著者
天野 成昭
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.641-648, 2018-12-01 (Released:2019-06-01)
参考文献数
8
被引用文献数
2
著者
坂本 修一 鈴木 陽一 天野 成昭 小澤 賢司 近藤 公久 曽根 敏夫
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.842-849, 1998-12-01
被引用文献数
62

単語了解度試験用の単語リストの構築にあたって, 日常会話の聴き取りも含めた音声聴取能力をより正確に評価することを目指すには, 単語の難易度を統制することが望ましい。また, 補聴器適合の評価などの臨床応用を考えたときには, 限定された単語数で, 音韻バランスがよく取れた単語リストを作成することが実用上重要である。本論文では, 難易度の指標として親密度を用いてこれを統制し, また語頭の音韻バランスだけではなく, 語中の音韻バランスも考慮した単語了解度試験用単語リストの作成手法を提案する。また, 実際にこの方法を用いて, 親密度を4段階にパラメータ化して統制した単語リストの構築を行った。この単語リストは, 1枚50単語からなり, 各親密度段階について各20枚, 計80枚のリストから構成されている。更に, リストの妥当性を確認するための聴取実験を行った結果, 単語了解度が親密度を変えることによって系統的に変化することが示された。
著者
天野 成昭 近藤 公久
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.44-50, 2000-08-30

NTT psycholinguistic databases "Lexical Properties of Japanese" were developed for the large number of Japanese words and characters. The databases contain word and character information such as familiarity, frequency of occurrence, appropriateness of accent, appropriateness of orthography, subjective complexity, and other important psycholinguistic properties. Words and characters satisfying multiple search conditions can be very efficiently obtained for stimuli in psycholinguistic experiments, which was impossible without the database in past days. The databases provide a basis for psycholinguistic research on Japanese.
著者
榊原 健一 林 良子 後藤 多嘉緒 河原 英紀 牧 勝弘 齋藤 毅 山川 仁子 天野 成昭 山内 彰人
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

喉頭音源に関連する声質の客観的表記に関し、生理学的、物理学的視点から、音源となる振動体の分類により(i) 声帯発声 ; (ii) 声帯-仮声帯発声; (iii) 声帯-披裂部発声; の3種類の有声音と,無声音である声門乱流雑音発声と分類が可能であり、有声音源に関しては、物理的・音響的特徴から周期的、準周期的、非周期的の3つの振動への分類を提案した。また、声質表現として緊張-弛緩と声門開放時間率との関係を明らかにし、声質の客観的な表現語として適切であることを明らかにした。声門開放時間率の分析方法として、余弦級数包絡の複素wavelet分析に基づく簡易なGCI, GOIの検出方法を考案した。
著者
天野 成昭 近藤 公久
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.44-50, 2000-08-30 (Released:2017-08-31)

NTT psycholinguistic databases "Lexical Properties of Japanese" were developed for the large number of Japanese words and characters. The databases contain word and character information such as familiarity, frequency of occurrence, appropriateness of accent, appropriateness of orthography, subjective complexity, and other important psycholinguistic properties. Words and characters satisfying multiple search conditions can be very efficiently obtained for stimuli in psycholinguistic experiments, which was impossible without the database in past days. The databases provide a basis for psycholinguistic research on Japanese.
著者
山川 仁子 天野 成昭
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.109-116, 2018 (Released:2018-07-11)
参考文献数
4

屋外における拡声放送の情報伝達精度の向上を目指し, 拡声放送において使用される音声言語の特性を明らかにするための基礎的検討として, スキー場の拡声放送における単語の出現頻度, 単語親密度および音素構成を調べた。その結果, スキー場の拡声放送には, 出現頻度が高いが, 単語親密度が低く, 難聴取音素を含む単語が使用されていた。これらの中には, 滑走上の安全に関わる単語や非常時に使用される単語が含まれていることが明らかになった。
著者
Bond Francis 藤田 早苗 橋本 力 笠原 要 成山 重子 Nichols Eric 大谷 朗 田中 貴秋 天野 成昭
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.1(2003-NL-159), pp.83-90, 2004-01-13

