著者
味松 康行 横田 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.11, pp.17-24, 1996-01-24

我々は高信頼並列ディスクシステムを構成するためにDR?netを提案してきた。DR?netを用いて並列情報サーバを実現しようとしたとき、DR?net上にファイルシステムを構築する必要がある。DR?netには複数の外部インタフェースがあるため、複数のアクセス要求が並列に出されてもファイルシステムの整合性が失われないようにすることが重要である。また、多数のディスクを均等に使用するために、各ディスクの使用量を均等化する何らかの機構が備わっていることが望ましい。本稿では、ファイルシステムを構成する2つの制御方式について評価を行なう。実験機を用いた評価実験により、それぞれの方式におけるファイルアクセス要求のレスポンスタイムおよびディスク使用量のばらつきを計測する。実験結果は、並列制御方式が集中制御方式よりも短いレスポンスタイムを示すこと、またファイルサイズが大きい場合には、各ディスクの使用量が均等化されることなどを示している。We have proposed DR-nets, Data-Reconstruction networks, to construct highly reliable parallel disk systems. When we use DR-nets for a parallel information server, we must provide a file system on DR-nets. DR-nets have a number of interface nodes, so the file system of DR-nets must care to keep consistency of information of files and disks, even if a number of requests come in parallel. Furthermore, the file system should take care to keep the balance of the number of used blocks within all disks. We evaluate two file system configurations using a DR-net prototype. The results indicate that the distributed configuration has quicker response time than centralized one, and it keeps balanced number of used blocks within all disks when file size becomes large.
著者
近藤 直樹 羅 敏 渡辺 陽介 横田 治夫
雑誌
研究報告 データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.15, pp.1-8, 2011-07-26

データが爆発的に増加し、データを複数の計算機で管理するようになってきている。分散されたデータへのアクセスを効率化するためにインデックスを用いるが、インデックスを集中管理すると負荷が増大する。そこで分散インデックスという手法が提案されている。また、データアクセスにおいては属性値の範囲内に入るデータを検索する範囲問合せというデータアクセスがよく行われ、複数の計算機にデータが分散されても効率よく検索できることが要求されている。そのような範囲問合せ可能な分散インデックスが新たに提案されている。しかし、それらの分散インデックスはまだ十分には比較はされていない。本研究では、同じ環境で範囲問合せ可能な分散インデックス手法を比較することを目的とする。本稿では、範囲問合せ可能な分散インデックスである Fat-Btree、P-tree と SkipGraph を比較する。Due to explosive increasing of data, data is managed with multiple machines. Index is used to access to distributed data efficiently. But, centralized index often becomes a bottle neck in distributed systems. Whereat distributed indexing is widely used. And, we also need efficient range query processing on distributed data in multiple machines. There are some proposals, which can process range query efficiently. But, there is no enough comparison between these proposals. In this paper, we compare to the methods, which can do range query, on same environment. This paper covers Fat-Btree, P-tree and SkipGraph.
著者
小林 隆志 村木 太一 直井 聡 横田 治夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.715-726, 2005-03-01
被引用文献数
9

我々はこれまでに, 講義や研究発表などで使用されるプレゼンテーションの資料と動画をメタデータによって統合し蓄積する手法と, その統合されたデータの特性にあった適合度指標を利用した検索手法であるUPRISE (Unified Presentation Slide Retrieval by Impression Search Engine)を提案してきた.本論文では, UPRISEを適用した蓄積検索システムを実現するために, 多様なコンテンツを格納し検索できるメタデータ定義とその抽出方法を議論し, UPRISEを用いた統合コンテンツの蓄積検索の実現方法に関して議論する.また実際に蓄積検索システムのプロトタイプを作成することでその有効性を確かめる.
著者
早川 崇 片岡 俊一 宮腰 淳一 佐藤 俊明 横田 治彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.75, no.650, pp.723-730, 2010-04-30 (Released:2010-06-14)
参考文献数
25

We estimated the fault of the 1924 Tanzawa earthquake (Mj7.3), which was the largest aftershock of the 1923 Kanto earthquake (Ms8.2). We could successfully reproduce the observed waveforms in central of Tokyo based on the estimated fault model. This is very important to investigate the characteristics of ground motions by M7 events occurring in the Tokyo Metropolitan area because we only have a few observed waveforms of such events in central Tokyo. Finally, we calculated ground motions around Tokyo metropolitan area by the estimated fault model. The simulated ground motions do not exceed the design spectra around the area but in west of Kanagawa Pref.
著者
早川 崇 片岡 俊一 宮腰 淳一 佐藤 俊明 横田 治彦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
no.650, 2010-04

