著者
永松 土巳 大村 武 立野 喜代太
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.16, pp.6-8, 1961

1945年,長崎における原爆被爆直後,永松は該地において多数の被爆水稲種子を採取した。これら「原爆稲」は,九州大学農学部付属農場において,年々栽培され,研究が続けられたが,その後代には,種々の遺伝子突然変異のほかに,質的または,量的な染色体変異が見出された(永松1951,1956)。筆者らは,おもに相互転座などの構造雑種系統から出たトリゾーミック稲,合計38系統について,現在種々の調査研究を行なっているが,本報において,粒形質がそれぞれのトリゾーミック型によって異なっていることに着目し,分類をこころみたのでその概要を報告する。
出版者
日本作物学会九州支部
巻号頁・発行日
no.16, 1961-04
著者
宇田津 徹朗 藤原 宏志
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.58, pp.70-72, 1991

吉野ケ里遺跡,桑田遺跡においてプラント・オパール分析による水田針探査および検出されたプラント・オパールの形状解析を行った結果以下のことが明かとなった。
著者
手塚 隆久 松井 勝弘 原 貴洋
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.73, pp.37-40, 2007

「そば中間母本農1号」は自殖性の近縁野生種F.homotropicunに普通ソバの「壮丹そば」を2回交配して選抜育成された.1遺伝子に支配される自殖性を示し,花型は雄しべと雌しべの長さがほぼ等しい長等花柱花である.この花柱性の表現型は自殖性選抜マーカーとして利用できる.近縁野生種由来の子実脱落性を排除してあるので,普通ソバと交配しても後代で子実非脱落性を示す.生育は旺盛でないが,種子の大きさは「牡丹そば」並みである.自殖性の育種素材として利用できる.
著者
湯田 保彦
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.20, pp.40-41, 1963

作物栽培における除草剤の重要度は極めて大きく,最近新しい除草剤が単体,または混合剤として次々に登場しており,各地でその効果について検討されているが,MUPC(有効成分としてOMUを16.5%,BiPCを11.5%含む混合剤)もその1つで,これは非ホルモン型の移行性除草剤で含有される両成分のうちOMUは気温に左右されることが少ないが,BiPCは夏の高温時には揮発が多いためか除草効果が低減しやすく,夏作物よりも冬作物の除草剤として高い除草効果を示すといわれている。本場では1961年の夏からほ場試験で甘しょ,てん菜,麦,なたね等に対して供試し,'62年には更に乾田直まき水稲に対しても試験してその除草効果および作物の生育,収量におよぼす影響について検討したのでこれらの成績についてその概要を報告したい。
著者
宇田津,徹朗
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.58, 1991-12-20

吉野ケ里遺跡,桑田遺跡においてプラント・オパール分析による水田針探査および検出されたプラント・オパールの形状解析を行った結果以下のことが明かとなった。
著者
長谷川 利拡 高野 順也 崎原 健 三橋 民和 大嶋 和則 片野 学 仲里 長浩
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.60, pp.9-12, 1994

九州の主要良食味品種のミネアサヒ,ヒノヒカリ,ユメヒカリおよび沖縄の主要品種のチヨニシキの出芽期~二次枝便分化期までの発育特性を,堀江・中川の発育動態モデルを用いて解析した。データベースは,阿蘇と西表における作期移動試験である(n=13)。本モデルは,37~114日にわたる発育日数の変動を3,7~5,2日の精度で推定した。ミネアサヒとヒノヒカリの発育速度は気温に対してほぼ直線的な増加を示し,日長の影響は14時間以上においてのみ認められた。一方,チヨニシキおよびユメヒカリの発育速度は,気温に対して23℃あたりから頭打ちを示し,広い範囲の日長に反応することがわかった。
著者
舩場 貢 西村 勝久 泉 省吾 三好 祐二
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.60, pp.23-26, 1994

良食味品種の収穫適期と判定法について検討した。1.成熟期前5~7日の刈取では収量の低下は少なかった。2.刈取が早い場合は粒張不足により検査等級は低下した。刈取が遅い場合はうす茶米・乳白米に加えて,2次枝梗籾由来と考えられるその他未熟粒・奇形粒が増加し,その結果整粒歩合が低下し,検査等級は低下した。3.玄米重と検査等級から総合的にみて,収穫適期はコシヒカリでは-5日~成熟期までの6日闘,ヒノヒカリ・ユメヒカリでは-6日~+3日までの10日間であると判断した。4.上記の収穫適期の判定法として,出穂後の積算気温,籾水分および最長稈穂の稔実黄化籾割合を示した。
著者
中澤 芳則 松井 未来生
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.76, pp.22-24, 2010

8品種系統の大豆品種系統を供試し,凝固剤として塩化マグネシウム6水和物,硫酸カルシウムおよびグルコノデルタラクトンを用い,その濃度を変えて充填絹ごし豆腐を作成し,その最大破断応力のピークを品種系統の最大破断応力とし,タンパク質含量との関係を調査した.その結果,硫酸カルシウムおよびグルコノデルタラクトンで品種系統の最大破断応力とタンパク質含量に有意な相関が認められたが,塩化マグネシウム6水和物では有意な相関が認められなかった.また,栽培条件が同じであるが,タンパク質含量の異なる同一系統の子実を供試し,塩化マグネシウム6水和物の濃度を変えて充填絹ごし豆腐を製造し,その最大破断応力の変化を調査した.その結果,タンパク質含量の高い方の子実が低い方の子実より最大破断応力のピークが高く,また,最大破断応力のピークを示す塩化マグネシウム6水和物の濃度はタンパク質含量の低い方の子実で高かった.