著者
濵田 隆史 山中 仁寛 Takashi HAMADA Kimihiro YAMANAKA
出版者
甲南大学知能情報学部
雑誌
甲南大学紀要.知能情報学編 (ISSN:18830161)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.77-86, 2020-07-31

1990年代に「感性情報」のプロジェクトが始って以来,コンピュータサイエンスの分野で「感性」という言葉がしばしば使われる.この言葉は魅力的に響くが,意味は必ずしも明確ではない.「感性」という言葉は,幕末・明治以降多く作られた翻訳語の1つであり,それゆえに意味が曖昧である.さらに翻訳語に特有の「カセット効果」により,その意味には'+'の方向にバイアスがかけられている.本論文では,「感性」という言葉の歴史を辿り,感性情報研究の現状を紹介し,感性の神経メカニズムについてまとめ,考察を行った.
著者
淺井 優介 北村 達也 川村 よし子 Yusuke ASAI Tatsuya Kitamura Yoshiko KAWAMURA
出版者
甲南大学知能情報学部
雑誌
甲南大学紀要.知能情報学編 = Memoirs of Konan University. Intelligence & Informatics Series (ISSN:18830161)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.67-75, 2020

日本語教育が必要な児童向けの教材作成の基礎データを提供するために,NHK Eテレの小学生向け教育番組の音声を書き起こし,語彙表を試作した.低学年向け17番組計510分,高学年向け19番組計570分を音声認識を利用して書き起こし,その中に現れた単語を有用度指標にもとづいて降順に並べ,語彙表を作成した.得られた語彙表は,先行研究にて作成された書き言葉コーパスに基づく語彙表よりも易しい単語が抽出されており,本研究の方法論の有効性が示された.
著者
北村 達也 Tatsuya Kitamura
出版者
甲南大学知能情報学部
雑誌
甲南大学紀要. 知能情報学編 = Memoirs of Konan University. Intelligence & Informatics Series (ISSN:18830161)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.209-215, 2019-02-28

日本語教育用の教科書に含まれる単語がその教科書において初めて現れる課(初出課)を自動的に判定するシステムを開発し,その利用状況を調査した.その結果,2018年4月1日から7月31日までの四半期に10,000回を超えるアクセスがあり,そのうちの約9割は日本国内からのアクセスであった.また,利用者100名を対象としたアンケート調査の結果,利用者の約6割が日本語教師を職業としている人であった.そして,利用者の約8割がこのようなシステムの有無が教科書の選定に影響すると回答した.
著者
北村 達也 永田 亮 船越 孝太郎 Tatsuya Kitamura Ryo Nagata Kotaro Funakoshi
出版者
甲南大学知能情報学部
雑誌
甲南大学紀要. 知能情報学編 = Memoirs of Konan University. Intelligence & Informatics Series (ISSN:18830161)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1-17, 2018-07-31

This study proposed and evaluated an audio-visual teaching aid for teaching rhythm of spoken English. The teaching aid instructs stress timing of English by movements of a circle marker on PC screen. Native Japanese participants exercised English sentences with and without the teaching aid and their speech sounds were recorded before and after the exercise. The results of analyses of the speech sounds showed that the teaching aid could improve in learning the English stress timing.