1 0 0 0 OA 雜録

出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.261, pp.356-374, 1908 (Released:2013-05-14)
被引用文献数
1
著者
辰野 誠次
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.585, pp.628-635, 1935 (Released:2007-05-24)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

1. 予ハうろこごけ目19種ノ Heterochromosomen ニ就テ觀察ヲ行ツタ。此等ノ中 Madotheca 屬ノ4種ハ1個ヅツノ Heteroechromosom Hノミヲ有スルガ, 他ノ15種ハ何レモ2個ヅツノ Heterochromosomen H, hヲ合セ有ス。2. 苔類ノ Heterochromosomen ハ屡ゝ性染色體トシテ分化シテヰル。此等性染色體ハ二系統ニ大別サレ, H-染色體カラ分化シタモノトh-染色體カラ分化シタモノトガアル。而シテH,hハ互ニ起源ヲ異ニスルモノデアルカラ, 從ツテ苔類ノ性染色體ハ二種ノ起源ヲ有スルコトガ明デアル。3. Calobryum rotundifolium ハH, hヲ合セ有スルガ, 兩者ノ中Hノミガ分化シテ雌雄ノ間ニ性染色體トナツテヰル。
著者
有賀 祐勝
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.931, pp.20-27, 1966 (Released:2006-10-31)
参考文献数
13
被引用文献数
3 7

植物の光合成にはクロロフィルのほかに種々の色素が間接的に関与しているが, 水界の主要な生産者である植物プランクトンの現存量を, 光合成に直接関与するクロロフィルの量として測定することが近年世界的に広くおこなわれるようになってきた. しかし, 水界のクロロフィル量と一次生産量との関係についての解析的な研究はまだほとんど見られない. そこで, 水中のセストンがすべて植物プランクトンで占められているような理想的な状態を仮定し, しかも水中の各層に植物プランクトンが均一に分布しているものとして, クロロフィル量と生産層の深さおよび一次生産量との関係を, 水中での光の減衰と照度の日変化および植物プランクトンの光合成曲線をもとにして求めることを試みた.海洋や湖沼の水中の光は水および水中のセストンや溶解物による選択的吸収のために波長組成が水深にともなって変わり, このことが植物プランクトンの光合成に影響をおよぼしていることが予想されるが,こうしたことを一次生産の算定上どの程度まで考慮すべきかについての十分な資料がまだ得られていないので, 現状では光を波長別に分けて取扱っても効果があがるまでにいたっていない. したがって, ここでは培養した Scenedesmus の種々の濃度の懸濁液をつくり, 波長組成をとくに考慮しないで太陽光の下で測定したそれぞれの吸光度をもとにして種々のクロロフィル濃度の場合の水中照度の減衰を求め, 生産層の深さを一般に認められているように水表面の光が1%になる深さまでとして, クロロフィル濃度と生産層の深さおよび生産層内の全クロロフィル量との関係を求めた. クロロフィル濃度が著しく高いときには生産層は非常に浅く, 単位面積あたりのクロロフィル量は濃度に関係なくほぼ一定で900mg/m2という値が得られた. クロロフィル濃度が低くなると水中の光の透過はよくなって生産層は深くなるが, 水そのものによる光の吸収がだんだん大きくなるため, クロロフィル濃度が約5mg/l以下では生産層中のクロロフィル量は生産層が深くなるにつれてだんだん減少する. したがって, 水そのものによる吸収がほとんど無視できる深さまでを除き, 生産層が深くなるにつれて光の利用率は低下することになる.5月の平均照度について20°のときの Scenedesmus の光合成曲線を用いて算定すると, 1日あたりの総生産量はクロロフィル濃度が5mg/l以上ではほぼ一定で24gC/m2/day, 純生産量はクロロフィル濃度1mg/l以上ではほぼ一定で19.5gC/m2/dayが得られた. クロロフィル濃度がこれらの値以下になると生産層が深くなるにつれて総生産量も純生産量もだんだん低下する. 30°および10°の場合には20°のときの値のおよそ145%および42%の値がそれぞれ得られた.これに対し, 自然の水界ではつねに植物プランクトン以外のセストンや種々の溶解物が多量に存在するので光の透過は著しく悪くなり, 生産層中のクロロフィル量は水の華の時期を除き上記の値よりも著しく低い値が測定されている. 一般に水界生態系では光合成組織の量に相当するクロロフィル量は単位面積あたりで比較すると, 陸上の植物群落のクロロフィル量よりも著しく少ないといえる. また, 上に記した1日あたりの一次生産量は, 非常に好適な条件のもとで得られている最大値にほぼ近い値である. しかし,水中のクロロフィル濃度が高い場合には, 普通はCO2や種々の栄養物質が不足するため上記のように高い生産を持続することは, 人工的に種々の手段を用いてこれらの必要物を供給できる場合を除き自然界では極めて困難であると思われる.
著者
進藤 公夫
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.932-933, pp.124-130, 1966 (Released:2006-10-31)
参考文献数
7