We estimated the fault of the 1924 Tanzawa earthquake (<i>M</i>j7.3), which was the largest aftershock of the 1923 Kanto earthquake (<i>M</i>s8.2). We could successfully reproduce the observed waveforms in central of Tokyo based on the estimated fault model. This is very important to investigate the characteristics of ground motions by M7 events occurring in the Tokyo Metropolitan area because we only have a few observed waveforms of such events in central Tokyo. Finally, we calculated ground motions around Tokyo metropolitan area by the estimated fault model. The simulated ground motions do not exceed the design spectra around the area but in west of Kanagawa Pref.
著者
Nicolle Comafay 中村 千佳子 横田 治郎 立木 茂雄
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.127-134, 2009

<p>This paper utilizes data from Hyogo Ward in Kobe City to implement the person-in-environment model of vulnerability. 612 persons with physical disability were surveyed regarding their personal information, disability and level of care needed, degree of social isolation, housing condition and special needs for mobility/daily living. The results were quantified and scores from the 5 variables were combined to calculate the overall degree of gathered were combined to calculate the overall degree of special needs. From this a multi-hazard mapping of social vulnerability was conducted to visualize the geographic distribution of PSND's. As a result, we were able to identify persons with high degree of special needs in times of disaster.<b> </b></p>
著者
小川 寛恭 横田 治 関 啓輔 小倉 真治 前川 信博
出版者
日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.439-442, 2004-10-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10

74歳女性。肺炎で加療中,全身に薬疹が出現し,これが急速に表皮剥離性病変となった。表皮剥離性病変は全体表面積の約70%に及び中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis, TEN)と診断された。第8病日に敗血症性ショックとなり,一時循環動態は安定したが,第13病日に再度敗血症性ショックとなり第20病日に死亡した。血液細菌培養検査・便細菌培養検査の結果から,敗血症の原因としてbacterial translocation (BT)が示唆された。TENは長期完全静脈栄養法や抗菌スペクトルが広い抗菌薬の投与が必要になる場合が多いことと,腸管粘膜障害を起こすことからBTを起こしやすい病態と考えられる。また,TENの致死的合併症のほとんどは敗血症であり,敗血症の原因の1つとしてBTが挙げられる。この敗血症を予防するためにselective decontamination of the digestive tractによる積極的予防策が必要であると思われた。
著者
田中 貞二 横田 治彦 岩田 孝行
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.283-285, 1988-06-25 (Released:2010-03-11)
参考文献数
5
被引用文献数
3
著者
横田 治夫 北上 始 服部 彰
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.1-9, 1990-10-15

本稿では 知識ベース処理の1つとして 項関係上での単一化検索(RBU : Retrieval by Unincation)演算の繰り返しによりホーン節推論を行うアルゴリズムを示し その理論的な定式化を行う.項関係とは 関係データベースにおける関係(テーブル)の格納対象を 述語論理で用いられる項に拡張したものである.またRBU演算とは 項を取り扱うために関係代数演算の比較処理に単一化を導入し 条件と単一化可能な要素を項関係から検索する演算である.ホーン節を二進木表現にして項関係に格納し RBU演算を繰り返すことにより 後ろ向きおよび前向きの推論が可能であることを示す.ホーン節に対する後ろ向き推論の演繹方法としては Prolog等で採用されている節中の最左端負リテラルを選択するSLD演繹を対象とし RBU演算を使ってSLD演繹を実現するアルゴリズムを示す.一方 前向き推論としては SLD演繹と同様の選択関数を用いるようにした単位演繹であるSUD演繹を提案し RBU演繹による実現アルゴリズムを提案する.最左端の負リテラルを選択するSLD演繹およびSUD演繹は 探索規則が均等であれば 健全であり完全である.対象とするホーン節の集合が充足不能の場合には 提案したアルゴリズムは それぞれ反駁を求めて停止する.
著者
小林 大 山口 宗慶 花井 知広 渡邊 明嗣 田口 亮 林 直人 上原 年博 横田 治夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.355, pp.39-44, 2003-10-01
被引用文献数
1

