著者
淺井 優介 北村 達也 川村 よし子 Yusuke ASAI Tatsuya Kitamura Yoshiko KAWAMURA
出版者
甲南大学知能情報学部
雑誌
甲南大学紀要.知能情報学編 = Memoirs of Konan University. Intelligence & Informatics Series (ISSN:18830161)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.67-75, 2020

日本語教育が必要な児童向けの教材作成の基礎データを提供するために,NHK Eテレの小学生向け教育番組の音声を書き起こし,語彙表を試作した.低学年向け17番組計510分,高学年向け19番組計570分を音声認識を利用して書き起こし,その中に現れた単語を有用度指標にもとづいて降順に並べ,語彙表を作成した.得られた語彙表は,先行研究にて作成された書き言葉コーパスに基づく語彙表よりも易しい単語が抽出されており,本研究の方法論の有効性が示された.
著者
北村 達也 川村 よし子 Tatsuya Kitamura Yoshiko Kawamura
出版者
甲南大学
雑誌
甲南大学紀要. 知能情報学編 = Memoirs of Konan University. 甲南大学 編 (ISSN:18830161)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.25-33, 2017

日本語学習者を対象とした慣用表現の効率的な教育(学習)を実現するため,朝日新聞,毎日新聞,読売新聞の2014 年の記事データベースを対象にして出現頻度の高い慣用表現のリストを作成した.まず,宮地(1982)『慣用句の意味と用法』,森田(2010)『日本語の慣用表現』に掲載された慣用表現に異表記を追加し,6,378 個の慣用表現を得た.次に,3 紙の合計で約490 万文を対象として,慣用表現の出現頻度を計数した.そして,各紙における出現頻度上位100 位のうち,3紙すべてに共通して現れる慣用表現を求めた.これによって,新聞による偏りを排除し,使用頻度が高く学習者に有用な慣用表現リストが得られた.
著者
川村 よし子 北村 達也
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.24-25, 2008

In this presentation, we report on the development of a word level checking system for determining word levels in a text. The Word Familiarity Checker was developed using data found in Special Characteristics of Japanese Vocabulary (Amano & Kondo, 1999) and ranks all words in a text into one of five levels depending on the degree of familiarity. It also creates word lists corresponding to each level of difficulty, and shows a total count for the number of words from the combined lists. This checker will be available on-line in the near future at the Japanese Language Reading Tutorial System "Reading Tutor". (http://language.tiu.ac.jp)
著者
庵 功雄 イ ヨンスク 松下 達彦 森 篤嗣 川村 よし子 山本 和英 志村 ゆかり 早川 杏子 志賀 玲子 建石 始 中石 ゆうこ 宇佐美 洋 金田 智子 柳田 直美 三上 喜貴 湯川 高志 岩田 一成 松田 真希子 岡 典栄
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の成果は次の3点に要約される。第1点は公的文書の〈やさしい日本語〉への書き換えに関わる諸課題の解決、第2点は外国にルーツを持つ生徒に対する日本語教育に関する実証的な取り組みであり、第3点は各種メディアを通じた〈やさしい日本語〉の理念の普及活動である。第1点に関しては、横浜市との協働のもと、行政専門用語562語についての「定訳」を作成し、書き換えに際し有用な各種ツールとともにインターネット上で公開した。第2点に関しては、新しい文法シラバスを公刊する一方、JSL生徒向け総合日本語教科書の試行版を完成した。第3点に関しては、書籍、講演等を通して〈やさしい日本語〉に関する理念の普及に努めた。
著者
川村 よし子 前田 ジョイス 北村 達也 三輪 譲二 宇津呂 武仁
出版者
東京国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、世界各国の日本語学習者に、よりよい読解支援環境をWeb上で提供することである。代表者らはすでに読解学習支援システム『リーディング・チュウ太』を開発しWeb上で公開している。今回新たに文章の難易度の主要な決定要因である単語の難易度と構文の複雑さに着目し、「学習者の視点にたった文章の難易度判定システム」を開発することを目指した。そのため、本研究では世界各国の母語の異なる学習者を対象にした難易度判定実験を行い、その結果を基に、単語と構文の双方に着目した文章の難易度判定システムを開発した。さらに、チュウ太の辞書ツールにはデータ・マイニングシステムを組み入れ、日本語学習者の辞書利用の実態調査を行った。利用者の推移や言語別の利用者数の変化および辞書のカバー率の調査を通して、辞書開発に関する今後の課題も明らかになった。研究成果は、Web上の読解学習支援ツールとして世界の日本語学習者・教育関係者に無償公開している。
著者
三輪 譲二 佐藤 滋 川村 よし子
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、いつでも、どこでも、だれにでも、手軽に、繰り返し利用可能なユビキタス環境における日本語教育支援システムを開発し、地球規模の公開運用実験と評価を行った。このシステムでは、連合漢字学習、手書き漢字入力を用いた辞書検索、漢字文章読解、特殊拍や単語アクセントの聞き取り、日本留学模擬試験、United Linksなどの支援機能を有している。漢字クイズの約1年間の公開運用実験の結果、iPhoneやiPod Touchから約16%の利用があり、ユビキタス環境での学習支援システムが益々重要になってきていることが分かった。
著者
三輪 譲二 佐藤 滋 川村 よし子 齋藤 伸子 稲葉 生一郎 山田ボヒネック 頼子
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、ディジタル世代の学習者に対して、クラウドコンピュータ環境で、多段自律学習できるWebネットワーク型の日本語学習支援システム(e-Manabix)を構築し、地球規模での学習効果の評価を行った。特に、漢字手書き認識を用いた学習支援システムの公開運用評価を実施した結果、スマートフォンからのアクセスの割合が、当初より3倍の増加があり、 ディジタル世代に対応した自律学習支援システムの重要性を示す結果が得られた。