著者
守田 真里子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 B.自然科学編 (ISSN:21875243)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.161-177, 2018 (Released:2018-07-11)
参考文献数
33

熊本県の各地には,様々な環境の中で先人たちが知恵と工夫を試行錯誤しながら作り上げた素晴らしい料理がある。しかし,これらの郷土料理は現在私たちの生活の中から失われつつあるのが現状である。郷土料理の特徴や由来,作り方を学び,これらの郷土料理を次世代に継承していくことが必要である。郷土料理は,年中行事と密接に関係しながら発達してきた物だが,その発生の型には①優秀な特産物の存在,②大量・豊作などの有効活用,③人の移動や交流,④行事で生まれたものの4つがある。今回は,このことを踏まえ阿蘇,上益城,天草,南関,八代地区等の郷土料理やその食材についての調査を報告する。
著者
武田 昌憲
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.A25-36, 2015-03-31 (Released:2019-02-16)

山口県文書館蔵『澄水記』は四国の伊予国(愛媛県)東部の戦国軍記である。「里伝」などの異文を含む特殊な作品なので,翻刻してみたものである。国語学的にも特殊な仮名遣いの訓がみられる。地方の軍記として有益である。
著者
守田 真里子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 B.自然科学編 (ISSN:21875243)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.153-162, 2022-03-31 (Released:2022-08-06)
参考文献数
28

熊本県の各地には,様々な環境の中で先人たちが知恵と工夫を試行錯誤しながら作り上げた素晴らしい料理がある。しかし,これらの郷土料理は,現在,私たちの生活の中から失われつつあるのが現状である。また農林水産省の第4次食育推進基本計画では,和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことも踏まえ,「持続可能な食を支える食育の推進」が挙げられた。そして,郷土料理や伝統野菜・発酵食品を始めとする伝統食材等の魅力を再発見することや,我が国の伝統的な食文化や地域の郷土料理等とその歴史や文化的背景等を学ぶ機会の提供を促進することが挙げられた。そこで,第1報・第2報では県内各地を調査して郷土料理の成り立ちから,4種類に分類して報告した。今回は,特に熊本の歴史上の人物と関わりの深い郷土料理とその由来について報告する。
著者
畑田 秀将
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.67-84, 2013-03-31 (Released:2019-01-31)

本研究では,大手新聞社が発行する新聞の縮刷版に掲載されている記事が,データベースにおいてどれほど再現されるかという点を調査した。松本サリン事件をサンプルに網羅性を重視する検索を実行した結果,各データベースともに表記のゆれに対する諸機能は導入されているものの,件名もしくはそれに類するアクセスポイントは整備されていないことが分かった。また,事件の初期報道から収束に至る過程においては,一般的な事件名ではなく,検索語を有効に組み合わせる方法が網羅性を確保する手段として効果的であることが確認された。
著者
桑原 芳哉
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.13-25, 2016-03-31 (Released:2019-07-05)

本研究では,前回調査に引き続き,2015年時点における公立図書館における指定管理者制度導入の現状について明らかにし,全国的な傾向を示すとともに,特徴的な事例について分析することを目的とする。調査の結果,2015年11月現在,214自治体,528館において指定管理者により管理運営が行われていることが確認できる。2015年度は,図書館の管理運営に新たに指定管理者制度を導入する自治体の増加傾向が再び強まっており,佐賀県武雄市図書館の事例が,他の自治体において指定管理者制度の導入検討に影響を与えていることが推察される。NPOを指定管理者とする図書館は少数であるが,図書館経営に住民自治の考え方を反映させた事例として注目できる一方,経営安定性等の面から2期目以降の指定を受けられない事例があり,課題と考えられる。
著者
所 吉彦 徳永 彩子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.113-120, 2020

ILO によれば我が国の女性管理職比率は12%とG7最下位である。そこで本研究は女性が管理職に至るまでの「鍵となる出来事」を探ること,今後の調査への示唆を目的とした。東証1部上場企業女性管理職10名を対象とした半構造化面接を実施した。分析は前回研究と異なるM-GTA 法を用いた。その結果,「鍵」には5カテゴリーが存在することが再度確認された。また,「鍵」カテゴリーの継続修正,初級管理職の「鍵」データ蓄積が必要であることが分かった。
著者
小沢 日美子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.83-93, 2018 (Released:2018-07-11)
参考文献数
42