本稿では、基本語彙知識ベース構築の一環として構築した、ツリーバンク「檜」を紹介する。「檜」は、HPSGで書かれた日本語文法JaCYに基づいて辞書の語義文を解析したものであり、詳細な統語情報と意味情報の両方が付与されている。本稿では、「檜」構築の目的や理論的基盤などについて述べる。 また、「檜」の有効性を示す一例として、知識獲得の予備実験を行なった結果について報告する。
著者
笠原 要 佐藤浩史 フランシス ボンド 田中 貴秋 藤田 早苗 金杉 友子 天野 成昭
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.1(2003-NL-159), pp.75-82, 2004-01-13

単語の意味を用いた情報処理技術の基盤となりうる基本語の言語知識ベースとして,「基本語彙知識ベース」の構築を進めている.本稿では,その構想と,中核となる2.8万の基本語の意味記述である「基本語意味データベース」の構築状況について説明する.
著者
佐藤 浩史 笠原 要 金杉 友子 天野 成昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.502-510, 2004 (Released:2004-09-03)
参考文献数
26
被引用文献数
1 3

This paper proposes a new method for selecting fundamental vocabulary. We are presently constructing the Fundamental Vocabulary Knowledge-base of Japanese that contains integrated information on syntax, semantics and pragmatics, for the purposes of advanced natural language processing. This database mainly consists of a lexicon and a treebank: Lexeed (a Japanese Semantic Lexicon) and the Hinoki Treebank. Fundamental vocabulary selection is the first step in the construction of Lexeed. The vocabulary should include sufficient words to describe general concepts for self-expandability, and should not be prohibitively large to construct and maintain. There are two conventional methods for selecting fundamental vocabulary. The first is intuition-based selection by experts. This is the traditional method for making dictionaries. A weak point of this method is that the selection strongly depends on personal intuition. The second is corpus-based selection. This method is superior in objectivity to intuition-based selection, however, it is difficult to compile a sufficiently balanced corpora. We propose a psychologically-motivated selection method that adopts word familiarity as the selection criterion. Word familiarity is a rating that represents the familiarity of a word as a real number ranging from 1 (least familiar) to 7 (most familiar). We determined the word familiarity ratings statistically based on psychological experiments over 32 subjects. We selected about 30,000 words as the fundamental vocabulary, based on a minimum word familiarity threshold of 5. We also evaluated the vocabulary by comparing its word coverage with conventional intuition-based and corpus-based selection over dictionary definition sentences and novels, and demonstrated the superior coverage of our lexicon. Based on this, we conclude that the proposed method is superior to conventional methods for fundamental vocabulary selection.
著者
坂本 修一 天野 成昭 鈴木 陽一 近藤 公久 小澤 賢司 曽根 敏夫
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.351-357, 2004-07-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
17
被引用文献数
2

親密度と音韻バランスを統制した単語リストを用いた単語了解度試験を実施し,モーラ位置ごとの正答率に及ぼす親密度の影響を調査した。その結果,試験語が実単語であることを被験者に教示しない場合でも,単語了解度に親密度の影響が見られ,更に,第1モーラの正答率は,低親密度単語では単音節明瞭度と同程度であるのに対し,高親密度単語では単音節明瞭度より高くなることが示された。本結果は,非単語の回答を許すような聴取実験を行う際にも,親密度が結果に影響を及ぼすため,試験単語の親密度の統制が必要であることを示唆する。
著者
山川 仁子 天野 成昭
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.157-167, 2020 (Released:2020-07-30)
参考文献数
16

