著者
中村 洋介 金 幸隆
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.40-52, 2004-01-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

本研究では,魚津断層の南部に位置する早月川および上市川流域の河成段丘においてボーリング調査を実施し,ローム層中に微量に含まれる火山起源の鉱物を用いて段丘の形成時期の推定を行った.研究地域の段丘面は,高位より,東福寺野面,中野面および大崎野面の3面に分類される.ローム層の層相ならびに火山灰層の層位から考慮して,東福寺野面はMIS6に,中野面はMIS5dに,大崎野面はDKP降下直前に,それぞれ形成されたものと推定される.これらの段丘面は魚津断層によって上下変位を受けている.それぞれの段丘面の形成年代から,魚津断層の上下平均変位速度は北部では0.4~0.5mm/yr程度,南部では0.2mm/yr程度と算出される.北部の変位速度が南部よりも速いのは,本研究地域が全長約25kmの魚津断層の南端に位置するためと考えられる.

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【地理学評論掲載論文】中村洋介・金 幸隆 2004.ローム層のボーリング掘削に基づく富山県魚津断層南部の第四紀後期における上下変位速度の算出,地理学評論77,40-52.https://t.co/NAsPDus9np

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