著者
鈴木 博人 宮腰 寛之 山本 俊六 是永 将宏 鈴木 亘 青井 真
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.40, no.S08, pp.191-206, 2021 (Released:2022-03-30)
参考文献数
22

高速鉄道では,地震発生時に速やかに列車を減速・停車させることが重要である。新幹線では,線路沿線や線路から離れたより震源に近い地点に設置された地震計で観測される地震情報を利用して,線路に主要動が到達する前に列車を減速・停止させる早期地震検知システムが構築されている。近年,太平洋沖に海底地震計の観測網が整備された。海底地震計を早期地震検知システムに利用することができれば,東北地方太平洋沖地震などの沈み込み帯で発生する地震をより早く検知できると期待される。そこで,新幹線の早期地震検知システムに海底地震計を利用する方法を開発し,海底地震計のしきい値の設定方法や誤警報の防止方法を提案した。さらに,海底地震計を早期地震検知システムに利用することの効果を検証した。JR 東日本では,房総沖のエリアの海底地震計を2017年11月1日に,茨城・福島沖から青森・釧路沖のエリアを2019年1月25日に利用開始した。
著者
贄田 秀世 大井 晴男 鈴木 博人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.227-231, 1999-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
5

明治期の鉄道橋として主に採用された鉄桁の形式は、力学的に構造が単純で製作が容易なプレートガーダー (鈑桁) である。なかでも、御雇い英国人技術者C.Aポーナルにより設計された一連のプレートガーダーは、官鉄や日本鉄道等で大量に製作架設されたため、今尚、全国各地に残存しているものが多数ある。その後、鉄路の伸展とともに機関車も大型化され、耐荷力不足となったため、下級線区や道路橋として改造転用されている。本稿では、ポーナル桁を転用改造し鉄道こ線道路橋としたなかで、コンクリートで被覆された特異な形態について調査したものである。
著者
岡 暁子 高橋 日出男 中島 虹 鈴木 博人
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.233-245, 2019 (Released:2019-07-03)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

本研究では,東京都と埼玉県を主な対象とし,15年間の夏季(6~9月)における,稠密な降水量観測網(290地点)の時間降水量データを用いて,降水域(≧5 mm/h)の局地性と広域性に着目して強雨(≧20 mm/h)発現の地域的な特性を解析した.その結果,関東山地東麓と都区部西部や北部で局地的強雨の頻度が高く,それによる降水量も多い.全強雨に占める局地的強雨の頻度割合は,都区部北部から埼玉県東部で大きく,総降水量への寄与も大きい.一方,関東山地や埼玉県西部,多摩地域では広域的な降水に伴う強雨の頻度や降水量が多い.また,南風時に都心の数十km風下側の埼玉県東部で夏季を通して局地的強雨の頻度割合が大きいことに関し,強雨発現と風系との関係を調べた.局地的強雨には基本的に風の収束が関与しており,いわゆるE-S型風系だけでなく,関東平野内陸からの北風に伴う収束や,相模湾からの南風と東京湾からの南東風との収束も重要と考えられた.
著者
鈴木 博人
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.805-816, 2004-11-30
参考文献数
12
被引用文献数
2

日本における大雨の出現頻度の経年変化を明らかにすることを目的に,日本全国の気象官署18箇所を対象に1950年から2003年の54年間におけるひと雨の1,3,6,12,24時間降水量及び総降水量の再現期間が2,5,10年以上の大雨の出現頻度の経年変化を分析した.暖候季(5月から10月)における大雨の出現頻度には,大雨の時間スケールや基準によらず,全般的に1950年代から1960年代前半にかけて高く,1960年代後半から1980年代にかけて低く,1990年代以降が最も高いという変動傾向がみられる.ただし,3,6時間降水量の再現期間が2年以上の大雨の出現頻度は1990年代以降だけが高い傾向にあり,特に1990年代後半に高い傾向にある.また,1950年から2003年の期間後半の大雨の出現頻度の増加傾向はほとんどの場合に有意な期間があるが,期間前半の減少傾向に有意な期間がみられるのは一部の場合のみである.梅雨季(5月から7月)及び台風季(8月から10月)における再現期間が2年以上の大雨の出現頻度は,大雨の時間スケールによって変動傾向に違いがみられるが,いずれの季節も1990年代以降は高い傾向にある.
著者
高橋 純平 鈴木 博人 古舘 裕希
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.29-33, 2013-12-20

