著者
石田 千絵 河原 加代子 高石 純子 入江 慎治 杉本 正子
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.139-147, 2004-12-25

〔目的〕統合カリキュラム後の本学3年次生で実施されている地域看護実習(保健所・保健センター実習)の4年間の実態を検討し, 今後の教育活動に生かすことを目的とした。〔方法〕平成12年度から15年度の3年次生314名の実習記録物と平成14年度の3年次生75名の実習後レポートを分析対象とした。調査内容は, 1)実習経験の有無とその内容2)実習の学びについては, 実習目標の項目から質的に分析した。〔結果〕1) 4年間の実習形態の実態は, (1)教育的な働きかけをとり入れた「実施」経験の増加(2)「実施」できる事業内容の変化(3)家庭訪問の継続訪問の経験の減少2)実習内容では, (1)実習地域の健康問題と看護活動を関連付けて学べていること(2)継続看護・関係機関や他職種との連携は, 精神保健事業を通して多くの学生が学べていたことがわかった。今後さらに, 実習前の演習の工夫や実習施設との連携が重要である。
著者
吉村 茂和
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.122-125, 2000-09-25

東京都リハビリテーション病院の開院10周年記念事業として, 自宅退院した脳卒中, 脊髄損傷, 下肢切断, リウマチ, 頭部外傷の各患者, 計1, 564名から, 新たな病名の追加, 日常の過ごし方などを把握する目的で郵送方式によるアンケート調査を行った。その結果, 性別では男性がやや多い傾向, 病院などの施設入所者は5〜10%の範囲, 新たな病気の追加は24%に認められた。特に脳卒中患者では, 再発作・骨折・廃用が多かった。日中の過ごし方はテレビ鑑賞が82%で最も多く, 外出頻度は週に2〜3回以上が66%以上を占めていた。以上のことから, 日常の過ごし方としては, テレビ鑑賞を中心として, 家族との会話(話の相手が家族のみ?)などで過ごし, 週に2〜3日以上病院などへ通院, 散歩および買い物のため外出していることが伺えた。
著者
藤島 麻美 石川 ふみよ 矢作 直樹
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.275-280, 2004-03-25
被引用文献数
1

中性電解水は,強い殺菌力がある上に,pHが7に近いため口腔粘膜や人体への影響も少ないといわれているが,看護領域における口腔ケアでその有用性は確認されていない。そこで本研究は健康な成人を対象に,中性電解水とイソジンガーグル液を用いた口腔ケアにおいて,唾液のpH,正常細菌叢への影響を比較し,さらに中性電解水の使用感について聞き取り調査を行った。その結果,次のような結論を得た。1.中性電解水の使用による唾液のpHや正常細菌叢への影響は,イソジンガーグル液と同等であった。2. 病原微生物が検出された症例は数例のみであったため,消毒効果について明確にすることはできなかった。3. 味覚については個人差があるが,1週間の連用が7名中6名において継続されたことから,中性電解水は口腔ケアに使用することが可能であることが示唆された。