著者
打越 正行
出版者
特定非営利活動法人社会理論・動態研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、沖縄の下層若者を対象とする追跡調査である。調査を始めた2007年、沖縄の暴走族・ヤンキーの若者の多くは、家族関係が不安定で、中学にほとんど通学しておらず、安定した仕事に就いていなかった。彼・彼女らがその後、誰と、どこで、どのようにつながり、そこでどのような経験を重ねたかのか、そして現在の仕事と生活について追跡調査することが、第1の課題である。続いて、そこで明らかになった沖縄の下層若者の仕事と生活の実態を分析するための概念や枠組みを構築することが、第2の課題である。予定していた参与観察、生活史調査は順調にすすみ、その成果は学会報告、論文、書籍として公開した。
著者
小早川 明良 藤田 成俊 伊藤 泰郎
出版者
特定非営利活動法人社会理論・動態研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

一般的に広く存在する被差別部落が屠畜・精肉、製靴などの皮革産業、竹細工と深く関係しているという考え方は、たんなるステレオタイプに過ぎない。その考え方が国民の間に形成されたことは、「科学的研究」の責任の一端がある。明治の初めから、これらの産業・職業の主要な位置を占めたのは、非被差別部落の経営者であり、労働者であった。現在では、被差別部落の人びとは、その立場は弱くてもそれぞれの地域の産業構造に組み込まれ、生産の一翼を担っている。被差別部落にあって、非被差別部落にない産業・職業は一切存在しない。これが研究の結果である。
著者
青木 秀男 大倉 祐二 山口 恵子 結城 翼 渡辺 拓也
出版者
特定非営利活動法人社会理論・動態研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

山谷・釜ヶ崎の日雇労働者・雑業就業者・福祉受給者・路上生活者の労働・居住・生活が、ネオリベ経済による労働市場の変容、ジェントリフィケーションによる空間構造の変容の中でどのように変容しているか、またそれらの変容がコロナ禍の中でどのように加速しているかについて見る。さらにそれらが山谷と釜ヶ崎でどのように異なるかについて比較を行う。これらにより、日本の都市底辺層の階層構造と変容の動向を探り、そのうえで都市底辺層研究の理論的更新めざす。この研究は、研究代表者・分担者が別のプロジェクトで行っているグローバル都市の底辺層の国際比較研究に連続するものである。