著者
一階 千絵
出版者
群馬県立女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、九州地方で民俗芸能として行われている女相撲と、専業の女力士による女相撲興行の関係性を文献資料より明らかにしていくことを目的とするものである。九州における民俗芸能の女相撲のうち、興行女相撲の影響により始められたとされる事例は、長崎市式見のもののみであった。しかし、昭和御大典(1928)時に仮装、余興として女相撲が始められたとする事例が複数あり、これは女相撲興行が盛んに行われていた時期と重なることから、間接的な影響として、女性達が仮装、余興のモチーフとして力士や相撲を選択する土壌を作った可能性を指摘できる。
著者
武藤 大祐
出版者
群馬県立女子大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

サルドノ・W・クスモの活動をめぐって、インドネシアでの現地調査および国内での文献調査を行った。結果として比較的豊富な映像資料、詳細に記された活動履歴、文献を入手した他、多くの貴重な証言を得た。とりわけサルドノ本人の証言は、広く流布するサル・ムルギヤントの言説と食い違う部分が多く、アメリカのモダンダンスの影響よりもむしろインドネシアの政治・社会状況との深い連関をふまえた、より内在的な歴史記述の可能性が見えてきた。
著者
小笠原 奈保美 Heo Younghyon Ginsburg Jason D.B Anna 桑田 カツ子
出版者
群馬県立女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

(1) 避難伝達文の言語学的分析と(2)避難伝達文発話の際の音響的特徴の影響を調べた。(1)について、津波避難伝達文と水害・土砂災害避難伝達文をデータとして集め言語学的分析を行った。その結果、津波避難伝達文より水害・土砂災害避難伝達文の方が言語量が多い、避難準備から勧告・指示へと緊急性が増すにつれて、複雑な構文が増えることなどが明らかになった。(2)について、声の音響的特徴(性別、ピッチ、発話速度)が、聞き取りやすさ・信頼性・緊急性の評価に影響するかを調査した。実験の結果、女声でピッチや速度を変化させない場合が総じて評価が高かったが、緊急性においては速い発話が効果的であることがわかった。
著者
神保 常彦
出版者
群馬県立女子大学
雑誌
群馬県立女子大学紀要 (ISSN:02859432)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.63_a-51_a, 1983-03-31

Das Problem des Spiels wurde haufig im Gebiet der Biologie, Psychologie, Soziologie und Padagogik behandelt. Selbstverstandlich auch in der Asthetik. Die Gleichartigkeit oder der wesentliche Zusammenhang zwischen Schonheit, Kunst und Spiel ist auf sehr verschiedene Weise interpretiert worden : von Kant als Moment der Spontaneitat, von Fr. v. Schiller als reiner Schein, von E. Fink als Weltsymbol, von F. F. J. Buytendijk als Hin-und Herbewegung, von H.-G. Gadamer als Sichdarstellung, von M. Heidegger als grundloses Sein, von J. Moltmann als Wohlgefallen der Schopfung. Auch die Dichter haben den gemeinsamen Charakter von Schonheit, Kunst und Spiel empfunden. Ch. Baudelaire ("Hymme a la beaute"), Ed. Morike ("Auf eine Lampe") und Fr. v. Schiller ("Nanie") haben jeder auf seine Weise die spielerische Bewegung und die unheimliche Ruhe des Schonen zum Ausdruck gebracht. Wenn Schonheit, Kunst und Spiel ihren gemeinsamen Traggrund im grundlosen Sein haben (Heidegger), dann muss sich die Asthetik mit dem Problem des "Nichts" weiter auseinandersetzen.