本研究の目的は,寒冷療法とスタティックストレッチングならびにその併用による介入がハムストリングスの伸張性に及ぼす即時的な影響を明らかにすることである。対象は健常大学生36 名とした。対象者を,コントロール群,寒冷療法群,スタティックストレッチング群,寒冷療法・ストレッチング併用群の4 群に分け,介入後の関節可動域を比較した。その結果,寒冷療法群,スタティックストレッチング群とコントロール群では有意差は認められなかったが,寒冷療法・ストレッチング併用群との比較では有意に関節可動域が大きくなった。これは,寒冷療法により疼痛閾値が上がり,なおかつストレッチングによる筋粘弾性低下防止の効果のために,関節可動域の拡大がみられたのではないかと推察された。
著者
鈴木 博人
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.333-350, 2012-05-31

本研究では,気象庁と鉄道の日降雪深データを用いて,北海道から山陰にかけての日本海側地域と北海道から中部にかけての太平洋側地域を対象に,再現期間が2年以上の日降雪深の大雪の出現頻度について,経年変化とその要因に関する解析を行った.大雪の出現頻度は,北陸では1950年代から2000年代にかけての減少傾向と,1980年代後半における減少側へのジャンプが有意水準5%で有意である.一方で,他の地域では大雪の出現頻度に有意水準5%で有意なトレンドやジャンプは検出されなかった.また,対象地域全ての冬期平均気温,冬季東アジアモンスーン指標(MOI),および北極振動指標(AOI)には1980年代後半にジャンプがみられ,冬期平均気温は対象地域全てにおいてMOIおよびAOIとの相関が有意水準5%で有意である.これから,冬期平均気温のジャンプにはMOIやAOIのジャンプが関係していると考えられる.大雪の出現頻度は,多くの地域において冬期平均気温,MOI,およびAOIとの相関が有意水準5%で有意である.これらの相関は,北陸で高く,他の地域で相関が低いか,相関がない傾向にあり,この傾向が最も強いのが冬期平均気温である.さらに,大雪が出現した日の日平均気温は,北陸では降水が雪と雨になる割合が50%ずつになる気温をわずかに下回る気温領域に集中する傾向が強く,大雪の出現頻度は気温の変化に敏感に応答すると考えられる.これから,北陸における大雪の出現頻度の減少側へのジャンプには,降水が雪と雨になる割合が50%ずつになる気温と地上の気温が近い地域において,MOIやAOIといった大気循環のジャンプの影響を受けた冬期平均気温の上昇側へのジャンプが大きく影響していると考えられる.
著者
鈴木 博人 河島 克久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_301-I_306, 2018

<p> 本研究では,新潟県とその周辺地域における鉄道駅構内の露場で観測された年最大積雪深の資料を整理することで,1927年冬期から2018年冬期における豪雪年の年最大積雪深の分布図を作成した.これらの分布図は,この期間の年最大積雪深の観測記録が残る地点のデータを基に豪雪年として抽出された1927年,1940年,1945年,1961年,1963年,1984年の各冬期について作成した.その上で,豪雪年における年最大積雪深の分布の地域的特徴を明らかにした.さらに,雪の降り方とそれが鉄道に与えた影響や,鉄道で行われてきた雪害対策について概観する.</p>
著者
三木 千栄 小野部 純 鈴木 誠 武田 涼子 横塚 美恵子 小林 武 藤澤 宏幸 吉田 忠義 梁川 和也 村上 賢一 鈴木 博人 高橋 純平 西山 徹 高橋 一揮 佐藤 洋一郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ed0824, 2012