データの格納や提供といったサービスは今やIT基盤の中核であり,例えバグフィックスや機能向上のためのソフトウェア更新であっても,そのためにサービスを中断することは許容され難い,高可用なデータ格納・提供のためのアプローチの一つとして我々は自律ディスクを提案しているが,自律ディスクにおいてもサービスを停止すること無くシステム構成ソフトウェアの更新を行えることが肝要である.本稿では自律ディスクに対して高可用なシステム更新手法を提案する.提案手法では物理ノード内に複数の仮想ノードを構成し,仮想ノード間での論理的なデータ移動を用いることで無停止かつ僅かな性能低下でシステム更新を行うことが可能である.また本手法について実装し実験を行った結果を用いてその有効性を示す.
著者
吉原 朋宏 渡邊 明嗣 小林 大 田口 亮 上原 年博 横田 治夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.171, pp.185-190, 2005-07-06

我々が提案している並列Btree構造向けの並行性制御手法MARK-OPTが, アクセスパターンが各PE(Processing Element)で均一である環境において有効であることを示してきた.本稿では, アクセスパターンの偏りがある環境における従来手法との比較実験から, アクセス偏りによるMARK-OPTへの影響を考察し, MARK-OPTがアクセス偏りがある環境においても有効であることを示す.また, そのアクセス偏り除去のための有効な手段であるデータマイグレーションの並行性制御にMARK-OPTを用い, データマイグレーションが発生する頻度を変化させた場合の実験から, データマイグレーションによるMARK-OPTへの影響を考察し, MARK-OPTがデータマイグレーションの並行性制御として有効であることを示す.
著者
山元 理絵 小林 大 吉原 朋宏 小林 隆志 横田 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.38-48, 2007-06-15
被引用文献数
6

近年,Webサイトによる情報発信の重要性から,ユーザのニーズに適したサイト構築や情報提供の要求が高まってきている.WebアクセスログをWebページ推薦に用いる方法は,クライアント側に手を加える必要がなく有用であるが,これまで提案されている手法では,頻出アクセスパターンとわずかでも外れると適切な推薦ができない,あるいは順序を考慮できないといった問題点があった.我々は,それらの問題を解決するために,WebアクセスログからLCS(Longest Common Subsequences)を抽出してページ推薦に利用する手法であるWRAPLを提案している.本稿では,実際のWebアクセスログを用いた実験を通してWRAPLの効果を詳細に解析し,その実験結果から得られた知見を基に優先順位付け手法に対して改良を行い,その有効性を示す.Sophisticated websites satisfying users' requirement becomes much more important to propagate information via websites, nowadays. Web page recommendation methods using web access logs are useful for them because they need no modification in client-side applications to meet the requirement. However, traditional methods have problems of insufficient recommendation precision caused by strict matching of access patterns or neglect of access sequences. To solve the problems, we are proposing WRAPL as a method of extracting LCSs (Longest Common Subsequences) from web access logs and using them to recommend web pages for an active session. In this paper, we analyze the effects of WRAPL using actual web access logs and propose an enhanced weighting method for it to improve the precision based on the analyses.
著者
宮崎 純 横田 治夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.461-462, 1997-09-24
被引用文献数
1

我々は, 並列論理型言語KLICによるアクティブデータベースシステムのプロトタイプParadeを提案している。 KLICの論理変数によるプロセス間のメッセージ通信は, 無共有並列計算機上でデータベース処理を実現する際に非常に適合性が良い。これまでの研究により, データベース処理をKLICのプロセス間のメッセージ通信を利用することにより実現し, 汎用ワークステーションならびに超並列計算機nCUBE2上で動作させ, その記述能力と移植性の高さを実証してきた。しかしながら, データベース処理において非常に大きな鍵を握る二次記憶およびPE間のデータ転送などのI/O処理が, システムの性能のボトルネックとなっていることが分かってきた。これは, KLIC標準のI/Oが性能を重視して設計されたものではないことに起因する。本稿では, KLICによる並列データベース処理を実用的な速度で動作させるために, KLICのジェネリックオブジェクトを用いて低レベルのI/O性能の向上を目指し, その初期評価を並列計算機nCUBE2を用いて行なった。