非日本語母語話者が発声した日本語音声の自然性に関わる音響特徴を明らかにすることを目的とし,日本語,中国語(台湾語),韓国語,タイ語,ベトナム語, フランス語を母語とする話者各10名が発声した日本語単語を,日本語母語話者22名に呈示し,発声の正誤判定および自然性の5段階評価を行わせた。発声が正しいと判断された単語の各母音について,単語全体に対する相対時間長,相対強度, 相対基本周波数を求め,これらを独立変数とし,自然性評価値を従属変数とする重回帰分析を行ったところ,母語による相異はあるものの,語頭または語末の母音の相対時間長および相対基本周波数において標準偏回帰係数の絶対値が大きかった。従って非日本語母語話者が発声した日本語音声の自然性に相対時間長および相対基本周波数が関与していることが示唆される。
著者
近藤 公久 天野 成昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.335, pp.1-8, 2000-10-05
参考文献数
20

日本語の単語および文字の様々な特性値を集めたデータベース「日本語の語彙特性」を構築した。「日本語の語彙特性」の1-6巻[1, 2, 3, 4, 5, 6, ]には、新明解国語辞典[7]の見出し語約8万語に対する、単語親密度、単語表記の妥当性などと、JIS X 0208-1990[8]に規定される6, 847文字に対する、文字親密度、複雑度などが収録されている。また、「日本語の語彙特性」の7巻[9]には、1985年から1998年までの14年間に発行された朝日新聞中の単語および文字の出現頻度が収録されている。本稿では、本データベースに収録されている特性値の概略と特性間の関係を示すとともに、本データベースの有効性と問題点について述べる。
著者
Bond Francis 藤田 早苗 橋本 力 笠原 要 成山 重子 Nichols Eric 大谷 朗 田中 貴秋 天野 成昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.1, pp.83-90, 2004-01-13
被引用文献数
1

本稿では、基本語彙知識ベース構築の一環として構築した、ツリーバンク「檜」を紹介する。「檜」は、HPSGで書かれた日本語文法JaCYに基づいて辞書の語義文を解析したものであり、詳細な統語情報と意味情報の両方が付与されている。本稿では、「檜」構築の目的や理論的基盤などについて述べる。 また、「檜」の有効性を示す一例として、知識獲得の予備実験を行なった結果について報告する。In this paper we present the motivation for the construction of the Hinoki treebank. It is a rich and dynamic treebank of dictionary definition sentences parsed using a Japanese HPSG. We show how the treebank is being used to build an ontology, and outline plans for further work.
著者
天野 成昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.351-354, 1996-04-15
著者
金杉 友子 笠原 要 稲子 希望 天野 成昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.66, pp.119-124, 2002-07-15
被引用文献数
1

意味に関する言語処理技術の基盤となりうる概念辞書である"常識概念体系"を構築する第一歩として、人々の概念的な思考で共通して利用していると推定される基本的な語の集合("基本的語彙"と呼ぶ)を選定した.選定の対象としては学研国語大辞典(9万5千見出し語)を用い、選定の尺度として、心理実験により評定される単語の馴染み深さを表す単語属性である単語親密度を用いた.過去の研究において12歳児の理解語彙数の推測値が2万5千と報告されており、別の語彙数調査結果から、同数の語彙を成人の94%が知っていると推測される.そこで、基本的語彙数を2万5千程度と定めた.国語辞典の見出し語について、過去の単語親密度に関するデータベースに含まれていない3万3千語の追加の評定実験を行い、9万5千語から親密度が高い2万7千語を基本的語彙として実際に選定した.As the first step of constructing a dictionary of word concepts, the "Commonsense Concept Database," which will be a base for language processing technologies regarding meaning, we selected basic words which are supposed to be commonly used by Japanese adults. We selected the basic words from a Japanese dictionary in which the number of word entries is about 95,000. In a previous study, the size of the basic words which a Japanese child of twelve years knew was estimated to be 25,000. From the another recent psychological study estimating the number of the vocabulary in Japanese speakers, we were able to estimate that 25,000 of the Japanese basic words were known by 94% of Japanese adults. Therefore, we selected the number of basic words for Commonsense Concept Database to be 25,000. As a measure of selecting the basic word, we used word familiarity ratings. We did farther psychological experiments of rating familiarity of words in the Japanese dictionary which had not been listed in the word familiarity database previously published. Finally, we selected all words with a familiarity rating above five(between seven point scale) which gave us around 27,000 words out of the 95,000 entries of the dictionary.