著者
梶並 知記
出版者
Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 第3回研究会 (ISSN:27582922)
巻号頁・発行日
pp.79-84, 2013 (Released:2022-11-07)
参考文献数
19

本稿では,e-Sportsの一種である対戦型格闘ゲームを対象にした,動画コンテンツを用いたプレイ分析支援のために必要な要素について検討する.対戦型格闘ゲームの文化的価値向上を目指す上で,伝統的な盤上ゲームのようにプレイヤーの思考分析が可能であること,また他者へプレイヤーの思考の伝達が可能であることが重要であると考える.本稿では,対戦型格闘ゲームにおけるプレイ技能のうち,戦略的な思考に着目し,それをプレイヤー自身または他者が理解可能な可視化手法について検討する.対戦型格闘ゲームのプレイの特徴を,時間的な側面と空間的な側面から捉え,それらの特徴を考慮して,プレイヤーの戦略的思考の可視化を考える.本稿では,プレイヤーの思考の変化をグラフ構造の変化で表現する方法,ゲームフィールド内のプレイヤーの着目箇所について,参照枠を応用し矩形,円,矢印といった基本図形で表現する方法,これら2つのコンセプトについて述べる.
著者
鳥海 不二夫 吉田 光男
出版者
Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 第12回研究会 (ISSN:27582922)
巻号頁・発行日
pp.27-32, 2018 (Released:2022-11-07)
参考文献数
15

本研究では,2017年に行われた衆議院選挙の政党公式アカウントのツイートの拡散力について分析を行った.まず,公式アカウントのフォロワーとそのソーシャルネットワーク,選挙期間中の公式アカウントのツイートの拡散状況を収集した. 本研究では6政党の公式アカウントを含む61,462,601ユーザの503,648,217ツイートを収集し,当該データを用いて分析を行った.まず,各政党のツイートがどの程度のユーザまで到達した可能性があるかを拡散カと定義し,各政党の拡散力を評価した.その結果,フォロワー数と拡散力は必ずしも一致せず,最もフォロワー数が多かった立憲民主党よりも自民党のアカウントの方が高い拡散力を持つことが明らかとなった.次に,フォロワー数と拡散力の強さが一致しなかった要因の分析を行った. その結果,フォロワー同士のソーシャルネットワークと,公式アカウントのツイート内容が拡散力に大きく影響を与えていることが明らかとなった.自民党の公式アカウントは,フォロワーのフォロワーに政党をフォローしていないユーザが多いこと,政治的なツイート以外をほとんど行っていないことの二点が高い拡散力を持っている要因であることが明らかとなった.一方,立憲民主党のアカウントではフォロワー同士のつながりが強く,また公式アカウントが多数の非政治的ツイートを行っており,ネット選挙における戦略の違いが拡散力の差につながっていることが明らかとなった.
著者
武田 太一 濱崎 雅弘 後藤 真孝
出版者
Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 第15回研究会 (ISSN:27582922)
巻号頁・発行日
pp.9-12, 2019 (Released:2022-11-07)
参考文献数
5

バーチャルYouTuber (VTuber) と呼ばれる,動画投稿者を模したバーチャルキャラクターの活動が盛んになっている.VTuberという言葉は2016年頃から使われ始め,2019年9月時点ではVTuberを名乗るキャラクターは少なくとも9000人を超えている.VTuberの活動はタレントやクリエータなど様々であり多くの分野で注目を集めている.本研究ではそうしたVTuberらの活動の理解と支援を目的として,Webから関連情報を収集し分析した.具体的にはWebからVTuberのプロフィール情報等を収集し基礎的な調査した.さらにVTuberらのTwitterフォロワー情報を収集しその共起関係から,活動傾向の違いやVTuber間の関係性について分析した.
著者
近藤 佑樹 萩行 正嗣 吉田 光男 梅村 恭司
出版者
Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 第10回研究会 (ISSN:27582922)
巻号頁・発行日
pp.31-36, 2017 (Released:2022-11-07)
参考文献数
8

ソーシャルメディアの投稿を活用する際に,ユーザの居住地と投稿内容とを関連付けることにより,より有用な情報を得ることができる.しかし自身の居住地を登録しているユーザは少なく,ユーザの居住地を推定する研究が広く行われている.本研究では,アメダスによる日本全国の観測データを利用してTwitterユーザの居住地を推定する手法を提案する.本手法ではまず,ツイートの投稿テキストから,投稿ユーザがどのような天気の中で投稿したかを推定する.次に推定した天気および投稿日時を各地のアメダスによる観測データと照合する.最後にどの地域から集中的に投稿しているかを推定し,その地域をユーザの居住地とみなす.単語の地理的局所性を利用する従来の手法と比較し,良好な結果が得られた.
著者
奥 健太 山西 良典 松村 耕平 川越 恭二
出版者
Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 第6回研究会 (ISSN:27582922)
巻号頁・発行日
pp.60-65, 2015 (Released:2022-11-07)
参考文献数
10

我々は,ドライブ風景を考慮した経路推薦システムの実現を目指している.そのためには,道路ネットワークを構成するリンクに対し,山道風景や海沿い風景,田園風景などといったドライブ風景タグを付与する必要がある.既存の道路ネットワークデータとしては,市販のものやOpenStreetMapなどがあるが,ドライブ風景タグが付与されたものは見当たらない.また,ドライブレコーダで記録された車載カメラの画像からドライブ風景を推定する方法も考えられるが,カメラ角度の微妙なずれや明るさの変化などによりノイズが多く,データの網羅性も低い.そこで,本稿では,Webから網羅的に収集が可能な道路地図画像および航空写真に着目し,ドライブ風景を推定するために有効な画像特徴量について明らかにする.具体的には,収集したドライブレコーダデータを分析し,ドライブ風景の推定に有効と考えられる画像特徴量について仮説を立案し検証した.また,有効と判断された特徴量を含めた学習モデルを構築し,テストデータを用いたドライブ風景ラベルの推定精度の評価を行った.
著者
安武 凌 野中 健一 岩井 将行
出版者
Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 第16回研究会 (ISSN:27582922)
巻号頁・発行日
pp.38-41, 2020 (Released:2022-11-07)
参考文献数
10

電子書籍の利用者は増加傾向であるが,読書離れが上昇傾向となっている.電子図書館と呼ばれる青空文庫は,年間アクセス数が1000万件弱,作品数は1万4000件以上あるにも関わらず,作品ページに作品の内容に関する記載が一切ない.そのため,利用者はどのようなジャンルなのか,どのような内容なのかを読むまで把握できず,読書離れを促進してしまうといった問題がある.そこで我々は,小説文章を基にした自動要約システムを開発することで,自動要約された文章を利用者が読み,作品に対する興味を抱かせ,読書離れを抑えることを目的とする.事前調査として代表文抽出手法が小説作品の自動要約として有用であるかを調査し,その考察と今後の展望について述べる.