- 著者
-
辻裏 佳子
豊田 久美子
- 出版者
- 日本看護技術学会
- 雑誌
- 日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.2, pp.23-32, 2013-08-20 (Released:2016-07-08)
- 参考文献数
- 20
本研究は,森林映像の心身反応に関する基礎的検証を行うことを目的に,健康な20歳代24人 (男女各12人,平均年齢21.67±1.31歳) を対象に,森林映像とコントロール映像を用いた.実験は,映像視聴10分,前後に安静5分の合計20分とし,評価指標は,semantic differential technique (SD法),心拍変動,実験前後にVisual Analogue Scale (以下VAS) と気分プロフィール調査 (以下POMS) を用い,自記式質問紙にて森林映像から心地よく感じた内容の回答を得た.森林映像は,穏やかさと好感を得る一方で豊かでダイナミックな印象が得られ,VASから「快適な」「鎮静的な」「リフレッシュした」で得点が上昇し (p <0.001~0.01),POMSから「緊張-不安」の軽減が認められた (p <0.01).心拍変動から副交感神経活動の優位な反応が認められ,今後の活用として心地よく感じる場面の疎密や映像の余韻の活用をすることで快適性やリラックス効果を引き出せる可能性が示唆された.