著者
田中 均 柏木 信一郎 HITOSHI TANAKA Shinichiro KASHIWAGI
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育研究センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.6, pp.83-91, 2021-03-19

平成30 年告示の高等学校学習指導要領に沿って文部科学省が通知した、30 文科初第1845 号「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」・平成31 年3 月29 日(以降、「指導要録改善通知」)により、令和4 年度(2022 年度)入学生から順次、高等学校の生徒指導要録に各教科の観点別学習状況の評価(いわゆる観点別評価)が記載されることとなった。さらに、令和7 年度(2025 年度)大学入学者選抜から、調査書に、評定だけでなく、観点別評価が記載されることになった。これまで、高等学校における観点別評価については、設置者により取組みに温度差があったが、全国一斉の取組みとなり、高等学校現場においてもようやく観点別評価の研究が進むと思われる。神奈川県立高校においては、平成18 年度から観点別評価を導入、実施してきたが、その経緯を踏まえて実施上の課題と今後の活用について論じたい。
著者
井藤 元 Gen Ito
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.2, pp.89-97, 2017-07-15

本論考は、教員志望学生を対象とした教育プログラム(教師を目指す人のための「笑育」特別講座―アクティブラーニングの担い手となるために―)の設計意図を示し、その意義を考察するものである。本プログラムは、漫才づくりをつうじて受講者の発想力、コミュニケーション力、論理的思考力、プレゼンテーション力を育成することを目指した「笑育」という教育プログラムの1バリエーションであが、教職履修者を対象として実施された「笑育」では特に、アクティブラーニングに対応可能な教員の育成に特化して授業を実施した。
著者
川村 康文 YASUFUMI KAWAMURA
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.1, pp.101-110, 2017-03-31

これまでから、理科授業においては、理科実験の重要性が指摘されてきた1)。今後は、さらに、観察や実験から得られた結果を活用する能力の育成がめざされている。しかし、これまで、理科授業においては、十分な実験は行われない傾向もみられ、プリントへの書き込みや、インターネットで動画をみて、実験をしたことに代えている授業なども行われているのが現実である。アクティブラーニングが要求されると、授業改善も行われるが、その一方で、別の問題も表出した。それは、生徒たちは実験をしないで、他者の実験データをもとに班討議などを行い、アクティブラーニングを実践したことにしている授業である。そのようになる原因は、ひとえに、生徒を授業にひきつける理科実験の事例を、指導者側が知らないことにあると考える。このことを改善できるような理科教員の養成のあり方やメソッドを構築する必要がある。これまでに実施してきた大学での理科教員養成関係の授業実践の事例を踏まえて、そのことを実現するための授業メソッドとしての川村メソッドを提案する。川村メソッドとは、受講学生が能動的な学習を行う授業メソッドで、模擬授業を学生グループが協働的に先生役として行い、その後、そのパフォーマンスについてディスカッションを行い、次のグループあるいは、自分たちのグループに生かし、PDCA サイクルを自覚的に体験しながら学ぶという特徴をもち、理科授業の指導や理科の実験指導の自信を向上させるといった効用が確認されている。
著者
井藤 元 山下 恭平 徳永 英司 GEN ITO Kyohei Yamashita Eiji Tokunaga
出版者
東京理科大学教育支援機構教職教育センター
雑誌
東京理科大学教職教育研究 (ISSN:24327565)
巻号頁・発行日
no.4, pp.31-40, 2019-03-29

本研究はシュタイナー教育の意義を科学的アプローチによって明らかにすることを目指すものである。具体的には本論考において、シュタイナー教育独自の実践である「フォルメン線描(Formenzeichnen)」の意義を線描実践者の脳波測定によって明らかにしてゆくが、ここでは問題を絞りこみ、画用紙上で行った場合とデジタルペンタブレット上で行った場合の脳波の違いを検討する。シュタイナー学校におけるフォルメン線描は通常、画用紙上で行われるものであるが、それをデジタルペンタブレットで行った場合、実践者の脳波がいかなる状態にあるか分析を試みた。