著者
〓 錦華 大山 恭弘 小林 裕之 忻 欣
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.797-802, 2005-10-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

This paper presents a new method of improving the disturbance rejection performance of a servo system by estimating an equivalent input disturbance. First, the concept of equivalent input disturbance is defined. Next, the configuration of an improved servo system employing the new disturbance estimation method is described. Then, a method of designing a control law employing the disturbance estimate is explained. Finally, the positioning control of a two-finger robot hand is used to demonstrate the validity of the method.
著者
平澤 由平 鈴木 正司 伊丹 儀友 大平 整爾 水野 紹夫 米良 健太郎 芳賀 良春 河合 弘進 真下 啓一 小原 功裕 黒澤 範夫 中本 安 沼澤 和夫 古橋 三義 丸山 行孝 三木 隆治 小池 茂文 勢納 八郎 川原 弘久 小林 裕之 小野 利彦 奥野 仙二 金 昌雄 宮崎 良一 雑賀 保至 本宮 善恢 谷合 一陽 碓井 公治 重本 憲一郎 水口 隆 川島 周 湯浅 健司 大田 和道 佐藤 隆 福成 健一 木村 祐三 高橋 尚 由宇 宏貴
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1265-1272, 2003-07-28
被引用文献数
2 12 4

遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤 (rHuEPO) が6か月以上継続投与されている慢性維持血液透析患者 (血液透析導入後6か月以上経過例) 2,654例を対象に, 維持Ht値と生命予後との関係をretrospectiveに調査, 検討した. Cox回帰分析による1年死亡リスクは, 平均Ht値27%以上30%未満の群を対照 [Relative Risk (RR): 1.000] とした場合にHt 30%以上33%未満の群でRR: 0.447 [95%信頼区間 (95% CI): 0.290-0.689 p=0.0003] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 0.605 [95% CI: 0.320-1.146 p=0.1231] と有意差を認めなかった. 一方, Ht 27%未満の群ではRR: 1.657 [95% CI: 1.161-2.367 p=0.0054] と有意に予後不良であった. また, 3年死亡リスクも1年死亡リスクと同様, Ht 30%以上33%未満の群ではRR: 0.677 [95% CI: 0.537-0.855 p=0.0010] と有意に良好であったが, Ht 33%以上36%未満の群ではRR: 1.111 [95% CI: 0.816-1.514 p=0.5036] と有意差を認めず, Ht 27%未満の群ではRR: 1.604 [95% CI: 1.275-2.019 p<0.0001] と有意に不良であった.<br>これらの調査結果より, 1年および3年死亡リスクはともにHt値30%以上33%未満の群で有意に低値であり, 生命予後の観点からみた血液透析患者のrHuEPO治療における至適維持目標Ht値はこの範囲にあると考えられた. ただし, 1年死亡リスクは, 例数が少ないもののHt値33%以上の群についても低値であったことから, このレベルについては今後再検討の余地があると考えられた.
著者
小林 裕之 高岸 且 森川 英治 細野 賢一 江口 輝 小島 光平
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.104, no.1, pp.1-9, 2022-02-01 (Released:2022-04-18)
参考文献数
18

低コスト2周波GNSS受信機の測位正確度を検証するため,森林外10カ所,森林内21カ所において,1カ所当たり約7時間の静止測位+PPK解析と2分30秒間のRTK測位を行った。10 m以上の大きな誤差を除外したのちの林内における平均水平誤差は,静止測位+PPK解析,RTK測位でそれぞれ1.22,1.72 mとなり,有意差がみられた。静止測位+PPK解析では,3衛星システム(GPS+QZSS+Galileo)よりも4衛星システム(3衛星システム+GLONASS)の方が,また1周波(L1)よりも2周波(L1+L2)の方が水平誤差は小さかった。衛星の仰角マスク値が20,25,30,35°と大きくなるにつれて,大きな誤差の発生頻度は減少した。RTK測位では,float解よりもfix解の方が水平誤差は小さかった。林内における平均垂直誤差は,静止測位+PPK解析,RTK測位でそれぞれ2.12,2.49 mと,水平誤差よりも大きくなった。携帯電話網圏外では静止測位+PPK解析,圏内ではRTK測位で水平位置を決定したのち,近年整備が進む高精度標高データを利用して高さを決定するのがよいと考えられた。
著者
大宮 徹 小林 裕之
出版者
富山県農林水産総合技術センター[森林研究所]
巻号頁・発行日
no.11, pp.25-38, 2019 (Released:2019-08-27)