【はじめに、目的】 本学理学療法学専攻の数名の理学療法士と地域包括支援センター(以下、包括センター)と協力して、包括センターの担当地域での一般高齢者への介護予防事業を2008年度から実施し、2011年度からその事業を当専攻で取り組むことした。2010年度から介護予防教室を開催後、参加した高齢者をグループ化し、自主的に活動を行えるよう支援することを始めた。この取り組みは、この地域の社会資源としての当専攻が、高齢者の介護予防にためのシステムを形成していくことであり、これを活動の目的としている。【方法】 包括センターの担当地域は、1つの中学校区で、その中に3つの小学校区がある。包括センターが予防教室を年20回の開催を予定しているため、10回を1クールとする予防教室を小学校区単位での開催を考え、2010年度には2か所、2011年度に残り1か所を予定し、残り10回を小地域単位で開催を計画した。予防教室の目的を転倒予防とし、隔週に1回(2時間)を計10回、そのうち1回目と9回目は体力測定とした。教室の内容は、ストレッチ体操、筋力トレーニング、サイドスッテプ、ラダーエクササイズである。自主活動しやすいようにストレッチ体操と筋力トレーニングのビデオテープ・DVDディスクを当専攻で作製した。グループが自主活動する場合に、ビデオテープあるいはDVDディスク、ラダーを進呈することとした。2010年度はAとBの小学校区でそれぞれ6月と10月から開催した。また、地域で自主グループの転倒予防のための活動ができるように、2011年3月に介護予防サポーター養成講座(以下、養成講座)を、1回2時間計5回の講座を大学内で開催を計画した。2011年度には、C小学校区で教室を、B小学校区で再度、隔週に1回、計4回(うち1回は体力測定)の教室を6月から開催した。当大学の学園祭時に当専攻の催しで「測るんです」という体力測定を毎年実施しており、各教室に参加した高齢者等にそれをチラシビラで周知し、高齢者等が年1回体力を測定する機会として勧めた。A小学校区内のD町内会で老人クラブ加入者のみ参加できる小地域で、体力測定と1回の運動の計2回を、また、別の小地域で3回の運動のみの教室を計画している。また養成講座を企画する予定である。【倫理的配慮、説明と同意】 予防教室と養成講座では、町内会に開催目的・対象者を記載したチラシビラを回覧し、参加者は自らの希望で申し込み、予防教室・養成講座の開催時に参加者に対して目的等を説明し、同意のうえで参加とした。【結果】 A小学校区での転倒予防教室には平均26名の参加者があり、2010年11月から自主グループとして月2回の活動を開始し、現在も継続している。B小学校区では毎回20名程度の参加者があったが、リーダーとなる人材がいなかったため自主活動はできなかった。2011年度に4回コースで再度教室を実施し、平均36名の参加者があった。教室開始前から複数名の参加者に包括センターが声掛けし、自主活動に向けてリーダーとなることを要請し承諾を得て、2011年8月から月2回の活動を始めた。A・B小学校区ともにビデオあるいはDVDを使用して、運動を実施している。C小学校区では2011年6月から教室を開始し、平均14名の参加者であった。教室の最初の3回までは約18名の参加であったが、その後7名から14名の参加で、毎回参加したのは3名だけで自主活動には至らなかった。2010年度3月に予定していた養成講座は、東日本大震災により開催できなかったが、25名の参加希望者があった。A小学校区内の小地域での1回目の予防教室の参加者は16名であった。大学の学園祭での「測るんです」の体力測定には139名の参加者があり、そのうち数名であるが教室の参加者も来場された。【考察】 事例より、予防教室後に参加者が自主活動するには、活動できる人数の参加者がいること、リーダーとなる人材がいること、自主活動の運営に大きな負担がないことなどの要因があった。自主グループの活動やそれを継続には、2011年3月の地震後、高齢者の体力維持・増進が重要という意識の高まりも影響を及ぼしている。C小学校区の事例で、自主活動できなかった要因を考えるうえで、A・B小学校区と異なる地域特性、地域診断を詳細にする必要性があると考える。リーダーを養成することでC小学校区での高齢者が自主活動できるか検討する必要もある。高齢者の身体状況に合わせて、自主活動できる場所を小学校区単位、小地域単位で検討する必要がある。【理学療法学研究としての意義】 介護予防事業を包括センター、予防事業所などだけが取り組む事業ではなく、理学療法士が地域の社会資源としてそのことに取り組み、さらに介護予防、健康増進、障害、介護に関することなどの地域社会にある課題を住民とともに解決するための地域システムを構築していくことは、現在の社会のなかでは必要であると考える。
著者
真船 奨 島村 誠 鈴木 博人 外狩 麻子 木下 芳郎 山田 武志 疋田 篤史
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
鉄道技術連合シンポジウム(J-Rail)講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.19, pp.487-488, 2012-12-04

