音波探査を実施し、詳細海底地形図および地質図を作成した。その上で、海底面および海底堆積層中で検出した音波探査反応体について、9つに類型化し、水中考古学的手法による確認調査を実施した。その結果、類型の一つから元寇沈船と思われる船体の一部と大量の磚を検出した。この調査により、元寇関連遺跡・遺物の把握と解明については、物理学的音波探査手法と水中考古学的手法の融合が有効であることを確認するとともに、これを今後の元寇沈船を含めた海底遺跡に対する新たな調査研究方法として提示するに至った。
著者
村井 章介 豊見山 和行 石井 正敏 佐伯 弘次 鶴田 啓 藤田 明良
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

研究代表者1名・研究分担者27名・海外共同研究者15名・研究協力者9名を5つの班に分け、基本的に各班ごとに、海外調査・国内調査・研究会・シンポジウム等の活動を行った。構成員全員を対象としたものも含め、研究会・シンポジウムの報告の多くは研究成果報告書に収録されており、現地調査の記録は本プロジェクトのホームページhttp://www.l.u-tokyo.ac.jp/~phase817/に掲載している。構成員全員で行った活動としては、(1)発足時の研究会、(2)秋田・青森両県調査、(3)中国石浙江省調査、(4)総括シンポジウム「海をかける人・モノ・情報」、(5)研究成果報告書の刊行、の5つがある。第1班「博多・対馬・三浦と日朝(韓日)関係」は、多島海域という特色をもつ日朝間の境界領域で活動する諸人間類型に着目し、(1)韓国慶尚南道・全羅南道調査、(2)九州大学・対馬調査、(3)シンポジウム「中世日韓交流史」、を実施した。第2班「使節・巡礼僧の旅」は、日中間を往来した旅人たちの足跡を文献研究と現地調査との両面からたどり、(1)中国江蘇省調査、(2)五島列島調査、(3)『参天台五台山記』研究報告会、を実施した。第3班「琉球ネットワーク論」は、福建地方との関係を軸に日本列島から東南アジアまでを結ぶネットワークとしての琉球の役割に注目し、(1)中国福建省調査、(2)久米島調査、(3)シンポジウム「朝鮮と琉球」、を実施した。第4班「倭寇ネットワーク論」は、東アジア・東南アジアの沿海民やヨーロッパ人までも含む倭寇という集団を対象に経済・政治・信仰などの諸側面から海域世界の成り立ちに迫り、(1)台湾調査、(2)薩摩半島・島嶼部調査、(3)五島列島・平戸調査、を実施した。第5班「世界観と異文化コミュニケーション」は、異なる文化や民族の相互間に生じるコミュニケーションのあり方を通訳と古地図に着目して追究し、(1)ポルトガル調査、(2)7回におよぶ地図・絵図調査(国内)、(3)シンポジウム「物・人・情報の動きから見たアジア諸地域の交流史」、(4)4回におよぶ研究会、を実施した。