著者
井藤 元 Gen Ito
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.2, pp.89-97, 2017-07-15

本論考は、教員志望学生を対象とした教育プログラム(教師を目指す人のための「笑育」特別講座―アクティブラーニングの担い手となるために―)の設計意図を示し、その意義を考察するものである。本プログラムは、漫才づくりをつうじて受講者の発想力、コミュニケーション力、論理的思考力、プレゼンテーション力を育成することを目指した「笑育」という教育プログラムの1バリエーションであが、教職履修者を対象として実施された「笑育」では特に、アクティブラーニングに対応可能な教員の育成に特化して授業を実施した。
著者
川村 康文 YASUFUMI KAWAMURA
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.1, pp.101-110, 2017-03-31

これまでから、理科授業においては、理科実験の重要性が指摘されてきた1)。今後は、さらに、観察や実験から得られた結果を活用する能力の育成がめざされている。しかし、これまで、理科授業においては、十分な実験は行われない傾向もみられ、プリントへの書き込みや、インターネットで動画をみて、実験をしたことに代えている授業なども行われているのが現実である。アクティブラーニングが要求されると、授業改善も行われるが、その一方で、別の問題も表出した。それは、生徒たちは実験をしないで、他者の実験データをもとに班討議などを行い、アクティブラーニングを実践したことにしている授業である。そのようになる原因は、ひとえに、生徒を授業にひきつける理科実験の事例を、指導者側が知らないことにあると考える。このことを改善できるような理科教員の養成のあり方やメソッドを構築する必要がある。これまでに実施してきた大学での理科教員養成関係の授業実践の事例を踏まえて、そのことを実現するための授業メソッドとしての川村メソッドを提案する。川村メソッドとは、受講学生が能動的な学習を行う授業メソッドで、模擬授業を学生グループが協働的に先生役として行い、その後、そのパフォーマンスについてディスカッションを行い、次のグループあるいは、自分たちのグループに生かし、PDCA サイクルを自覚的に体験しながら学ぶという特徴をもち、理科授業の指導や理科の実験指導の自信を向上させるといった効用が確認されている。
著者
井藤 元 山下 恭平 徳永 英司 GEN ITO Kyohei Yamashita Eiji Tokunaga
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.4, pp.31-40, 2019-03-29

本研究はシュタイナー教育の意義を科学的アプローチによって明らかにすることを目指すものである。具体的には本論考において、シュタイナー教育独自の実践である「フォルメン線描(Formenzeichnen)」の意義を線描実践者の脳波測定によって明らかにしてゆくが、ここでは問題を絞りこみ、画用紙上で行った場合とデジタルペンタブレット上で行った場合の脳波の違いを検討する。シュタイナー学校におけるフォルメン線描は通常、画用紙上で行われるものであるが、それをデジタルペンタブレットで行った場合、実践者の脳波がいかなる状態にあるか分析を試みた。