立山弥陀ヶ原の追分付近における人為的攪乱の履歴を再現するため,過去の空中写真と地形図を比較検討した。GISを用いた解析により,1912年以降の登山道と車道の形成の経緯が明らかになった。この地域はラムサール条約に登録されているが,景観復元にあたっては,植生とともに,歴史的遺跡も適切に保全する必要がある。
著者
小林 裕之
出版者
森林計画学会
雑誌
森林計画学会誌 (ISSN:09172017)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.69-79, 2020-05-19 (Released:2020-08-08)
参考文献数
11
被引用文献数
3

小林裕之:撮影高度とDTMの違いがUAV­SfMによる森林計測に及ぼす影響,森林計画誌53:69~79,2020 UAV­SfMによる森林計測法の確立を目指し,3種類の撮影高度(80,100,120m)と3種類のDTM(0.5,5,10m メッシュ)を組み合わせて,一般向けのUAVによりスギ林の空撮を行った。SfMおよびGISソフトウェアにより樹頂点を決め,樹高,樹冠面積を計測し,胸高直径および材積を推定した。計測精度が最も高かったのは,撮影高度100mと0.5m メッシュDTMの組み合わせであり,立木本数は86本(地上調査は92本),平均樹高は25.29m(同24.81m),プロット材積は104.5m3(同107.6m3)であった。
著者
小林 裕之
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用学会誌 (ISSN:13423134)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.35.159, 2020-07-31 (Released:2020-08-01)
参考文献数
10

富山県立山町の三等三角点「栃津」において,安価な 2 周波 GNSS 受信機 3 機 による 3 時間の静止測位と後処理解析を行った。受信したのは,GPS,GLONASS,QZSS および GALILEO の L1 波と L2 波であり,RTKLIB による後処理を行ったのち,観測開始から 30 分,1 時間,2 時間,3 時間の 4 つの観測時間に分割して fix 率,水平測位誤差,垂直測位誤差を算出した。GPS だけを使 った解析では観測開始直後から fix 解が得られることが多かったが,その水平誤差は大きかった。GPS と QZSS の組み合わせは,他の組み合わせよりも fix 率が高く,AR 比が最大の 999.9 のときの水平誤差は 5 cm 前後となった。GPS と GLONASS,GPS と GLONASS および QZSS,GPS と GLONASS と QZSS およ び GALILEO の組み合わせは,観測時間が短い場合に fix 解が得られないこともあったが,ひとたび fix 解 が得られ,AR 比が 999.9 に達したときの水平誤差は 1〜2 cm 程度となった。垂直誤差は小さい場合でも80 cm 前後と,水平誤差に比べて非常に大きかった。L2 波の効果は明瞭ではなかった。
著者
勝俣 昌也 芦原 茜 石田 藍子 小林 裕之
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.17-28, 2015-03-05 (Released:2015-06-30)
参考文献数
16
被引用文献数
2 5