Than doing the actual experiment, in order to evaluate the safety of passenger flow and passenger evaluation station, the consideration by the simulation model is realistic. System for safety evaluation of the station in the event of failure by utilizing simulation technology, in this study, we have examined the specifications of sub-models that are required there. In addition, conduct a case study that assumes a situation where using a part of the sub-model for the models studied, underground station is flooded due to the tsunami and heavy rain guerrilla, we have confirmed the effectiveness of the system.
著者
黒木 雅大 岡田 真行 鈴木 博人 川前 金幸
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.127-133, 2021

<p>超緊急帝王切開では母体の安全を確保しつつ,迅速な児娩出を目指す.そのために当院では超緊急帝王切開に対し多職種共通のプロトコールを作成し,手術決定から児娩出まで(Decision-to-Delivery Interval:DDI)の短縮を目指した.今回,この共通プロトコール運用の前後において,DDIとその内訳を検討した.共通プロトコールの運用後でDDIは有意に短縮し,特に手術室入室から気管挿管までが有意に短縮された.超緊急帝王切開において共通プロトコールの運用はDDIの短縮に有用であり,それには麻酔科医の行動が大きく関与している可能性が示唆された.</p>
著者
鈴木 博人
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.121, no.7, pp.163-212, 2014-12

日本法でもドイツ法でも法的な母子関係は、分娩によって発生する。父子関係と異なり、母子関係は分娩時に確定する。しかし、望まない妊娠等の事情により、母子関係の存在あるいは妊娠の事実が知られると困る場合、子が出生直後に遺棄されたり、時には殺害されることがある。この事情は、ドイツでも日本でも同じである。このような事態に対応するとして、ドイツでは一九九一年にベビークラッペが設置され、また匿名出産が事実上行われている。少数であるが、子の匿名での引受けを行う事例も存在する。ドイツでは二〇〇九年に倫理評議会が、ベビークラッペは廃止すべきであり、それに代わり一定の要件の下で限定的に母の匿名性を認めるべきという提言がなされた。それを受けた実態調査を踏まえて、妊娠葛藤法のなかに秘密出産制度が導入されて、二〇一四年五月一日から施行されるに至った。本稿では、第一に、秘密出産制度が制定されるに至った背景と新しい制度の内容を紹介、分析する。第二に、秘密出産制度で母の利益と子の利益が比較考量されて、望まない妊娠に典型的にあらわれる母と子それぞれの利益対立が、どのように調整されたのかを検証する。第三に、社会問題としては類似の問題を抱える日本で、仮に母の匿名性を例外的にであれ認めることによって、母子双方の福祉・権利の調整を図るとしたら、どのような問題を乗り越えなければならないかを指摘する。
著者
鈴木 誠 鈴木 博人 阿部 玄治 平山 和哉 長井 真弓 釼明 佳代子 小野部 純
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-18, 2021-03-31

2017年,本学は地域連携事業の推進を目的に,宮城県東松島市と包括連携協定を結び双方の資源を活用した地域振興・教育・研究の各分野における実践的取り組みを開始した.そこで本論では,本学理学療法学専攻と中学校とで行ってきた中学生の体力向上と運動器障害予防の取り組みについて紹介をするとともに,今後の展開について方向性を明らかにすることを目的とする.主な取り組みは,1)運動能力テストの実施,2)講話・ストレッチ講習会の開催,3)体力向上・運動器障害予防に向けた啓蒙活動,4)保健体育授業・部活動の支援,であった.今回の取り組みのように,中学生に支援が行えたことは体力向上や運動器障害予防の観点からは大変有効であったと考えられる.また,取り組みに携わった学生の成長も大きな成果であったと言える.今後も中学校との協力体制を深めて行きながら,更なる充実した取り組みを企画し,発展させていきたいと考えている.
著者
福田 守 樋口 朝美 冨澤 義志 鈴木 博人 川上 真吾 鈴木 誠 藤澤 宏幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.46-54, 2016-08-30 (Released:2016-09-07)
参考文献数
6
被引用文献数
2