1. The distribution area formerly known for Kalimeris incisa DC. in Japan was from Kyushu to Kinki District of Honshu. The present investigation revealed that the distribution of this species extends eastward into the western and southern lowlands of Chubu District in central Honshu.2. At many localities within the distribution area, K. incisa was growing together with a morphologically similar heptaploid sepcies K. yomena. But K. incisa seemed to prefer habitats a little drier than those of K. yomena.3. Except some insular and periferal populations, K. incisa showed a high degree of individual variability, and the range of variation at any one locality closely approximated that which occurs over the entire species range in Japan.4. The results of a chromosome count revealed that K. incisa in Japan is nearly stable as an octoploid species with 2n=72. It showed, however, a peculiar pattern of variation in chromosome number that the frequency of aneuploids with 2n=71 or lower chromosome numbers is much higher than that of aneuploids with 2n=73 or higher chromosome numbers.5. Some clones were found to include one or two large chromosomes in their somatic chromosome complements. Those chromosomes are presumably derived from a species of Aster.
著者
Okamoto Yuji
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.506, pp.71-73, 1929

<b>イヌモチ</b> (新稱)<br>常緑喬木、分枝多シ、樹高平均六メートル、樹幹ハ圓柱形ニシテ樹皮ハ帶暗褐緑色ナリ。葉ハ有柄、互生、革質、卵状披針形或ヒハ倒卵形ニシテ稍ゝ鋭尖頭、稀ニハ鈍頭、楔脚、若クハ漸狹脚、葉縁ハ微カニ皺曲ヲ認ムルモ概ネ全縁、葉面ハ滑澤、裏面ハ淡黄緑色、長サ約六センチメートル、幅二-三センチメートル、葉柄ハ横斷面半圓形ニシテ無毛、全長十-十五ミリメートル、アリ。花ハ聚繖花序ニシテ腋生、ソノ花梗ハ稍ゝ細長ニシテ略、十ミリメートル、花冠ハ四深裂、黄緑色、直徑約十一ミリメートル、花瓣ハ外側ニ反飜シ、卵状楕圓形ニシテ長サ約五ミリメートル、幅、三&bull;五ミリメートル、雄蕋ハ四本、葯ハ多少楔状楕圓形ヲ呈シ、二室、花絲ハ纎細ナル鑿形ニシテ微カニ上方ニ彎曲ス、約二ミリメートル、花冠ノ裂片ト略ゝ同長ナリ。雌蕋ハ花柱ヲ缺如ス。柱頭ハ頭形、子房ハ四室。蕚ハ小形、宿存。果實ハ紅色、卵状楕圓形ニシテ大型、長サ約二十-十五ミリメートル、アリ。<br>此ノもちのき屬ノ一新種ハ予コレヲ大和、上市町附近ノ吉野川ノ沿岸ニ峙ツ妹山ニテ一昨秋同山ノ植物分布調査ノ際初メテ發見セリ。而シテコノ妹山ニ於ケル本植物ノ自生地ハ海拔約二百米突ノ濕潤ナル岩石地ニシテ、ナホコノ木ハ概ネしひのきヲ主樹トスル、あらかし、いちゐがし、むらさきしきぶ、やぶむらさき、てんだいうやく、やぶにくけい、るりだまのき、いぬぐす、ふじ、いぬびは、すぎ等ノ森林中ニ散生セリ。<br>而シテコノ植物ノもちのきト相異ル著シキ特徴ハソノ果實ハもちのきニ比シ遙カニ楕圓形ヲ呈シ、且ツ大型ニシテ花梗モ纎長、ナホ、樹皮ヨリハ鳥黐ヲ製スルコト不適當ナリ。因テ予ハコレヲ特ニいぬもちト命名シもちのきト區別セリ。
著者
辰野 誠次 岡田 博
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.984, pp.202-210, 1970
被引用文献数
7

