著者
戸尾 祺明彦 金川 弘司 石川 恒
出版者
Japanese Society of Veterinary Cardiology
雑誌
家畜の心電図 (ISSN:02870762)
巻号頁・発行日
vol.6, no.6, pp.9-16, 1973 (Released:2009-09-17)
参考文献数
7

ペルシュロン種およびサラブレッド種雄馬の交配時の心電図をテレメータ装置により全経過にわたり連続記録した。心拍数および心電図波型の変化を観察しつぎのような成績をえた。1) ペンレシュロン種雄馬にこあっては, 心拍数の変化は厩舎内安静時では毎分30~40で, 種付場に向う常歩時および同場内周遊時は70前後に増数し, さらに乗駕とともにこ短時間内 (15~45秒) に150~170まで急増し射精にいたった。射精後から雌馬を離れるまでに心拍数はピークとなり, その後は120位まで急速に減数する。以降安静時の心拍数にもどるには, 交配ごとにことなるが, 約3~10分を必要とした。Sniffing にこよる不整脈, 乗駕時および射精後の休息中に心室性期外収縮の発現をみた。心電図ではTおよびST・Tの変化があった。2) サラブレッド種雄馬にあっては, 厩舎内安静時の心拍数は毎分50~60であるが, 近くを通過する雌馬のいななきにより一時的に130まで増数をみた。厩舎を出ることによりさらに170~180まで急騰し種付場内で雌馬の後方で待機時に最高となった。乗駕直前は115前後であるが乗駕とともに130と増数し, 射精後は80まで漸減した。心電図波型上P, TおよびST・Tに変化がみられた。
著者
金本 勇 千村 収一
出版者
Japanese Society of Veterinary Cardiology
雑誌
家畜の心電図 (ISSN:02870762)
巻号頁・発行日
vol.16, no.16, pp.52-56, 1983 (Released:2009-09-17)
参考文献数
7

A diagnosis of ventricular septal defect (VSD) was made tentatively in a male rabbit 18 months of age of the Japanese White mixed breed weighing 1. 3 kg. It was based on the results of physical and hematological examinations, radiography, electrocardiography, and phonocardiography. Unfortunately, the animal died after suffering from a defect in left heart angiocardiography. Necropsy revealed that the animal had the membraneous type of VSD.
著者
関 慶久 樫田 陽子 町田 登 桐生 啓治
出版者
Japanese Society of Veterinary Cardiology
雑誌
動物の循環器 = Advances in animal cardiology (ISSN:09106537)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.74-77, 1998-12-01

うっ血性心不全の症状を呈して死亡したアミメキリン(Giraffa camelopardalis reticulata)の心臓を病理学的に検索した。心臓は拡大して丸みを帯び,両心室腔は著しく拡張していた。左心室内には前乳頭筋と後乳頭筋の位置に2個の硬い灰白色腫瘤病変(それぞれ6×4cm,8×3cm)が認められた。腫瘤は乳頭筋の頂上部.腱索ならびに僧帽弁弁尖の一部を巻き込んでいた。また,左心房の心内膜面には噴流病変が形成されていた。病理組織学的に,これらの腫瘤病変は腱索に主座した心内膜炎の瘢痕化病巣(線維性心内膜炎)とみなされた。