著者
小松原 宏子
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.9-24, 2020-03-31

2014 年と2015 年、学研の「10 歳までに読みたい世界名作」『若草物語』『あしながおじさん』の編訳をする機会に恵まれた。それに際し完訳版および原書を読むなかで気づいたこと、この2作品を初めて読んだ子ども時代から心に留めていた、あるいは疑問に思っていたことをここで整理してみたい。今回は脇役ながら物語中で重要な役割を果たしている脇役たち---『若草物語』のハンナ、『あしながおじさん』の視察委員プリチャード---に関しての考察をまとめる。
著者
太田 哲
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
no.11, pp.135-143, 2019-03-31

インド北東部の少数民族であるナガ系諸族の調査を行った際多くの人から第二次世界大戦時のインパール作戦における日本兵との接触についての話があった。本稿はそれらの人々の語りを記録していくプロジェクトの一部であり、その中で3 つの事例を紹介する。事例に入る前に第二次世界大戦時におけるビルマ方面の状況、インパール作戦の概要について説明し、その後ナガ居住地域におけるフィールドワークで得たナガのお年寄りの話を記す。本稿での事例はマニプル州ウクルール地区のハラン村とグリハン村において接触したし人々の語りである。
著者
韓 準祐 柳 銀珠
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-11, 2019-03-31

バリアフリー化を促す関連法律の制定と施行が続くなか、社会福祉学、工学、建築学、観光学等の多様な学問領域で交通、施設、情報アクセス等におけるバリアフリー化に関する研究が行われた。しかし、観光研究において、バリアフリー以外の障害者の観光を取り巻く環境を総合的に考察する試みは必ずしも十分ではない。本稿では、身体障害者の就業、課税・公的年金及び手当等を含めた収入に関連するデータの分析を行い、身体障害者の経済的状況が、彼らの観光における阻害要因の一つになっていることを明らかにする。
著者
小松原 宏子
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
no.12, pp.9-24, 2020-03-31

2014 年と2015 年、学研の「10 歳までに読みたい世界名作」『若草物語』『あしながおじさん』の編訳をする機会に恵まれた。それに際し完訳版および原書を読むなかで気づいたこと、この2作品を初めて読んだ子ども時代から心に留めていた、あるいは疑問に思っていたことをここで整理してみたい。今回は脇役ながら物語中で重要な役割を果たしている脇役たち---『若草物語』のハンナ、『あしながおじさん』の視察委員プリチャード---に関しての考察をまとめる。
著者
小松原 宏子
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
no.13, pp.31-52, 2021-03-31

2014 年、学研の「10 歳までに読みたい世界名作」シリーズ出版において、19 世紀米文学の名作『若草物語』(ルイザ・メイ・オルコット作)の編訳をする機会に恵まれた。Little Women という原題のこの物語は、日本ではA tale of young grass という意味の、『若草物語』というタイトルで翻訳されている。1934 年の矢田津世子の抄訳出版と、キャサリン・ヘップバーン主演のキューカー監督作品である映画(1933 年アメリカ)の公開時に吉屋信子によって選ばれた、と言われるこの邦題について考察し、命名の理由についての仮説を立ててみた。
著者
西井 賢太郎
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.97-107, 2016-03-31

Since the criticisms Lucas made in ‘Economic Policy Evaluation: A Critique (1976)’ became widely accepted in the 1970s and 1980s, ‘micro foundations’ have been recognised as essential for macroeconomic models, and consequently, the dynamic stochastic general equilibrium (DSGE) model developed remarkably in the 1990s. It is a common idea that research on the DSGE models was originated from the real business cycle (RBC) model created by Kydland and Prescott (1982). However, preceding the development of the RBC model, the Ramsey-Cass-Coopmans model (simply ‘the Ramsey model’ or ‘the optimal growth model’) introduced micro foundations and the optimal behaviour of households as an economic growth model, and lead to consumption theories such as the permanent income hypothesis, investment theories such as Tobin’s q, and the RBC model. This paper demonstrates the process of setting the basic Ramsey model to observe its features and, by observing empirical examples of cross-country convergence, its speed is also examined. Further, necessary conditions for generating endogenous growth are discussed along with limitations of the Ramsey models being assessed and with other endogenous growth models being introduced.
著者
張 琪 良峯 徳和
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.149-157, 2016-03-31

Entertainment is a happy activity for people, and could help people to improve the quality of their life. Among many entertaining ways, listening to music is one of the most popular and convenient ways. In this paper, we conducted experiments to measure the brain activities using a portable EEG (Electroencephalogram) system, when the subjects were listening to beautiful music or unpleasant noise. The EEG data were analyzed after the acquisition from the experiments. Epochs of music and noise conditions were extracted separately, and their ERPs (Event-related potentials) were calculated. ERP differences between music and noise epochs were observed in several sessions. But at present the experimental results were still lack of repeatability due to the limitation of the current portable system. Further work is in plan for both experiment setup improvement and more advanced data analysis.
著者
深松 亮太
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-20, 2023-03-31

