著者
相澤 一美 山崎 朝子 野呂 忠司 望月 正道 細川 博文 河内山 晶子 杉森 直樹 飯野 厚 清水 真紀 藤井 哲郎 磯 達夫
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

テキストのカバー率を95%にするための語彙レベルと,読解テストで十分な得点を取るための語彙サイズの間にはギャップがあることが明らかになった。例えば,大学入試センター試験の読解問題で,約3000語を学習することになっており,テキストも3000語の語彙知識があれば,95%をほぼカバーできるが,実際に理解度を試す問題に正答するには,5000語の語彙知識が必要であった。同様に,アカデミックテキストは,約5000語でほぼ95%をカバーできるが,十分な得点を取るためには,6500語が必要なことがわかった。
著者
登坂 宣好 今川 憲英 遠藤 龍司
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

構造物の特性を非破壊的に把握することは, 昨今の耐震偽装問題を防ぐことのみならず, 大地震後の建築物の安全性を確認する意味において重要なテーマである. 本研究では限られた計測データを有効に活用することで高精度の同定解析を可能とするフィルタ理論(可変パラメトリック射影フィルタ)を構成した. その理論に基づき計算力学の立場からフィルタリングシステムを構成し, フレーム構造等に適用し, 有効性を検証した. 今後は, 構築したフィルタリングシステムを用いた利便性の向上と実用化を図りたい.
著者
河井 宏允
出版者
東京電機大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

300m以上の高さを持つ超高層建築物では,風荷重がその構造設計にとって支配的な荷重となる。このような超高層建築物では,従来の建築物では問題とはならなかった渦励振やギャロッピング,フラッターなどの空力不安定振動が生じ,振動振幅が急増し建築物が崩壊する恐れがある。本研究では,超高層建築物に対するこれらの空力不安定振動の発現の条件,発現の防止方法を風洞実験を主体として検討した。検討の結果,以下のことが判明した。(1)奥行きの短い断面の建築物では,都市内のような乱れた剪断気流中でも,渦励振が生じ,場合によっては,建築物が破壊される恐れがある。(2)渦励振が生じる風向は,風が面に直角に当たる所謂風向0°から高々15°程度の範囲であり,風が斜めから当たる場合には,激しい渦励振は生じない。(3)曲げ振動はねじり振動の影響は殆ど受けないが,ねじり振動は曲げ振動の影響を大きく受ける。両者の固有振動数比が1に近い場合,振動エネルギーが相互に移動し,ねじりフラッターは却っておきにくくなる。固有振動数が離れている場合には,ねじりフラッターは曲げ振動の影響を受けず,低い風速から発振する。(4)建物の角面を取ったり,丸めたり,或いは欠くとった変更は,渦励振などの空力不安定振動に極めて有効である。また,角付近に非常に小さなルーバーなどの突起物を付けることも振動防止に有効である。角の変更は,角が欠く方法が最も有効であり,その場合欠く部分は幅の1/20以下の方が良い。これは従来の実験で確かめられているものよりずっと小さく,わずかな設計変更により,渦励振を防止できる可能性を示している。
著者
松井 邦人 MAINA James W.
出版者
東京電機大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

現在,舗装のマネージメントシステムの中で,火急の課題として舗装の理論設計システムの構築に関心が集まっている.土木学会舗装工学委員会から,理論設計に必要な舗装構造解析ソフト(GAMES)を公開し,舗装技術者が広く利用できるようにしてほしいとの依頼があり,2003年9月に土木学会舗装工学ライブラリー3として出版の準備をすることが決まった.2005年2月に脱稿し,現在印刷中である.GAMESの基本ソフトウエアは,研究代表者の研究室で開発しており,車両の自重を考慮した鉛直方向の分布荷重と,水平方向の制動荷重を考慮できる.研究分担者は本ソフトウエアで用いられている理論をすっきりした形に再構築し,計算効率化と計算精度の向上を図り,さらにユーザが利用しやすいようにウインドウズ化を行い,本ソフトウエアの開発に多大なる貢献を果たした.本ソフトウエアの精度については,同様の機能を持ち世界的にも評価の高いシェル石油開発のBISARとの比較も行っており,GAMESの方が優れていることを確認している.すでに本ソフトウエアは,現在進行中の羽田空港拡張工事と関西空港拡張工事の設計で利用され,超大型ジェット機の設計にも十分に対応できることを確認され,実務にも役立つことが実証されている.さらに研究としては,舗装表面に作用するより複雑な荷重形態(ねじり荷重やモーメント荷重)に対する解析も行うことができる理論を構築,論文にも投稿している.また,舗装マネージメントで必要な舗装構造評価についても,従来の理論に改良を加え新しいDBALMを開発し,初期値の影響を評価した.このソフトウエアでは動的FEMを用いているが,現在波動理論を解析的に解く方向で作業中であり,理論構築は終了しコード化が最終段階にある.
著者
桧垣 博章
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

移動無線ノードが疎に分布する無線ネットワークでは, エンドエンドの接続を維持した無線マルチホップ通信を行なうことは困難である. しかし, 車載コンピュータを無線ノードとする ITS ネットワーク等の多くのアプリケーション環境では, ノード密度が必ずしも高くないこと, ノード分布が経時変化する場合には偏在することがしばしばであることから, 耐遅延ネットワーク(DTN)通信手法の導入が必要となる. しかし, 各中継移動無線ノードが隣接ノードを持つ機会が少ないために全域的な状況把握は困難であり, 適切なルーティングの実現が求められる. 本研究課題では, 各無線ノードの変更可能な移動計画を隣接無線ノード間で局所的に交換することによる広告手法の導入による高性能 DTN 通信を実現した. また, これを活用した ITS 支援, 広域被災地における安否情報交換, 快適な歩行支援といったアプリケーションへの応用を行なった.
著者
汐月 哲
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

双方向遠隔操作時における人間の通信遅延に対する適応能力を評価できるシステムとその評価手法を確立することを目的として実験的研究を行なった。特に、テレビ会議システムと連動できる実験装置を構築し、視覚と力触覚の混在する状況での通信遅延に対する人間の適応能力に着目した。ひとつの知見として、PID制御器モデルのパラメータの変化として遅延適応能力を評価できる可能性が確認された。