【目的】端坐位での振り向き動作における眼球運動,頭頸部,胸腰椎および骨盤の回旋の運動協調性について,目標物までの距離,角度,方向による差異を明らかすることとした。【対象】健常若年者20名を対象とした。【方法】目標物はLED光とし正面を0°として同心円上に30°刻みに150°までの計5箇所に設置した。また,目標物の距離は1mおよび2mとし,動作の方向は左右とした。これらの条件を変えた際の振り向き動作を行い,3次元動作解析装置を用いて,頭頸部,胸腰椎,骨盤の回旋角度を算出した。【結果】全ての体節の回旋到達角度において,目標物までの角度の主効果が有意であった。目標物30°の場合は眼球運動と頭頸部回旋角度に相関を認め,60°~150°では頭頸部と胸腰椎に相関を認めた。また,どの体節も動作開始直後から動きがみられ,頭頸部,胸腰椎,骨盤の順で動きが大きくなっていた。【結語】目標物30°では眼球運動と頭頸部回旋が,目標物60°~150°では頭頸部と胸腰椎回旋が相補し合うことが明らかとなった。
著者
リップ フォルカー 鈴木 博人
出版者
日本比較法研究所
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.83-108, 2018-09-30

本稿は,2017年11月13日に法学部・家族法の講義の一環として行われたドイツ家族法の基本的原理を解説した講義の内容を邦訳したものである。 講義は,序論でドイツ家族法改正史とドイツ家族法が基本法(憲法)の準則(とりわけ男女平等条項と家族保護条項)に則って規整されていることが示されている。さらに,ヨーロッパ人権条約の強い影響を受け,いわば家族法の憲法化とも称される状況があることが示される。 序論を受けて,ドイツ家族法の最新の動向が,婚姻・離婚法,親子法,成年者の保護(日本法上の成年後見)法の3領域について示されている。 婚姻・離婚法分野では,法的な形式を与えられた生活共同体として古典的な婚姻とならんで登録された生活パートナー関係,さらには2017年10月1日からの同性婚の制度化後の対応が論じられている。 親子法分野では,血統法から親の配慮(日本法の親権)法,面会交流,子の扶養という広範な領域が概観されている。 成年者保護の分野では,自己決定能力が制限され,自らの事務に関して自分で処理できない成年者の保護が,後見から現代的な成年者保護の流れのなかで示されている。 各分野それぞれについて,喫緊の課題とその課題への取組が示されており,ドイツ家族法の現状理解を助ける,非常に明解な講義となっている。
著者
鈴木 博人 加藤 亘 島村 誠 畑村 真一 野村 真奈美 日置江 桂
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.353-365, 2009-05-31
被引用文献数
1

本研究では,列車運転規制に利用することを目的に,日本海沿岸部における冬期(11月から3月)の寒冷前線に伴う突風に対して,レーダーエコーデータを用いた突風警戒基準を開発した.突風を発生させる可能性のある親雲の検出基準は,1km格子のレーダーエコーデータにおいて,80mm/h以上のエコー強度が10格子以上存在し,なおかつそれらの格子における最大のエコー頂高度が6km以上の場合とした.この基準を用いることで,2005年冬期から2008年冬期までの4冬期において,日本海及びオホーツク海の沿岸部で発生した人的被害を伴う全突風3事例を検出できる.また,人的被害のなかった事例を含めた全突風7事例のうち,4事例を検出できる.本研究で定めた突風検出基準を用いて,次のような列車運転規制方法を考案した.突風検出基準を超過するレーダーエコーが現れた場合には,その地点の北から南東までの方角において約38km以内の範囲を突風の警戒範囲とする.鉄道の線路がその警戒範囲内に含まれる場合には,その区間における列車の運行を停止する列車運転規制を実施することにした.この方法を羽越本線新津・酒田間及び白新線新潟・新発田間に適用したところ,これらの路線が突風の警戒範囲に含まれる時間及び回数は,4冬期の平均で1年あたり150分及び4.0回であることが分かった.この検証結果に基づき,上記区間において本研究で開発した列車運転規制の試行を2008年1月28日から開始した.
著者
本間 秀文 鈴木 博人 鈴木 誠 村上 賢一 藤澤 宏幸
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.323-328, 2013 (Released:2013-07-16)
参考文献数
13
被引用文献数
6 1

