著者
小林 直樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.332-351, 2020 (Released:2020-11-10)
参考文献数
25
被引用文献数
3 4

本稿では,昆虫食習慣のある地域として長野県伊那市を取り上げ,地域の食文化とされる昆虫食について,食用昆虫の採集および流通,消費実態を明らかにし,昆虫食の成立,継続する要件を考察した.アンケート調査の結果,当地域では現在でも多くの住民が昆虫を食べており,昆虫を地域の食材,食文化として認識していた.一方,喫食頻度は低下傾向にあり,食用昆虫の流通構造などにも変化がみられる.伊那市の昆虫食は食用とされる昆虫の種類ごとに異なる特徴をもっており,流通構造などの変化の仕方や変化度合いも昆虫ごとに違いがみられた.今後当地域の昆虫食文化の存続を考えるためには,昆虫を食べない者の多い若い世代の増加による昆虫製品の需要の減少や,域外の原料に頼るかたちとなっている食用昆虫の流通の面に内在するリスクについて,さらに詳しい調査が必要である.

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@ito_masato 昆虫食研究,地理学ではけっこう盛んだったりします。 まあ,野中健一さんというお一人の研究が目立つということではありますが。 https://t.co/XY92s1URwp
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@chiri_lady_ino F外失礼 うちの卒業生の卒論です。よろしければご参考まで https://t.co/8hfQn4D5bQ
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