本稿では、ポピュリスト党機関紙である『コケィジャン』に掲載された 1898年と 1900 年の風刺画を分析する。ここでは特に、両年に行われた選挙戦に際して民主党が提起した批判的な言説に対して、ポピュリストたちがいかなる対抗言説を示していたのかを検討の中心とする。この検討を通じて筆者は、ポピュリストたちが目指した白人と黒人の政治的共闘が、両年の選挙を通じて変化していく諸相を改めて再検討する。その変化とは、貧しい白人の投票権が剝奪されつつある状況のなかでポピュリストたちが示した階級と人種の交差的な意識によるものであった。
著者
張 琪
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.111-118, 2021-03-31

音楽鑑賞は人間にとっては楽しみであるだけでなく、心身の健康に大きな影響を与えると思われるため、医療に音楽利用する音楽療法も生まれた。音楽療法の作用メカニズムを解明するには、協和音・不協和音が人間の脳活動にどのような影響を与えるかに視線が注がれている。本研究では、脳波計測を用いて、普段よく鑑賞されるピアノ単体のクラシック曲を実験刺激として利用し、協和音・不協和音が音楽鑑賞時に脳活動にもたらす影響を探ってみた。被験者による個人差があったが、後頭葉、左側頭葉、右頭頂葉、及び前頭葉で脳活動成分が観測された。これらの結果は今後の音楽療法の有効活用につながることに期待したい。
著者
小松原 宏子
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.31-52, 2021-03-31

2014 年、学研の「10 歳までに読みたい世界名作」シリーズ出版において、19 世紀米文学の名作『若草物語』(ルイザ・メイ・オルコット作)の編訳をする機会に恵まれた。Little Women という原題のこの物語は、日本ではA tale of young grass という意味の、『若草物語』というタイトルで翻訳されている。1934 年の矢田津世子の抄訳出版と、キャサリン・ヘップバーン主演のキューカー監督作品である映画(1933 年アメリカ)の公開時に吉屋信子によって選ばれた、と言われるこの邦題について考察し、命名の理由についての仮説を立ててみた。
著者
李 光宰
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.21-37, 2019-03-31

本稿では,サムスン半導体の形成過程ひいては躍進する姿を観察し,① 「新々貿易理論」が,かつての「比較優位論」では説明すらできなかった「後発開発途上国が工業製品を輸出しているのはなぜか?」を解き明かすのに最も適切な理論であることを明らかにした.すなわち,サムスンの登場・躍進への検証によって,「生産性の高い企業のみが,輸出に要する大きな固定費用をまかなうほどの利潤を得ることができる」といった「新々貿易理論」の正当性が証明できたのである.また,①サムスンは「皇帝経営」,② サムスンの「経営者の単独専行が特色である」などのサムスンに対する既存観・「偏見」または先入観を払拭することができた.
著者
太田 哲
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.135-143, 2019-03-31

インド北東部の少数民族であるナガ系諸族の調査を行った際多くの人から第二次世界大戦時のインパール作戦における日本兵との接触についての話があった。本稿はそれらの人々の語りを記録していくプロジェクトの一部であり、その中で3 つの事例を紹介する。事例に入る前に第二次世界大戦時におけるビルマ方面の状況、インパール作戦の概要について説明し、その後ナガ居住地域におけるフィールドワークで得たナガのお年寄りの話を記す。本稿での事例はマニプル州ウクルール地区のハラン村とグリハン村において接触したし人々の語りである。
著者
Zion Mark N.
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.163-173, 2012-03-01

The study of motivation in the field of second language acquisition, now in its sixth decade, has focused on distinctions between two types of motivation: xtrinsic and intrinsic. This has become a fixed star in the English education osmos, as accepted as any other ongstanding theory. Without minimizing the labor of so many who shaped the direction of this research, I believe it is important to step away from this body of literature and consider its relevance, since research on motivation seems to have been accepted incritically. Since it is largely "unquantifiable," teachers are left with either belief or disbelief, and this, I feel, is counterproductive and may in fact add stresses to both teachers and English education programs. Here, I will briefly consider the conclusions from some studies on motivation.
著者
杉浦 悦子
出版者
多摩大学グローバルスタディーズ学部
雑誌
紀要 = Bulletin (ISSN:18838480)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.139-152, 2009-03-01

In Michael Ondaatje's The English Patient, books play an important role. The patient's copy of Herodotus's Histories, which is twice as its original thickness with cuttings from other books glued into the text and his own writings in its margins, suggests a contrapuntal reading, to use Edward Said's terminology. Rudyard Kipling's novel Kim is read by the two protagonists in the novel, and another character, Kirpal Singh, a young Sikh with the Royal Engineers, was created as a counterpart to Kim. The narrative of Kim echoes in that of Kip and invites readers to focus on the issue of identity and to reread Kim in a new perspective. The peaceful life of the four expatriates in a near ruin in Florence, which Ondaatje calls an Eden, is destroyed by the news of the nuclear bombs dropped on Hiroshima and Nagasaki. For Kip it symbolizes an undeniable striation which divides the world between East and West. It triggered him to question his identity as a sapper of Royal Army. By creating a counterpart to Kipling's Kim, Ondaatje succeeded in enhancing the issue of identity in the striated world, against which the patient fights all through his life.