1) 本研究ではオシダ科5属7種の核学的研究が行なわれた. その体細胞における染色体数は次のごとくである.<i>Matteuccia orientalis</i> イヌガンソク 2n=80<br><i>Athyrium niponicum</i> イヌワラビ 2n=80<br><i>Woodsia polystichoides</i> イワデンダ 2n=82<br><i>Diplazim esculentum</i> クワレシダ 2n=82<br><i>D. wichurae</i> ノコギリシダ 2n=82<br><i>D.dilatatum</i> ヒロバノコギリシダ 2n=82, 123<br><i>Diplaziopsis cavaleriana</i> イワヤシダ<br>2n=164<br>このうちイワヤシダの染色体数は初めて明らかにされたものである. また, ヒロバノコギリシダでは2n=82, 123 の染色体数をもつ個体が発見され, 本種には種内倍数性があることがわかった.<br>2) ヘラシダ属の2種 (クワレシダ, ノコギリシダ), クサソテツ属の1種 (イヌガンソク) では核型がA-Fの6型から成り, そのうちA-E型は各2組ずつに再分され計11組から成るので, 原始基本数は b=11 と考えられる. この b=11 は b=12 から由来したことが核型分析から推定された.<br>3) 核型分析された3種は b=11 の8倍性起原の植物と考えられる. そのうち, ヘラシダ属の2種(2n=82) は異質染色体 (H)を6本, クサソテツ属のイヌガンソク (2n=80) は8本欠くことによって現在の染色体数になったものであろう.
著者
木村 陽二郎
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.721-726, pp.103-107, 1948 (Released:2007-06-18)
参考文献数
9

In Japanese Islands; Honsyu, Sikoku, Kyusyu, Hokkaido, Kuriles and Saghalien, there are 21 species of Euphrasia. The author divides these species into 4 groups (Grex) by the characters of the calyx which may be the best representatives of many distinguishable characters. The calyx of Euphrasia is partited to 4 lobes either in equal degree (A) or in unequl degree (a), and is either longer (B) or shorter (b) than the half length of the corolla. The first group (Grex E. Maximowiczii) has the character AB and is distributed widely all over the Islands. The second group (Grex E. Yabeanae) has the character Ab and is distributed in the upper region of the high mountains. The third group (Grex E. Makinoi) has the character aB and is distributed in the mountains facing the Pacific Ocean. The fourth group (Grex E. japonicae) has the character ab and is distributed in the mountains facing the Japan Sea. The species belonging these groups are described with number in the text, and its distributions are indicated by the same number in the map inserted in the text.
著者
沢村 正五
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.779-780, pp.155-160, 1953 (Released:2006-12-05)
参考文献数
8

By means of the agar plate method, the action of 2.4-dichlorophenoxyacetic acid sodium, hydrate (hereafter abbreviated 2.4-D)was investigated in the staminal hair cells of Tradescantia reflexa in vivo.In the treatment with high concentrations (1-0.5%) of 2.4-D solution, the cells of staminal hairs become gelatinized within 25-60 minutes and later become sol state. Similar solidification of the cell contents would occur also in low concentrations (0.08-0.01%) of 2.4-D solution after survival for weeks and, the cell contents seem to be entirely liquefied. It may be thought that this phenomenon is due to the hydration of the protoplasm caused by the action of 2.4-D sodium salt.In the concentrations of less than 0.1% of this drug, some of the hair cells become gelatinized and die in a few days after the treatment, however, during this lapse of days some of them aquire resistancy to the toxicity of the 2.4-D sodium salt and recover their vital forces. These cells then grow unusually containing fully grown plastids and survive a few weeks or more. In the cells with aquired resistancy to the 2.4-D, it is recognized that the cells can make use of this drug as a growth promoting hormone.Any concentration of 2.4-D is effective on the mitosis and makes the chromosomes sticky. Consequently this drug can introduce chromosome aberrations, abnormal separation of anaphase chromosomes and secondarily the abnormalities of cell wall formation. Daughter cells with unequal size, micronuclei, imcomplete cell walls and binucleate cells appear in the 2.4-D treatment. Some of these mitotic abnormalities would appear also in the concentrations of 2.4-D solution, in which the resting nuclei can enter into the mitosis de novo.It is considered that the specific actions of 2.4-D sodium salt on the mitotic cells may be responsible for its killing effect to the weeds and for the formation of abnormal tissues to the treated plants.
著者
栗田 子郎 西田 誠
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.930, pp.461-473, 1965 (Released:2006-10-31)
参考文献数
24
被引用文献数
4 7

