著者
遠藤 普克 龍山 恭 徳田 皓平 田島 岳留
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.240-243, 2021-07-25 (Released:2021-11-14)
参考文献数
9

国内でペットとしてイヌを飼う環境は室内が主流のため,イヌの持つ動物的な臭気と接する機会は増加しているものの,成分に関する報告はほとんどない.特徴的な臭気を有する,コーギー種犬の飼育に使ったシートや抜け毛の入ったクリーナーパックなどに対して,ダイナミックヘッドスペース法による捕集と,におい嗅ぎ分析を含む臭気分析を行った.それらの結果,3-methylbutyric acidと2-acetyl-1-pyrrolineがこの特徴臭気の要因と推測され,さらにGC/MS法により確認された.
著者
龍口 巌 松岡 龍雄 泉 玲子 伊地智 節 柴田 浩志
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.362-366, 2012-09-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
11

本研究では,ウーロン茶エキス,甜茶エキス,緑茶エキス,柿渋エキスの4種のポリフェノールを組み合わせたポリフェノール混合エキス(抗ノネナールPolyphenol Complex,以下抗ノネナールPCと記載)に,加齢臭の主な原因である2-ノネナールへの高い消臭効果があることを見出した.更に,加齢臭が気になるあるいは加齢臭を指摘された事がある43歳〜75歳の日本人男性を対象に,抗ノネナールPCを配合した石鹸を4週間継続使用させる“加齢臭低減効果確認試験”を実施した.結果,使用前に比べて,使用2週間後,使用4週間後に,2-ノネナール量,臭気判定士による臭気強度および被験者の体感(主観評価)を表すVisual analogue scale (VAS)値が有意に改善され,抗ノネナールPCを配合した石鹸の加齢臭低減効果が確認された.
著者
丸山 奈保 安部 茂
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.199-210, 2012-05-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
43

かおりのある植物精油を用いたアロマセラピーは,近年,代替医療のーつとして感染症に対する効果に大きな注目が集まっている.精油は,既存の抗真菌剤にはない特徴を有しているが,その代表的なものに揮発性がある.精油は,真菌に直接接触できなくても,揮発成分の拡散により,抗真菌効果を示すことが可能である.また,感染症で臨床的に問題となる炎症症状をも抑制することができる.これらより,表在性真感染症に対する新たな治療法としての精油の有効性が期待される.
著者
磯谷 敦子
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.340-345, 2015-09-25 (Released:2019-02-20)
参考文献数
13
被引用文献数
1

全国新酒鑑評会出品酒にみられる地域性について検討した.原料米は大部分が山田錦であることから顕著な地域性はみられなかったが,地元の品種など山田錦以外の原料米を使用した出品酒が15%程度あり,金賞を受賞したものもある.酵母はきょうかい1801が全国的に使用されているが,地域で開発された酵母の使用割合も高かった.吟醸香成分(酢酸イソアミルおよびカプロン酸エチル)の濃度は地域による違いがみられ,主に使用酵母の違いに起因すると考えられた.また,オフフレーバーについても,地域間で発生頻度に違いのみられるものがあった.
著者
菅原 良
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.2-13, 2015-01-25 (Released:2019-02-20)
参考文献数
11

地域資源であるバイオマスの活用は,農林水産業を含む地域活性化に貢献し,そのカーボンニュートラルという特性から,循環型社会の構築や地球温暖化防止対策としても,国の施策として多様な活用が進められている.しかし,特に廃棄物系のバイオマスを取扱う施設は悪臭問題の原因となる場合があることから,施設の設計や建設,運転管理に十分に注意する必要がある.
著者
綾部 早穂
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.68-70, 2004 (Released:2005-02-04)
参考文献数
19
被引用文献数
1 3
著者
高野 光雄 佐々木 勝考 武藤 猛 杉本 岩雄 三田地 成幸
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.345-355, 2005 (Released:2005-12-29)
参考文献数
21
被引用文献数
2 3

野外に咲く20種類のバラの香りを,応答特性が異なる6つの水晶振動子型においセンサアレイにより測定した.花弁部分に捕集袋を被せることにより気体のまま捕集した香りを,純空気に対する応答パターンを基準とした変化量として測定した.濃度によらず芳香の種類で区別するための特徴量を定義し,この特徴量を主成分分析法とk-平均クラスタリング法で分析した結果,品種との関連からバラの香りを複数個に分類できる可能性を示した.また,バラの香りを大気と揮発物質の混合体(におい成分)として考えると,バラの香りの分類には,水晶振動子上の吸着膜の化学的な応答特性が反映されている可能性を示した.