- 著者
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齋藤 悟子
齋藤 翔吾
八重樫 淑子
佐藤 房郎
- 出版者
- 公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
- 雑誌
- 理学療法の歩み (ISSN:09172688)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.1, pp.28-35, 2016 (Released:2016-04-21)
- 参考文献数
- 9
2011年に日本理学療法士協会より理学療法診療ガイドライン第1版が公表され,小児領域では脳性麻痺の理学療法について掲載された。しかし,日本の救命医療の進歩により,小児領域の理学療法では,脳性麻痺のみならず,発達遅滞,視覚障害,聴力障害,てんかん,注意欠如や多動性障害,呼吸器障害など対象は多様となる。また,様々な理由により長期入院となる児や,退院後も在宅酸素療法,気管切開,人工呼吸器,経管栄養などの医療的管理を継続しなければならない児が問題となっている。さらに当院は,2013年に小児がん拠点病院に指定され,小児がんの子どもに対するリハビリテーションニーズが高まっている。小児領域のリハビリテーションは,長期にわたることが少なくないため,理学療法士は身体面のみならず心理的サポートを担う役割が求められ,児を取り巻く環境すべてを考慮し,関わる人すべてと協働し,専門分野の枠組みを超えて,協働体制を確立していく必要がある。また,小児領域の理学療法は,個別性が求められ画一的な介入が困難な側面がある。介入の妥当性について,科学的根拠を示すことが困難であるが,それに向き合って行くことが私たちの責務である。「小児期」についての考え方は様々であるが,今回は当院小児科入院した子どもを対象とした。その中から,発展的に介入しているNICUに入院した早産児や低出生体重児やハイリスク児と,小児がんの子どもに対する理学療法士の取り組みを中心に紹介する。