玄米でトウモロコシの全量を代替できるか確認すること,玄米とカンショを併給するときの配合割合を検討することを目的として,3つの肥育試験を実施した。実験1では,トウモロコシ(75%配合)の全量を玄米で代替して肥育後期豚に給与したが,日増体量,飼料摂取量,飼料効率ともに影響はなかった。実験2では,玄米の配合割合を3水準(30,52.5,75%)設定し,玄米とカンショの併給が肥育後期豚の飼養成績と肉質におよぼす影響について検討した。日増体量,飼料摂取量に飼料の影響はなかった。飼料効率には飼料が影響する傾向があり(P<0.10),玄米30%配合区が低かったが,ほかの試験区のあいだに差はなかった。1頭あたりの玄米の給与量を増やすために,実験3では肥育前期から玄米(52.5%配合)を給与し,肥育後期は玄米(52.5%配合)とカンショ(22.5%配合)を併給した。肥育前期(30kg∼70kg)と全期間(30∼120kg)をとおしての飼料摂取量は,玄米·カンショ併給区が高く(P<0.05),全期間をとおしての飼料効率は玄米·カンショ併給区で低かった(P<0.05)。しかし,肥育後期には飼料の影響はなかった。実験1,2,3をつうじて,玄米を給与すると皮下脂肪内層の飽和脂肪酸と1価不飽和脂肪酸の割合が高く,多価不飽和脂肪酸の割合が低くなった。とくに,オレイン酸の割合の上昇とリノール酸の割合の低下は,再現性が高かった。実験2では,皮下脂肪内層の融点が玄米の給与で高くなったが,実験1と3では変化しなかった。胸最長筋のドリップロスやせん断力価には,玄米あるいは玄米とカンショの併給の影響はなかった。これらの結果から,トウモロコシの全量を玄米で代替して肥育後期豚に給与しても飼養成績と肉質に問題はなく,玄米とカンショを肥育後期豚に併給するときの配合割合は,それぞれ50%程度と20∼25%程度がよいと結論した。
著者
近藤 昌和 林 裕之 高橋 幸則
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.163-171, 2011-02

本研究では、 魚類における好中球顆粒の多様性を明らかにするために、 ボラ目ボラ科に属するボラ(ボラ属)の好中球の形態学的特徴を明らかにし、 これまでに報告した各種魚類と比較した。また、 MRSVを好中球以外の白血球にも適用し、 それらの形態学的特徴について明らかにしたのでここに報告する。
著者
松田 忠久 斉藤 雅人 阿部 昌弘 橋本 哲也 小林 裕之 渡辺 泱
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.78, no.8, pp.1417-1422, 1987-08-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
12
被引用文献数
2

1982年6月から1985年10月までに, 京都府立医科大学泌尿器科学教室を受診した腎腫瘤症例で, 腹部CT, 腎超音波検査, 腎血管造影などにて診断が確定し得なかった10例に対して, 選択的腎生検を施行した.選択的腎生検にて得られた組織診断は, 腎細胞癌6例, 乳頭状腎細胞癌1例, 移行上皮癌1例, 血管筋脂肪腫1例, 膜性増殖性糸球体腎炎1例で, それにより各々の症例の治療のために極めて重要な情報が得られた. また生検を契機とした腫瘍細胞の播種をはじめとした合併症は, 認められなかった.よって腎腫瘍に対する選択的腎生検は, 従来の諸検査では診断できなかった腎腫瘍の診断に非常に有用であると思われた.
著者
牛尾 収輝 若林 裕之 西尾 文彦
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.299-305, 2006-07-15 (Released:2010-02-05)
参考文献数
19
被引用文献数
2 4

1990年代後半から2005年までの間,南極リュツォ・ホルム湾では沿岸定着氷の崩壊・流出が頻繁に観測されている.南極沿岸海氷の変動特性を把握するために,同湾で生じる海氷流出の履歴に着目して衛星画像を解析した.その結果,流出発生の有無,つまり海氷の安定/不安定は数年間ずつ続いていること,それらの発現時期は海氷上積雪深や地上気温・風系の年々変化の傾向と符合していることが見出された.また,同湾南端に流れ込む白瀬氷河の浮氷舌の動態を加えて,過去50年間の沿岸定着氷の変動を推定したところ,1980年代初期以降の約25年間は不安定で,それ以前に長期間続いた安定な氷状と顕著に異なることがわかった.南極リュツォ・ホルム湾の沿岸定着氷の変動を解析した結果,以下のことがわかった.
著者
近藤 一郎 小林 哲夫 若林 裕之 山内 恒治 岩附 慧二 吉江 弘正
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.281-291, 2008-06-30
被引用文献数
3

