著者
天野 翔太 酒井 治己
出版者
水産大学校
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.17-32, 2014 (Released:2018-07-18)
著者
近藤 昌和 安本 信哉 秋吉 佑樹 高橋 幸則
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.87-101, 2013-02

魚類の好中球顆粒の種類は,多様であることが報告されている。著者らは前報において,ブリSeriola quinqueradiataの好中球の形態学的および細胞化学的特徴を調べ,ブリの好中球には好酸性(好エオシン性)顆粒(α顆粒),難染性顆粒(β顆粒)および好塩基性顆粒(γ顆粒)の3種類の顆粒が存在することを明らかにした。また,ブリのα顆粒は酸性条件下のMay-Grünwald(MG)染色によって橙色を呈するが,Giemsa染色では染まらず,MG-Giemsa(MGG)染色では染色性が低下すること,β顆粒にはアルカリ性フォスファターゼ(AlP)とペルオキシダーゼ(PO)が,γ顆粒にはα-ナフチルアセテートエステラーゼ(α-NAE)が検出されることを報告した。本研究では,魚類における好中球顆粒の多様性を明らかにするために,ブリと同様にアジ科に属し,水産増養殖対象となっているマアジTrachurus japonicus,カンパチS.dumeriliおよびヒラマサS.lalandiの好中球の形態学的および細胞化学的特性を明らかにし,これまでに報告した各種魚類と比較した。
著者
浜野 龍夫 柳井 芳水 山名 裕介
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.143-163, 2009-02

瀬戸内海西部の干潟に2006年5月27日に、逆さ竹林礁を設置し、その生物増殖効果を実証するために実験を行った。2006年8月、9月、11月、2007年1月、4月、5月の大潮時に竹林礁に来遊する生物のモニタリングを水中ケーブルカメラを用いて行った。その結果、魚類19科22種、頭足類2科2種、合計5,640個体が確認され、竹枝に付着する生物、表在する生物、竹枝の間に浮遊する生物、を頻繁に摂餌する様子が見られた。また、2006年5月から2007年4月まで、大潮満潮時に潜水調査を行い、魚類23科26種、貝類2科2種、甲殻類2科2種、頭足類3科4種、合計3,731個体が確認された。2006年6月にはカミナリイカの卵が竹枝下部に産み付けられていた。この干潟には、2006年までマナマコは全く確認されなかった。2007年3月からマナマコが見られ始め、5月には457個体(95%区間推定1,763〜2,560個体)のマナマコ(平均標準体長は青型59.3mm、黒型57.5mm)が分布していた。以上のことから、この礁は生物の増殖に効果があると判断した。
著者
近藤 昌和 林 裕之 高橋 幸則
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.163-171, 2011-02

本研究では、 魚類における好中球顆粒の多様性を明らかにするために、 ボラ目ボラ科に属するボラ(ボラ属)の好中球の形態学的特徴を明らかにし、 これまでに報告した各種魚類と比較した。また、 MRSVを好中球以外の白血球にも適用し、 それらの形態学的特徴について明らかにしたのでここに報告する。
著者
近藤 昌和 高橋 幸則 友永 進
出版者
水産大学校
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.31-36, 2002 (Released:2011-03-05)
著者
今井 千文 酒井 治己 新井 崇臣
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.137-141, 2008-12

新潟、山形および秋田県の日本海流入河川にのみ生息するコイ科の希少種ウケクチウグイについて、隆海回遊の有無を確認する目的で、最上川下流域で採集された若齢魚を含む10個体および上流域産の産卵個体群6個体の耳石(礫石)のSr:Ca比を解析、比較した。全16個体のSr:Ca比は耳石核から縁辺まで低い値で安定していて、降海回遊の兆候は認められなかった。ウケクチウグイの保全策は、本種が降海しないことを前提に策定するべきである。
著者
今井 千文 酒井 治己 新井 崇臣
出版者
水産大学校
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.137-141, 2008 (Released:2011-07-26)

新潟、山形および秋田県の日本海流入河川にのみ生息するコイ科の希少種ウケクチウグイについて、隆海回遊の有無を確認する目的で、最上川下流域で採集された若齢魚を含む10個体および上流域産の産卵個体群6個体の耳石(礫石)のSr:Ca比を解析、比較した。全16個体のSr:Ca比は耳石核から縁辺まで低い値で安定していて、降海回遊の兆候は認められなかった。ウケクチウグイの保全策は、本種が降海しないことを前提に策定するべきである。
著者
青木 邦匡 楫取 和明
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.253-256, 2011-03

本小論の目的は、生態系を構成するパーツの関係を明示する生態系モデリングの方法ではなく、一般の非線形な関係が支配していると思われる現象に汎用的に用いられるサポートベクトルマシン(SVM)というモデリング手法を海況データとノリ生産の関係に適用してみることである。
著者
村瀬 昇
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.131-212, 2001-03
被引用文献数
9

