著者
岡村 こず恵 Kozue OKAMURA
出版者
甲南大学教育教職センター
雑誌
甲南大学教育学習支援センター紀要 = Memoirs of Learning Utility Center for Konan University Students (ISSN:24322334)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.137-156, 2021-03-23

本稿は,兵庫県加古川市と甲南大学,神戸新聞社との連携によるProject-Based Learning(問題解決型学習)の実践報告である.はじめに,大学における科目の位置づけを示し,学習活動のプロセス理論に基づきカリキュラム内容を述べる.そのうえで,学びの評価測定のための評価マトリックスをふまえた学習効果の評価指標を提示し,これを用いて学生の取り組みを検証する.
著者
千葉 美保子 Mihoko CHIBA
出版者
甲南大学教育教職センター
雑誌
甲南大学教育学習支援センター紀要 = Memoirs of Learning Utility Center for Konan University Students (ISSN:24322334)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.71-79, 2021-03-23

甲南大学では,2015年度より学修支援の一環として,ラーニングアシスタント制度を導入し展開している。ラーニングアシスタント制度は「Teaching is Learning」(教えることで学ぶ)ことをコンセプトとし,3種目の支援を展開している。本稿では,この3種目のうち,授業内ファシリテーション支援を取り上げ,初年次科目の導入事例を対象とし,学生アシスタントによる学びへの効果とその課題について,受講生を対象としたアンケート調査を行った。分析の結果,受講生の多くがラーニングアシスタントによる学修支援の効果を実感している一方,過剰介入の傾向が見られ,場面や状況に応じた介入方法などを検討する必要性が示唆された。
著者
竹内 正興 定金 浩一 Masaoki TAKEUCHI Koichi SADAKANE
出版者
甲南大学教育教職センター
雑誌
甲南大学教職教育センター年報・研究報告書 = Konan University Teacher Education Center Annual Report and Bulletin (ISSN:18825338)
巻号頁・発行日
no.2019, pp.1-11, 2020-03-31

本研究は、現代の大学不本意入学者の実態を入学と就学の観点から検討することを目的とする。検討の結果、現代の「不本意入学者」について、主に二つのタイプの「不本意入学者」が存在する可能性が示唆された。一つは、入学する大学に対して不本意感を持つタイプであり、もう一つは、入学する大学に対しての不本意感の中に、高校卒業後の進路先が大学進学になったこと自体に対する不本意感が組み合わさるタイプである。二点目の「不本意入学者」が顕在化した要因としては、大学進学率の上昇が考えられる。大学進学率が50%を超えたことで、大学進学という進路選択が、当事者が権利として持つ主体的な選択から義務感へ移行し、当事者が持つメンタリティを複雑にしている可能性が示唆された。