著者
田村 糸子 高木 秀雄 山崎 晴雄
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.116, no.7, pp.360-373, 2010-07-15 (Released:2010-11-11)
参考文献数
54
被引用文献数
11 13

南関東の千葉県銚子地域から東京都江東区,神奈川県鎌倉市,愛川町にかけて分布する上総層群相当層に見出された,ざくろ石を多量に含むという特徴を持つテフラ層について,記載岩石学的特徴,ざくろ石の化学組成,テフラ層の層序学的位置づけなどを検討し,これらのテフラ層が明確に対比されることを示した.そして,ざくろ石の粒径の傾向などから,その給源火山が丹沢に求められることを明らかにした.このざくろ石テフラ層を丹沢-ざくろ石軽石層(Tn-GP)と呼ぶ.Tn-GPの堆積年代は,各地における生化石層序,テフラ層序,古地磁気層序などから,およそ2.5 Maと推定される.ざくろ石を多量に含む極めて特徴的なTn-GPは,今後,南関東の各地の更新統で見出される可能性が高く,新しい層序区分におけるP/P境界付近,あるいは黒滝不整合の時代の指標テフラとして貴重な時間面を提供し,関東平野の都市基盤解明に寄与すると期待される.

言及状況

外部データベース (DOI)

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丹沢の中核部には、火山のマグマ溜りに当たると考えられる火成岩が露出しています。冷え切って上にある地層が侵食されるくらい長いあいだ活動していないということですから、火山活動が起こることは考えられません。 250万年前に丹沢から噴出したと推定されるテフラが房総半島などで見つかっていますが、それ以降に活動をしたというような形跡は見つかっていないと思います。 南関東に分布する2.5Maの広域テフラ ...

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2枚目のテフラについて平塚市博 野崎篤さんに「朝比奈ガラス質火山灰層(AhG)」と教えていただきました。 参考資料 南関東に分布する2.5Maの広域テフラ:丹沢-ざくろ石軽石層/田村糸子・高木秀雄・山崎晴雄(地質学雑誌2010.7) https://t.co/SzpRKiEfu8 Fig6.に対比されたテフラが記載されています。
【南関東に分布する 2.5 Ma の広域テフラ:丹沢-ざくろ石軽石層】 / 1件のコメント https://t.co/xberS4CSnI “https://t.co/vOzbALg39i” https://t.co/3H942GcEEB
【南関東に分布する 2.5 Ma の広域テフラ:丹沢-ざくろ石軽石層】 / 1件のコメント https://t.co/xberS4CSnI “https://t.co/vOzbALg39i” https://t.co/3H942GcEEB
ざくろ石流紋岩の産地も山北町中川で、西丹沢の細川谷が知られています。 ◆西丹沢・細川谷のガーネット流紋岩(平塚市博物館「相模川の生い立ちを探る会」さん) https://t.co/vHdiMtQsVP ◆南関東に分布する 2.5 Ma の広域テフラ,丹沢-ざくろ石軽石層(地質学雑誌 第 116 巻) https://t.co/QKtljmCo9N
田村ほか(2010) 南関東に分布する2.5 Maの広域テフラ:丹沢-ざくろ石軽石層 銚子・江東区・鎌倉・愛川町の上総層群相当層でざくろ石を含むテフラ(約2.5 Ma)を認定。給源火山は丹沢に求められる。 https://t.co/SluQzVvglM
この噴火に関する論文はこちらですね↓ ・南関東に分布する 2.5 Ma の広域テフラ:丹沢−ざくろ石軽石層 https://t.co/QKtljmTrbN

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