著者
佃,有射
出版者
日本コンクリート工学協会
雑誌
コンクリート工学年次論文集
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, 2008-07-30

ステンレス鋼SUS304,SUS316およびSUS410Lの塩素が関係する腐食発生に関する試験を行った。ステンレス銅はpHが高くなるほど,耐食性が向上することが確認された。また,ステンレス鋼種ではSUS410L<SUS304<SUS316の順に耐食性が向上した。コンクリート中の細孔溶液を模擬した溶液中での試験結果から,腐食発生限界塩化物イオン濃度はSUS316で18.2〜21.5kg/m^3と推定された。また,耐食性の比較的小さいSUS410Lでも,コンクリート中での腐食発生限界塩化物イオン濃度は20kg/m^3以上であることが確認され,上記3種類のステンレス銅が高い耐食性を有することが確認できた。
著者
宮内,靖昌
出版者
日本コンクリート工学協会
雑誌
コンクリート工学年次論文集
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, 2002-06-08

極低降伏点鋼を用いた枠付き鉄骨ブレースを既存躯体に取り付けた1層1スパンRC骨組の水平加力実験を行い,耐震補強効果を検討した。試験体は鉄骨ブレースを既存骨組に外付けした試験体および出入り開口付きブレースを骨組内に取り付けた試験体の2体である。実験の結果,両試験体とも鉄骨ブレースは層間変形角R=1/1000rad,で降伏し,エネルギー吸収能力の優れた履歴性状を示した。また,外付け接合部の直接せん断実験を実施し,アンカーボルトの配置,スラブの有無等が接合部のせん断耐力におよぼす影響を明らかにした。
著者
蔵本 修 森脇 拓也 綾野 克紀 阪田 憲次
出版者
日本コンクリート工学協会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.503-508, 2003

PC構造物における設計自由度の拡大,部材の軽量化,高耐久性などを目的として高強度コンクリートはますますその重要性を高めている。しかしながら,コンクリートの高強度化に伴い,若材令時の収縮によるひびわれが問題となっている。高強度コンクリートの収縮ひずみを予測する場合,自己収縮の影響が大きくなる。本研究では,高強度モルタルの自己収縮ひずみの挙動を把握し,高強度コンクリートにも適用できる収縮ひずみ予測手法を提案する。
著者
吉川,卓
出版者
日本コンクリート工学協会
雑誌
コンクリート工学年次論文集
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, 2007-07-30

本研究では,ラーメン構造に適用可能なPC複合トラス橋の格点構造の開発を目的として,模型供試体による正負交番載荷実験を実施した。研究対象とした格点構造は,過去の研究において一方向荷重に対する性能の確認は行われているが,地震時を対象とした交番荷重下での性能の確認は行っておらず,ラーメン構造に適用するためには正負交番軸力下での性能確認が不可欠となる。実験の結果,本格点構造は地震時に作用する正負交番軸力に対して,十分な耐力を有していることを確認した。また,格点部の非線形挙動および,格点部周辺コンクリートのひび割れ性状から,ラーメン構造へ適用可能であることを確認した。
著者
佐藤 貢一 檜作 正登 肥田 研一 引地 健彦
出版者
日本コンクリート工学協会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.517-522, 2000
参考文献数
4
被引用文献数
3

東名阪自動車道四日市高架橋は供用開始以来30年以上が経過し,RC床版の疲労損傷が生じていることから,床版下面に補強鉄筋を配置しポリマーセメントモルタルの吹付け工法により一体化させる下面増厚工法による床版補強工事を実施した。本工法は機械化施工により施工性・経済性の改善を図っている。本論文ではポリマーセメントモルタルの吹付けによる床版下面増厚工法の補強効果を載荷試験により検討し,その結果,床版の曲げ性状は改善され疲労耐久性が向上したことが確認された。
著者
迫田 恵三 渡邉 晋也 梅澤 智美
出版者
日本コンクリート工学協会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1497-1502, 2004

本研究は,里山を構成している竹の有効利用を目的としたもので,竹から得られた竹炭を強化材,セメントをマトリックスとする多孔質な複合材料の力学的性質や海水浄化作用および海洋付着生物量に及ぼす影響に関する報告である。実験はポーラスな複合材料の圧縮強度,曲げ強度,単位容積質量およびこの複合材料を使用した場合の海水中のリン酸塩,ケイ酸塩の溶存量や海洋付着生物量を求めた。その結果,圧縮強度,曲げ強度は砕石を使用したポーラスコンクリートの1/7および1/10となったが,海水の浄化作用に効果があり,海洋付着生物量が大きくなることが分かった。