著者
古川 晶子 森川 秋月 早川 峰司 澤村 淳 松田 直之 石川 岳彦 亀上 隆 丸藤 哲
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.219-222, 2005-07-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
16

横紋筋融解症は薬物中毒,外傷,電解質異常,神経筋疾患などさまざまな原因により惹起される。今回,我々は水中毒による希釈性低ナトリウム血症とその補正過程で横紋筋融解症を発症した症例を経験した。水中毒による横紋筋融解症の発症は少なく,今回の症例では,低ナトリウム血症とその補正に伴う急激な血清浸透圧上昇が相加的に作用して横紋筋融解症を来した可能性が示唆された。
著者
中島 裕司 安藤 克己 山岸 敏之
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.115-123, 2006-04-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
85
被引用文献数
1

ヒトの心臓形態形成は胞胚期(受精後2週)から始まり胚子期の終りに完成する(受精後7~8週)。拍動する原始心筒は3週の終り頃形成され,d-loop形成,心内膜床形成,中隔成分の形成とそれらの整列融合といった複雑な発生過程を経て,四腔を持った心臓が完成する。これらの形態形成過程の異常は先天性心疾患の原因となる。分子発生生物学,分子遺伝学の研究により,心臓形態形成過程をコントロールするさまざまな遺伝子が明らかにされ,先天性心疾患を伴うヒトのHolt-Oram症候群やdel22q11症候群の原因遺伝子は,それぞれTbx5,Tbx1の点突然変異であることが報告された。また成体の骨髄や心臓で心筋に分化転換可能な幹細胞が発見されたことにより,変性心筋による機能不全に対する心筋再生医療の可能性が示され,今後の臨床応用への展開が期待されている。
著者
福田 充宏 熊田 恵介 山根 一和 青木 光広 小濱 啓次 竹ノ内 陽子 市原 清志
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.29-33, 2002-01-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
8

脳障害患者427例を対象に来院時の3種の病態パラメータ(バイタルサイン,緊急血液検査値,年齢・性別)から多変量解析で生死の判別(生命予後の予測)を行い,それにどのパラメータが関連しているか,その判別度がAPACHE IIスコアやGCSに比べてどうか,緊急血液検査値がどの程度有用かについて検討した。その結果,全脳障害患者を対象とした場合は,GCS,血中の尿素窒素(BUN),カリウム(K),白血球数(WBC),動脈血ガス分析によるPaCO2,BEが生死の判別に有意に関連していた。また,3種のパラメータによる生死判別度が最も鋭敏であったが,緊急血液検査値のみでもAPACHE IIスコアやGCSと同程度の判別精度が得られた。脳血管障害患者を対象にした場合には,緊急血液検査値のみによる判別度がGCSより良好であり,頭部外傷患者を対象にした場合には,GCSによる生死の判別度が最も優れていた。各患者群の同一患者においては,ICU収容時と比べて第7ICU病日のデータを用いたほうが生死の判別度が良かった。これらの統計学的手法によって,脳血管障害患者群と頭部外傷患者群において,生死の予測に対するGCSや緊急血液検査値の寄与度が異なることが明らかとなった。
著者
上村 睦美 久保 元子 伊藤 恭子 阪東 健司 桑山 直人
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.385-388, 2002-10-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
5

集中治療室と一般病棟という2つの異なる職場環境における新卒,新任看護師を対象に,気分・感情の変化をprofile of mood states (POMS)を用いて経時的に調査,検討した。20~29歳の健康成人女性のPOMSの結果と比較すると,集中治療室勤務の新人看護師は,調査期間中,常に高い「緊張・不安」状態であった。これに対し,一般病棟勤務の新人看護師は調査期間中,健康成人女性に比べ,常に過度の「疲労」「混乱」を感じており,両者に差がみられた。当施設においては,一般病棟新人看護師のほうが,集中治療室看護師よりも疲労感が強く,怒りを表出できない抑うつ状態であり,精神的に疲弊した状態であることが明らかになった。
著者
小川 寛恭 横田 治 関 啓輔 小倉 真治 前川 信博
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.439-442, 2004-10-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

74歳女性。肺炎で加療中,全身に薬疹が出現し,これが急速に表皮剥離性病変となった。表皮剥離性病変は全体表面積の約70%に及び中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis, TEN)と診断された。第8病日に敗血症性ショックとなり,一時循環動態は安定したが,第13病日に再度敗血症性ショックとなり第20病日に死亡した。血液細菌培養検査・便細菌培養検査の結果から,敗血症の原因としてbacterial translocation (BT)が示唆された。TENは長期完全静脈栄養法や抗菌スペクトルが広い抗菌薬の投与が必要になる場合が多いことと,腸管粘膜障害を起こすことからBTを起こしやすい病態と考えられる。また,TENの致死的合併症のほとんどは敗血症であり,敗血症の原因の1つとしてBTが挙げられる。この敗血症を予防するためにselective decontamination of the digestive tractによる積極的予防策が必要であると思われた。
著者
嶋津 岳士
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.102-105, 2006-04-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
7
著者
又吉 康俊
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.188-190, 2005-07-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
14
著者
吉冨 郁 又吉 康俊 田村 尚 柴崎 誠一 内田 雅人 原西 保典 中村 久美子 岡 英男
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.217-221, 2004-07-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
11
被引用文献数
1 5

酢酸中毒の1例を経験した。患者は59歳の男性で,自殺目的で30%酢酸を約100ml経口摂取し,約30分後に当院救急部に搬送された。激しい腹痛と嘔吐があり,著明な溶血尿が認められた。無尿,呼吸困難,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation, DIC),ショックとなったため,翌日ICUに入室となった。入室後,人工呼吸と持続血液濾過透析(continuous hemodiafiltration, CHDF)を開始し,DICに対する治療を行った。上部消化管内視鏡検査では,腐食性胃食道炎が認められた。1ヵ月間のCHDFの後,腎機能は徐々に回復し,人工呼吸も2ヵ月で離脱できたが,遷延する難治性の下血に対し,約3ヵ月の集中治療を要した。酢酸中毒では局所組織障害だけでなく,溶血,DIC,腎機能障害,肝機能障害,ショック,多臓器不全などが起こるため,急性期の適切な治療が重要である。