〔目的〕前方歩行と後方歩行において,各歩行速度での8筋の筋活動パターンと筋活動量を比較検討した.〔対象〕健常成人12名とした.〔方法〕20 m/min,40 m/min,60 m/min,80 m/minの4つの速度条件で各歩行様式の表面筋電図を測定した.被験筋は大殿筋,中殿筋,大腿二頭筋,大腿直筋,内側広筋,腓腹筋外側頭,前脛骨筋,ヒラメ筋とした.〔結果〕すべての筋で,歩行速度が変化しても,前方歩行と後方歩行の筋活動パターンに類似性は見られなかった.筋活動量は多くの筋で後方歩行の方が前方歩行よりも大きくなった.また,歩行様式にかかわらず,歩行速度の増加に伴い筋活動量は増加した.〔結語〕後方歩行は前方歩行と同様に速度増加に伴い筋活動量が増加する一方で,1歩行周期における筋活動パターンが前方歩行と異なることが明らかとなった.
著者
菊地 明宏 鈴木 博人 本間 秀文 田中 直樹 川上 真吾 藤澤 宏幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.97-102, 2016-08-30 (Released:2016-09-07)
参考文献数
9

【目的】端坐位での前下方へのリーチ動作における指先の運動軌道および,胸椎,腰椎,骨盤の角度変化と,各セグメントの寄与を明らかにすることとした。【対象】課題動作に影響を与える腰部と下肢に既往のない,健常若年男性20名とした。【方法】規定した開始姿勢から,足関節リーチと足尖リーチを実施させた。骨指標の3次元座標から,胸椎,腰椎,骨盤の屈曲・前傾角度と指先軌道を算出した。寄与について,4セグメントモデルを作成し,指先軌道の変化量に対して,それぞれの寄与率を算出した。【結果・結語】指先の運動軌道において,足関節リーチは下方へ曲線を描いていたが,足尖リーチでは後半に直線に近い軌道をとった。角度変化は,前半に胸椎および腰椎の運動が,後半に骨盤の運動が大きくなり,滑らかな指先軌道が形成されていることが明らかとなった。寄与について,前半に上肢が,後半に胸椎の寄与が大きい結果となった
著者
石橋 忠良 古谷 時春 浜崎 直行 鈴木 博人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.711, pp.125-134, 2002-08-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
6
被引用文献数
3 7

昨今, コンクリート構造物からのコンクリート片の剥落が社会問題となっている.本文では, コンクリート片の剥落が生じた鉄道高架橋, 架道橋, およびこ線橋 (以下, 高架橋等とする) のかぶり, コンクリートの中性化深さ, 鉄筋腐食度などを調査し, 高架橋等からのコンクリート片の剥落要因を検討した. その結果, かぶり, 中性化残り, および雨水, 漏水の影響が, コンクリート片の剥落および鉄筋腐食と関係の深いことがわかった.
著者
鈴木 博人 高橋 日出男
出版者
日本自然災害学会
雑誌
自然災害科学 (ISSN:02866021)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.161-173, 2008-08-31
被引用文献数
1

Detection of the spatial scale of heavy precipitation is important for the prevention of disasters. This study analyzed the spatial scale of heavy precipitation based on observed data at the railway observational stations and the meteorological stations in Kanto Plain. The results can be summarized as follows: The simultaneous occurrence area of precipitation becomes smaller when the criterion of precipitation and/or the distance increases. Heavy precipitation exceeding 30mm (130mm) during 1-hour (24-hour) occurs simultaneously within the distance of about 4km (>30km) at the probability of 0.5. The spatial scale of heavy precipitation is larger in case of typhoon rather than front, low, and thunderstorm. The simultaneous occurrence area of precipitation seems to have southwest-northeast oriented long axis. Moreover, the spatial scale of heavy precipitation is larger in southeastern part rather than in northwestern part of Kanto Plain.