著者
小木曽 加奈
出版者
長野県短期大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では発芽玄米酒粕を食品加工へ利用することによって3つの付加価値を見いだすことができた。1つは製パン時に発芽玄米酒粕を10%添加した場合、膨らみが大きく、柔らかさが持続し、良い焼き色になるという物性の利点である。2つ目はパンの「コク味」と「塩味」が強くなる傾向を見出した。この呈味は主に発芽玄米酒粕中の有機酸によるものであった。有機酸を計算化学的に検討した結果、その「コク味」が妥当である可能性を示唆した。3つ目、パンの香気性はイソアミルアルコールなどの量が増えたことによりその増強がなされていた。以上のことから発芽玄米酒粕の高付加価値化がなされた。
著者
立浪 澄子
出版者
長野県短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

1876年、日本における最初の幼稚園主任保姆(現在の幼稚園主任教諭)となった松野クララは「結婚のため来日したが、たまたま幼稚園保姆の資格を持っていたため、主任保姆に採用された」というのがこれまでの定説だった。今回の研究によって、クララは、岩倉視察団等の情報により、日本に幼稚園設立の計画があることを察知した婚約者松野ハザマの勧めによって保姆資格を取り、来日した可能性が高いことが判明した。
著者
前田 亜紀子
出版者
長野県短期大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

平成16年度のアンケート調査から、登山ブームの背景となっているのは、中高年登山者であることが確認された。秋期という登山に適したシーズンにおける登山時の被服類、装備品調査でも、被服類の満足度が低いことが明らかとなった。愁訴の多くは、衣服の濡れや発汗に伴う不快感であったことから、平成17年度は、濡れた衣服を着用した時の人体の体温調節反応について、基礎データを得ることを目的に着用実験を実施した。被験者は健康な成人女子11名であった。人工気候室は、気温30、25、20℃(相対湿度は80%一定)に制御された。衣服の様式は、スウェット上下(様式S)とTシャツおよび短パン(様式T)とした。かくして上記の条件より5種条件(30S,30T,25S,25T,20S)を設定した。衣服の濡れ条件は、D(乾燥)、W1(湿った)、W2(びしょ濡れ)の3種とした。条件D,W1、W2における全衣服重量の平均は、様式Sでは各々819,1238,2596g、様式Tでは各々356,501,759gであった。各濡れ条件において、安静期と作業期を設けた。作業期における踏み台昇降作業のエネルギ代謝率は2.7であった。測定項目は、酸素摂取量、直腸温(Tr)、平均皮膚温(Tsk)、および主観申告値とした。酸素摂取量は、衣服重量および寒冷ストレスの影響を受けて変化した。Trの値は、条件25Tと20Sでは漸減した。Tskは環境温に依存して漸減し、特に条件20Sにおいては著しく低下した。本研究の要点は次の通りである。1)濡れた衣服を着用した場合、気温30℃では着衣の工夫により温熱ストレスは最小に止めることができる。2)気温25℃以下では、軽装の場合、寒冷ストレスが生じ得る。3)衣類が乾燥状態であれ濡れた状態であれ、全身温冷感が中立であるとき、Tskは約33℃であった。4)濡れた衣服条件における特色は、全身温冷感が「冷たい」側へシフトするとき、平均皮膚温が著しく低下することである。
著者
立浪 澄子
出版者
長野県短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2013年度は茨城県立歴史館に保存されている「高橋清賀子家文書目録(豊田芙雄関係文書)」より松野クララ関連資料を閲覧、コピーをとり、その分析を実施した。その結果、豊田芙雄をはじめとする初期の女子師範学校保姆、並びに卒業生らはクララからきわめて具体的な教材作成、保育への適用について懇切な指導を受けていることが明らかになった。また新たに「松野クララ記念歴史に学ぶ会」を立ち上げ、下記のような研究会を開催した。1、 第1回 平成24年11月3日(土)15:00~16:50 会場 青山フロラシオン 松の間 講演 木戸孝允の人柄-その先見性と情緒-:木戸侯爵家について-私が見た戦前の華族社会の一端- 東京大学名誉教授・お茶の水女子大学名誉学友、同大学外理事 和田 昭允氏 2、第2回 平成25年11月3日(日) 13:30~15:30 会場 青山フロラシオン しらかば プログラム ○講演1「松野ハザマ・クララ夫妻の生き方と明治という時代」社団法人大日本山林会前会長 小林富士雄氏 ○講演2「武村耕靄をめぐる人々」国立音楽大学名誉教授 小林恵子氏さらに、本研究の成果の一部について下記研究大会においてポスター発表を行った。Organisation Mondiale Pour l’Education Prescolaire World Congress 上海 11- 13 July, 2013 The first kindergarten teacher in Japan-Clara Matuno and how the Friedrich Froebel Method came to Japan 1、A brief biography of Clara Matsuno (1853~193) 2、How did the Friedrich Froebel Method take hold in Japan
著者
前田 亜紀子 山崎 和彦
出版者
長野県短期大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

野外活動用被服類の温熱的快適性について検討するため、3種実験を行った。実験(1)では、野外活動用被服類の各種環境条件下における観察から、フィールドにおける評価方法を検討した。実験(2)では、野外活動における衣服の濡れについて、人工降雨および自然下降雨について比較し定量化した。その上で、徐々に衣服が濡れる場合の生理・心理的影響を捉えた。実験(3)では、寒冷下での野外活動を想定し、被服類内部に発生する結露現象をモデル実験で捉えた。さらに零下15℃における着用試験を実施し、生理・心理的影響について検討した。