母乳に含まれるラクトフェリン(LF)は鉄結合性糖タンパク質であり,抗菌作用などの生理活性を有することが知られている.本研究では,ウシLF配合錠菓(森永乳業)を3カ月間摂取した場合の歯周炎患者に及ぼす影響を,臨床的,細菌学的,および生化学的に検討した.同意が得られた軽度慢性歯周炎患者18名を無作為に,ウシLF含有錠菓摂取群(実験群:8名)およびプラセボ錠菓摂取群(コントロール群:10名)に分けて,ともに錠菓を1日3回(1回2錠)3カ月間摂取し続けてもらった.錠菓摂取直前(ベースライン),摂取1週後,1カ月後,および3カ月後の来院時に,1)歯周組織検査,2)定量性PCRによる歯肉縁下プラークおよび唾液細菌検査(総菌数,Porphyromonas gingivalis数,Prevotella intermedia数,3)サンドイッチELISA法による歯肉溝滲出液(GCF)および唾液ヒト・ウシLF濃度検査,4)リムルステストによるGCFおよび唾液エンドトキシン濃度検査,を二重盲検法にてそれぞれ行った.各来院時での検査結果の群間差をMann-Whitney U testにて統計解析した.本実験期間中でウシLF錠菓摂取に伴う副作用は一切認められず,同錠菓の安全性が再確認された.実験群ではコントロール群と比べてベースラインに対する歯肉緑下プラーク細菌数変化量の有意な低下が,総菌数(1カ月後),P.gingivalis数(1,3カ月後),P.intermedia数(1週後)においてそれぞれ認められた.唾液細菌数および臨床所見における群間差はみられなかった.ウシLF濃度は,コントロール群と比べて実験群で有意に高いレベルが維持された.ヒトLFおよびエンドトキシンの濃度変化量には群間差はみられなかったが,実験群のGCFでは低レベルで推移する傾向が認められた.以上から,ウシLF配合錠菓の継続的な経口投与により,歯周病原細菌が減少することが臨床レベルで初めて確認された.ウシLFのレベルがGCFである程度維持され,歯肉縁下プラーク細菌を抑制した可能性が考えられる.食品成分であるウシLFを配合した錠菓の経口投与は,より安全な歯周病の予防法として有望であることが示唆された.
著者
橋本 洋志 坪井 利憲 大山 恭弘 苗村 潔 天野 直紀 石井 千春 小林 裕之
出版者
東京工科大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は,日常生活で現れる手の動き(箸や鉛筆の使い方,玉遊び等)を時系列データとして取得し,動きの特徴を表す特徴量を抽出して保存する(アーカイブ(archive)と称す)とともにこの特徴量をハンドガイド(写真参照手に装着して自動制御によりワイヤー型アクチュエータで5本の指を動かす)に送ることにより,ハンドガイドを手に装着した人間に,力覚として手の動きそのもののインストラクションを行えるようにすることにある。本年度では,前年度までの実験結果を基にして,次の成果を得た。● 指関節角度の時系列データに対する主成分分析法により,第1主成分が,動きの巧みさの指標となりうること,また,指関節角度の時系列データのうち,箸使いでは,人差し指と中指の間の角度に対する標本分散が,箸使い上手さの指標となりうることがわかった。● 玉回しでは,親指を含めた3本の指先関節が周期的に動くことが上手さの鍵となることがわかった。また,手の動きに関連して,副次的に次の知見を得た。● 手の力覚を用いて,人間の周囲にある障害物環境を認職できるという視覚の代替感覚を実現できることを明らかにした。● 人間がレクリエーションの一環として太極拳の動作を行うとき,手先の動きが重要であることが判明した。これは上手に動こうとするときの指標として,手先でバランスをとったり,スムーズな動作移行のときに手先反動を用いているためで,人間の動作と手の動きとの関連性に注目することが必要であることがわかった。以上の知見をもとに,指先のみならず手先の動きがしなやかになるようなインストラクションディスプレイのプロトタイプを構築し,臨床実験を通してその高い利便性・使用性を立証した。さらに,指先のモーションアシストデバイスを試作し,指の感覚とその動かし方に関する幾つかの知見を示した。