ヒトの発達過程における行動形成とそのための環境的要因は, 発達段階に応じて理解されることが望ましい。他者理解研究の一つでもある「theory of mind (ToM) : 心の理論」研究は, Premack & Woodruff (1978) の霊長類を対象にした研究に端を発している。そして Wimmer & Perner (1983) が, Dennet (1978) の提起を受け, 幼児に実施した「false belief task」は大変良く知られている。その後, Baron-Cohen (1995) は, 「theory of mind」 の形成の過程について, 「注意共有機構のモジュール」を論じ, 三者関係が社会環境におけるさまざまな情報の認識, また, 社会適応の基盤となるとした。そのため一者関係的認識に基づく「false belief task」の通過は, 「theory of mind」の形成とは同義とは捉えられにくい。たとえば, 成人期における「theory of mind」研究では, 対象者自身が, 「theory of mind」課題の回答の際, すでに前提としていることを把握することが欠かせないと考えられている。したがって, 今後の「theory of mind」の発達的検討でも, 自己―他者―対象との間の関係発達を捉えた社会的環境適応との関連で検討されることが重要になるだろう。
著者
武田 昌憲
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.A1-A12, 2013

『寛永諸家系図伝』と『寛政重修諸家譜』から島原の乱の記述の違いを簡単に指摘して、諸家の事情により、必ずしも後世の記録が増幅されているとは限らないことも指摘した。
著者
山川 仁子 天野 成昭
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.157-167, 2020 (Released:2020-07-30)
参考文献数
16

非日本語母語話者が発声した日本語音声の自然性に関わる音響特徴を明らかにすることを目的とし,日本語,中国語(台湾語),韓国語,タイ語,ベトナム語, フランス語を母語とする話者各10名が発声した日本語単語を,日本語母語話者22名に呈示し,発声の正誤判定および自然性の5段階評価を行わせた。発声が正しいと判断された単語の各母音について,単語全体に対する相対時間長,相対強度, 相対基本周波数を求め,これらを独立変数とし,自然性評価値を従属変数とする重回帰分析を行ったところ,母語による相異はあるものの,語頭または語末の母音の相対時間長および相対基本周波数において標準偏回帰係数の絶対値が大きかった。従って非日本語母語話者が発声した日本語音声の自然性に相対時間長および相対基本周波数が関与していることが示唆される。
著者
片桐 真弓
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.137-148, 2016-03-31 (Released:2019-07-05)

本稿では,子育て中の母親への面接調査を下に,父親の子育ての質的特徴について明らかにした。父親には何よりもまず職業人としての扶養役割があるという前提はあるが,それでも扶養役割だけでなく,いくつかの親役割を果たし,子育てに関わっていないということはなかった。しかし,その内容を見ると,子どもの身の回りの世話のようにほぼ毎日決まった時間に行うことが求められるものは母親が担っており,父親の子育ては限られたなかで行われていた。イクメンをブームで終わらせないためには,長時間労働の働き方の見直し,教育が課題として上げられる。
著者
坂田 敦子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 B.自然科学編 (ISSN:21875243)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.169-179, 2019 (Released:2019-09-08)
参考文献数
18

近年,β- ガラクトシドに結合するガレクチン分子が,T 細胞アポトーシスや調節性T 細胞誘導など,免疫調節能をもつことが報告されている。本研究では,食品の機能性成分の免疫調節機能におけるガレクチン分子の関与を明らかにするために,U937細胞を用いて,フコイダン,レイシ抽出液,カテキンなどの食品成分の炎症性/ 抑制性サイトカイン産生並び にガレクチン-1, 3, 9分子発現に及ぼす影響について調べた。結果,フコイダンは,TNF-α,IL-1β,IL-6などの炎症性サイトカイン産生を増強し,IL-10, TGF-βなどの抑制性サイトカイン産生を阻害することにより,効果的に免疫賦活作用を示すことがわかった。またこの過程にガレクチン-9の発現低下が関与している可能性が示唆された。
著者
宮﨑 尚子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編
巻号頁・発行日
vol.2017, no.49, pp.1-8, 2017

現物が確認できなかった大正初期の雑誌「団欒」を十八冊発見したとして,それらの目次を「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査①」「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査②」「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査④」において紹介した。今回は,その『団欒』の中でも、雑誌『青鞜』の作家でもある加藤みどりについて紹介する。
著者
宮﨑 尚子
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.49, pp.01-08, 2017 (Released:2017-11-13)
参考文献数
2

現物が確認できなかった大正初期の雑誌「団欒」を十八冊発見したとして,それらの目次を「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査①」「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査②」「石丸梧平主宰の家庭雑誌『団欒』に関する調査④」において紹介した。今回は,その『団欒』の中でも、雑誌『青鞜』の作家でもある加藤みどりについて紹介する。