栗田子郎•西田誠: ハナヤスリ目の細胞分類学III. ハナヤスリ属の染色体数日本産のハナヤスリ属の内, 2種1変種の染色体数を観察した. ヒロバハナヤスリ (O. vulgatum)はn=240である. この染色体数はオランダ産のものと一致する. コヒロバハナヤスリ(O. petiolatum) には4系(細胞学的) があることが知られた. 千葉県の成田, 臼井, 銚子, および栃木県日光産の個体はn=480で胞子形成過程は正常である.千葉県稲毛産の個体はインド, セイロン産のものと同様n=510~520であるが,しばしば減数分裂に異常が起こり, 染色体橋や偽直接分裂が観察された. 千葉県土気と京都黒谷産の個体は正常な減数分裂をしない. 第1分裂中期での染色体数は一定せず450~500の問である. 染色体の大きさはさまざまで, 多価染色体および1価染色体と考えられるものがかなり現われる. 恐らくn=480の個体に由来する Cyto-races の1つであろう. 一方千葉県東金産の個体は土気や京都産の個体と同様に減数分裂が異常であるが, 2, 3の胞子母細胞の第一分裂中期で約700の染色体が数えられた. この内, 約400が2価染色体で残りが1価染色体と推定されるので, 実際に体細胞の染色体数を数えることはできなかったが,多分2n=ca. 1100ぐらいであろう. コハナヤスリ (O. thermale var. nipponicum) でも3っの Cyto-racesが知られた. 1っは東京小金井産のものでn=240である. これは Verma (1957) が報告したものである.一方成田のd群落の個体はすべて2n=480で胞子形成過程は正常であり, 成田のe群落と京都黒谷産の個体は土気や京都産のコヒロハハナヤスリと同様正常な減数分裂はせず2分子や3分子の形成がみられた.後者では染色体数は正確には数えられなかったが, ある母細胞では約460であった. いくつかの多価染色体と思われるものがあり, 恐らくn=480の個体に由来するものであろう.形態学的にみると, コヒロハハナヤスリは特に多型で, 葉身が丸く葉柄が非常に短かい個体, 葉身は細長く葉柄が顕著な個体, および両者の問のさまざまな中間型とがある. しかしこの多型現象と染色体数との間には何らの関連も見出しえなかった.西田 (1959) はハナヤスリ属を2っの亜属, Vulgata と Aitchisonii に分けた. 染色体数をみると後者にはn=240以上の数を持つものが現在のところ知られていない点は注目に値する. Ninan (1958) らはハナヤスリ目の基本染色体数を15だと考えているが筆者達もこの考えに賛成である.ハナヤリ目は非常に特殊化された植物の一群で系統的には現生の他のシダ植物からかなり離れたものと考える.
著者
小清水 卓二 西田 緑
出版者
公益社団法人 日本植物学会
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.735-736, pp.146-153, 1949 (Released:2007-05-24)
参考文献数
40
被引用文献数
1 3

1. 本報告は甘藷蔓苗の擴散型 (自家) 生長素の動靜分布を, 燕麥法によつて決定し, これが發根, 側芽の發生, 蔓の生長及び結藷などと如何なる關係を有するかに就いて研究したものである。2. 甘藷蔓苗の各節間に於ける擴散型生長素の分布は, 蔓の頂部から B1 の節位までは恰も一節間の如ぎ状態で, 各節間毎に獨自的偏在が見られない。3. 節位 B1 より基方の節間では, 生長素の分布が各節間毎に獨自的存在となり, 生長素の最大含有帶が, 生長帶の向基的移動と共に次第に各節間の基部の節部に近くに移動偏在を示すようになる。而してB5の節位に到ると, ただその節部即ち葉柄のつきもと附近だけに存するようになる。4. 甘藷蔓の節間の生長は, 最初は全體平等型, 次に中部型, 次に基部型生長となり遂に B5 の節位に於て生長が止まる。この生長帶の移動變化は, その節間内の擴散型生長素が向基的に移動偏在する變化と呼應している。5. 甘藷蔓苗の擴散型生長素は, 蔓の最頂端部ではなお前驅物質として存在するので未だ少いが, A1 の節位に於ては急に増加して最大量を示し, 更に蔓の基部に近ずくに從つて次第に減少する。6. 葉身及び葉柄の擴散型生長素の量は, 節位 B3 のものが最も多く, 節位 B4, B5 のものは少しく減退している。7. 發根は節位 B4, B5 で最も速いが, 發根數は却つで他の節位よりも少い。然しその根の總伸長量は (3週間後) 最大で, 生長も速い。8. 側芽の出るのは, 節位B5の節部が最も速く, 且つその伸長も (3週間後) 最も著しい。而して側芽は結藷上その生長因子の補給源として重要な役割をする。9. 結藷は (4週間後), 節位 B4, B5 の節部が最高を示す。10. 以上の結果から, 甘藷蔓苗の體内擴散型生長素の分布や, その量等の内的要因は, B5 の節位が發根, 側芽發生, 結藷等に最適状態にあるため, 甘藷蔓苗は, 節位 B5 を中心とする部分の健全である事が最も必要で, 挿苗にはこれ等の節位を中心としてなすべきである。