褐藻綱ホンダワラ科に属するノコギリモクSargassum macrocarpumは多年生の大型海藻で、付着器、茎、主技、気胞、生殖器床など高度に分化した体制をとる。本種は気胞により海中で直立し、沿岸域ではガラモ場と呼ばれる濃密な群落を形成し、漁業生産を支えるとともに、沿岸域の主要な一次生産者として重要な役割を果たしている。本研究ではノコギリモクの生物学的特性を生産生態学の見地から解明することを目的として行なった。山口県深川湾の水深8mの本種群落を対象に、群落の構造と機能の面に着目し、次の項目について調査研究を実施した。1)群落内での個体識別、刈り取り、室内培養、培養藻体の群落ヘの移植による、生殖細胞である幼胚から大型藻体に至るまでの生育段階ごとの生長過程や成熟の把握、2)現存量、個体密度、生産構造、年齢構造、分散構造の季節的および経年的な解析、および群落更新の解明、3)幼体の光合成測定からの日補償光強度の推定と生育場所での実測による生育限界光強度の解析、4)現存量法による群落の生産力の実測と群落光合成理論に基づく生産力モデルの作成。 ノコギリモクの幼胚は成熟盛期の6月に雌の生殖器床上で認められた。幼胚が着床し、4~6ヶ月後の10~12月に葉長2~5mmで肉眼視できる発芽体に生長した。その後の幼体の生長は非常に遅く、約1年経過しても全長10cm以下のままであることを培養と群落内の観察から明らかにした。その後、幼体は水温低下期に伸長し始め、1年半後の12月には全長約15cmの小型藻体へと生長した。約2年後の7月には全長約50cmにまで伸長した藻体で生殖器床の形成が認められた。しかし、大部分の藻体で生殖器床が観察されず、全長約10~26cmの小型藻体のままであった。その後、これらの藻体は主技が著しく伸長した。したがって、生殖器床の形成には、2年以上要することがわかった。また、生殖器床の形成は、付着器に形成される生長輪数が3輪以上の大型藻体で認められた。大型藻体では、前年に伸長し生殖器床を付けた主技が8月までにすべて枯死脱落したが、越年する茎からはすでに新しい主技が萌出していた。これらの主技は秋季から冬季に伸長し、3~6月に生殖器床を形成した。大型藻体の主技の萌出、伸長、成熟、脱落には約1年を要し、大型藻体が群落の維持に大きく関与していることが示された。 年齢形質については、付着器内部の生長輪が年輪であることを確かめ、この年輪と相関関係が高く、群落内で容易に測定できる部位として、茎径が最も有効であることを明らかにした。識別藻体の茎径からの推定年齢と刈り取り藻体の生長輪数は、最大値がともに9齢であったことから、本種の最大寿命は9年以上あると考えられる。また、6年間にわたる群落構造の経年変化の解析により、ノコギリモク群落はギャップ更新し、ギャップ相、建設相、成熟相に分けることができ、その更新周期は4~5年であることを初めて明らかにした。 群落の後継群である幼体の生育限界光強度については、推定された日補償光強度は海面の光強度に対して約1.3%となり、幼体が生育する群落床部での実測値とほぼ一致した。幼体の消長は、大型藻体の密度や主技の季節変化に起因する光環境の変化に強く支配されていると考えられる。 現存量法によるノコギリモク群落の年間純生産量は約1.6kg d.wt.m-2year-1であり、この値は年間の最大現存量の約1.4倍であった。また、1日の純生産量は2~3月にかけて約7g d.wt.m-2day-1で年間の最大値を示し、陸上植物やその他の海藻群落とほぼ同じ水準であった。この高い生産量は、ノコギリモクが沿岸域の主要な一次生産者であることを量的に証明している。 ノコギリモク群落の生産力モデルは、上部および下部の葉の光合成-光関係、海水および葉群の吸光係数、日射量の日変化をパラメーターとして作成することができた。このモデルから推定した日純生産量と現存量法による実測値とはほぼ一致し、本モデルの有効性が確かめられた。また、海水の吸光係数の値が高い、すなわち汚濁などが進んだ海域ほど、浅所よりも深所に成立する群落において純生産量が急速に低下することが示唆された。 本研究の結果から、ノコギリモク群落は多年生としての生長様式を反映させて構成され、ギャップ更新と高い生産力により長年にわたり安定して維持されていることが明らかになった。また、本研究の方法とその成果は、水産あるいは環境保全などの分野、特に藻場造成において基礎的知見をもたらすとともに、陸上植物群落に比べかなり遅れている海藻群落の生産生態学的研究の発展に寄与できると考えられる。