- 著者
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脇本 亘
本谷 直
塚本 永和
- 出版者
- 茨城県畜産センター
- 雑誌
- 茨城県畜産センター研究報告 (ISSN:13466488)
- 巻号頁・発行日
- no.43, pp.14-18, 2010-11
本試験では,フリーストール形式において牛体汚染を防止する牛床敷料管理方法について,山砂と戻したい肥を用いて敷料の素材と使用方法の違いによる牛床利用及び牛体衛生スコアへの影響を検討した。敷料導入直後では,種類,量に関わらず,牛床利用率が7割以上であったが, 2週間後には全試験区で低下し,通路への横臥行動がみられた。牛体衛生スコアは場合,牛床利用率の低下にしたがって平均スコアが増加する傾向がみられ,敷料の量が多い乳房付近のスコアが低くなる傾向がみられた。本試験において牛体衛生スコアと体細胞数との関連性は,明確でなかった。入れ替え後3週間後経過した牛床敷料では, 2種類の敷料間で細菌の繁殖性に異なる特徴が認められた。これらの結果から,山砂を多く使用した場合,入れ替え直後は牛の快適性(カウ・コンフォート)が高い牛床条件であるが,2週間以上放置すると著しくカウ・コンフォートが低下するため,敷料の撹拌・入れ替え及び追加などの定期的な牛床管理が必要である。また良質な完熟たい肥を豊富に導入した場合,導入直後は山砂よりもさらにカウ・コンフォートの高い牛床条件になると推察できた。